レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020/12/06
- 登録日時
- 2021/01/14 00:30
- 更新日時
- 2021/01/14 00:30
- 提供館
- 宮城県図書館 (2110032)
- 管理番号
- MYG-REF-200128
- 質問
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解決
石のように見える二枚重ねの木材で作られた人工物を見たことがある。時間とともに重ねの接合部分に隙間が出来そこから植物の蔓が伸びておりました。木目を残したまま白く化石化していました。本来であれば木は,黒く石炭化するだろうと考えられるが,木が白く化石化することはあるのか調べたい。
- 回答
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「木が白く化石化する」という記載は見あたりませんでした。
ただし,化石化した木の石炭化以外の変化について,以下の資料に記載がありました。参考までに御紹介します。
資料1 大八木和久『化石を掘る』筑摩書房, 2003【457/2003.7】
p57「9 化石のでき方」の項
「(前略)植物の幹や葉っぱなどはほとんどが炭素でできていますから,(中略)せいぜい炭化する程度で形は残るでしょう。実際,材化石は時代の新しいものは亜炭や石炭に変化しているものがほとんどですし,場合によっては珪化木といって,材の成分の一つである炭素が珪素に置き換わりメノウや蛋白石になっているものもあります。炭素と珪素は科学的に同じ性質(中略)を持っているので置き換わりやすいのです。(後略)」
p78「11 珪化木とお下がり」の項
珪化木のカラー写真が掲載されています。色は白です。
資料2 松浦丹次郎『埋もれ木に花が咲く』土龍舎, 2016【457.7/2016.Y】
p21「5 不灰木と木煤」(植物学者の小野蘭山の著書『重修本草綱目啓蒙』内に記載されている「不灰木」についての解説箇所)の項
「(前略)「不灰木」とは灰にならない木,つまり燃えない木のことである。二種あり,一つは白色系の石のようなものは朽木のような白い色の石で,性質は糸状で,縒ると粉になるという。これはたぶん石綿の原材料になるもののことであろうか。もう一つは木の化石である。木の形質をもった化石である。色は書かれていないが,完全なる化石で,これを燃やそうとしても燃えないから,不灰木という。石炭や亜炭とは違う。石炭や亜炭より固い木化石と考えたら良いのかもしれない。珪化木などが該当するかもしれない。(後略)」
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 古生物学.化石 (457 9版)
- 参考資料
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- 大八木/和久∥著. 化石を掘る. 筑摩書房, 2003.7【457/2003.7】:
- 松浦丹次郎?著. 埋もれ木に花が咲く. 土龍舎, 2016.11【457.7/2016.Y】:
- スティーブ・パーカー?著 小畠/郁生?監訳. 化石の百科事典. 朝倉書店, 2012.1【457.03/2012.1/タR】:
- ジョヴァンニ・ピンナ/著 小畠 郁生/監訳. 図解世界の化石大百科. 河出書房新社, 2000.1【457.03/2000.1/タR】:
- 井尻正二氏還暦記念出版編集委員会/編. 古生物学各論 第1巻. 築地書館, 1982【457/コ2/1】:
- 土屋/香?著 土屋/健?著. 楽しい植物化石. 河出書房新社, 2016.11【457.7/2016.Y】:
- キーワード
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- 植物化石
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000292328