レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20200131
- 登録日時
- 2020/03/17 00:30
- 更新日時
- 2020/03/17 11:30
- 管理番号
- 中央-2019-22
- 質問
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解決
風鈴の歴史について調べている。「風鐸」はいつ日本に入ってきたのか。また、ガラス製法はいつから伝わり、どのように一般へ普及していったのかも知りたい。
- 回答
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都立図書館蔵書検索でキーワード<風鈴><ガラス>等でヒットした資料を調査した。
(1) 風鐸はいつ日本に入ってきたのか
資料1のp.58-65「暮らしの中の風鈴」(茂手木潔子著)に、風鈴・風鐸の歴史について記述がある。
p.11「伝来は仏教とともに」、p.14「大衆化を支えたものとは?」なども関連する内容である。
資料2のp.69-79「第二章 風鈴の歴史」に、風鈴職人の篠原儀治氏が、風鈴や風鐸の歴史について著者に語った内容が記述されている。
p.53-68「第一章 風鈴の足跡」では、日本におけるガラスの歴史についても述べられている。
資料3のp.33-34「第I編 近世吹きガラスの特徴 第6章 製品の種類 風鈴」には、ガラス風鈴が18世紀中頃には長崎から江戸に伝えられたという記述がある(p.33)。
(2) ガラス製法はいつから伝わり、どのように一般へ普及していったのか
資料4~6には、日本のガラスの歴史が簡潔にわかりやすく記述されている。資料7~9には、専門的な記述が見られる。
資料4のp.40-45「第I部 1.10 日本の古代ガラス」に、「飛鳥時代初頭に伝えられた鉛ガラスは、飛鳥時代が終わる頃には、国内での製造が始まっていた」(p.45)とある。
p.86-89「江戸時代のガラス」の項目に「各地への広がり」「諸藩のガラス製造」、p.90-93に「薩摩のガラス」がある。
資料5のp.177-184「世界ガラス工芸史年表」の一五七〇年の項目に、次の記述がある。
「この頃、『工芸志料』に「南蛮ノ玉工来リテ硝子ヲ造リ其ノ法ヲ伝フ」の記事」
p.114-120「第8章 近世日本のガラス」の項目があり、p.114には、日本のガラスの製法は12世紀頃に中国から伝来したものと思われ、ヨーロッパのガラスと原料調合法が異なる旨の記述がある。その他、「長崎系吹きガラス」「江戸系切子ガラス」「薩摩系切子ガラス」が挙げられている。
「江戸系切子ガラス」(p.116-117)には、「長崎で発達したガラスの製法は、京や大坂に伝播した。(中略)明和7年<1770>に刊行された『彩画職人部類』には「近頃は東都で其職多く行われ、器物の種類も多い」(p.116)等の記述がある。また、「薩摩系切子ガラス」(p.117-120)には薩摩藩でのガラス製造着手、他藩への広がりに関する記述がある。
p.120には「明治以降の日本のガラス工芸」あり。
資料6のp.77-79「江戸期のガラス」(土屋良雄著)に、江戸時代の各地におけるガラス器や吹きガラスの製法の発達等について記述がある。
p.80-82「近代ガラス工芸の動向」(中ノ堂一信著)に、明治以降の歴史がまとめられている。
資料7のp.133-142「びいどろへの招待」に、日本におけるガラス(びいどろ)の歴史について記述がある。
p.63「108 赤紫色・緑色ガラス風鈴」、p.88「148 彩絵椿に鳥文ガラス風鈴」など、1826(文政9)年~1875(明治8)年の製造と考えられる風鈴の写真も掲載されている。
資料8のp.222-226「日本のガラスの始原-弥生時代のガラス」(藤田等著)に、日本におけるガラスの初現について記述がある。
また、p.248-255「明治・大正のガラス」(井上暁子著)では、明治以降のガラス製品の普及について述べられている。
資料9のp.173-286「江戸時代」の項目に、「日本に伝来した外国のガラスとガラス製造」(p.173-202)、「ガラス製造の普及-自営する職人」(p.202-251)、「ガラス製造の普及-各藩の後援」(p.252-266)があり、詳しい記述がある。
なお、資料3のp.36-46「第II編 近世前のガラス」に、主にガラス玉に関する記述がある。
p.47-85「第III編 近世吹きガラスの発生状況」には、どこから伝来し、どのように日本に広まったのかを、文献資料等を基にして分析している。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 陶磁工芸 (751 9版)
- セラミックス.窯業.珪酸塩化学工業 (573 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】風鈴 / NHK「美の壺」制作班/編 / 日本放送出版協会 / 2007.6 <768.1/5045/2007>
- 【資料2】江戸風鈴-篠原儀治さんの口語り / 篠原 儀治/[述] / 瑞木書房 / 2014.6 </751.5/5126/2014>
- 【資料3】日本における吹きガラスの起源 / 中塚美智子/著 / びいどろ史料庫 / 1985.6 <7515/69/85>
- 【資料4】ガラスの百科事典 / 作花済夫/編者代表 / 朝倉書店 / 2007.10 <R/573.5/5023/2007>
- 【資料5】世界ガラス工芸史 カラー版 / 中山公男/監修 / 美術出版社 / 2000.3 <751.5/5003/2000>
- 【資料6】日本のガラス300年 江戸から現代 / サントリー美術館 / 1986 <D/7515/77/86>
- 【資料7】びいどろ・ぎやまん図譜 江戸時代のガラス・粋と美 / 岡泰正/著 / 淡交社 / 1996.8 <7515/3066/96>
- 【資料8】日本のガラス2000年-弥生から現代まで / サントリー美術館/編集 / サントリー美術館 / 1999.7 <751.5/5002/1999>
- 【資料9】日本の硝子史 / ドロシィ・ブレィア/著 / 日本硝子製品工業会 / 1998.10 <D/5735/3036/98>
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000275922