レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010年10月21日
- 登録日時
- 2011/11/15 13:22
- 更新日時
- 2012/06/14 14:22
- 管理番号
- 島根参2010-10-004
- 質問
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解決
うどん(麺類)が「のびる」のはなぜか知りたい。
- 回答
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当館所蔵資料及びインターネット情報より、以下を紹介。
資料1:p501に、めん類は、「ゆで後に放置するとゆでのびにより食味が低下する。これは放置によりでんぷんの老化によって弾性率は増加するが、破断強度は小さくなり腰がなくなるためである。まためん表面と内部との水分勾配が小さくなるのも一因である」との記述がある。
資料2:のびについて、「水分傾斜説」(麺の芯に水分がしみ込んで表面との水分差がなくなり、コシが無い状態になること)と、「デンプンの老化」(茹でたてはデンプンがアルファー化して柔らかいが、時間の経過とともにデンプンが再結晶してベータ化し、ボソボソになってくること)の2つが挙げられている。
<2012/6/14追記>
資料3:「茹で後、数分単位でどんどん変化していくうどんの食感。これは、主に茹で麺内のでん粉が老化(=加熱されてふっくらふくらんでいたでん粉が離水を起こし、でん粉が再び凝集し密な状態になることによってぼそぼそした食感へ劣化すること)していくことによる」との記述あり。
資料4:(子ども向け資料)p28「のびると、ほんとにのびる!」では、ゆで上げ直後ではうどんの表面と中心部では水分の差が大きいが、ゆでたうどんをそのまま放置すると、水分の移動が進んで内外の水分差が少なくなり、弾力も少なくなって、おいしさが失われるとの記述あり。
p35「水洗い」では、ゆでたうどんは温度が低いほどのびも遅くなるが、急速冷凍できない家庭の冷蔵庫では、グルテン繊維が切れて、ボソボソ切れやすいうどんになるとある。そのほかp34~35「ゆでの科学」もある。
資料5:(子ども向け資料)p3に、茹でためん類が、長く水につかったり、煮すぎると粘り気が失われ、でんぷんが水をふくんで、ふやけて「のびた」状態になるとの記述あり。
- 回答プロセス
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(1) 調理に関する参考図書(596)で、「うどん」「麺」「でん粉」等について調査。
(2) インターネットで、「うどん」「のびる」で検索。→【資料2】ヒット
(3) 自館OPACで「うどん」を検索し、うどんに関する資料から「のび」についての記述がないか調査。
- 事前調査事項
- NDC
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- 食品.料理 (596 8版)
- 農産物製造.加工 (619 8版)
- 参考資料
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- 【資料1】 『総合調理科学事典 新版』 日本調理科学会/編,光生館,2006.9 ※貸出禁止資料 (p500~501「麺類」 R596/ソ06/)
- 【資料2】 〔教えて!goo:「麺類において、麺がのびるというのは具体的にどういった現象なのか?」〕http://oshiete.goo.ne.jp/qa/4754173.html(最終確認2012/6/14)
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【資料3】 『だから「さぬきうどん」は旨い よくわかる小麦粉の話うどんの話』 吉原 良一/著,旭屋出版,2009.6
(p41 619.3/ヨ09/
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【資料4】 『うどんの絵本 つくってあそぼう』 おだ もんた/へん あおやま ともみ/え,農山漁村文化協会,2
007.2 (p28「のびると、ほんとにのびる!」、p35「水洗い」 学校支援596/ウ07/ ) - 【資料5】 『かこさとしの食べごと大発見 2 ちり麵ラーメンそばうどん』 加古 里子/絵と文,農山漁村文化協会,1994.2 (p3 子ども596/カ/2)
- キーワード
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- うどん
- 饂飩
- 麺
- ゆでのび
- 澱粉(でん粉)(でんぷん)
- 老化
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000096536