レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20190414
- 登録日時
- 2019/06/08 00:30
- 更新日時
- 2019/09/25 17:13
- 管理番号
- 0401000747
- 質問
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解決
雑誌『日本及日本人』に大正12年に児玉花外が発表した「欧州の龍ムツソリニ」という詩が見たい。
- 回答
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当館が所蔵している大正12年発行の『日本及日本人』には該当の詩は見当たらなかった。
- 回答プロセス
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1.大正12年発行の『日本及日本人』の目次に児玉花外の名前は見当たらなかった。
2.グーグルブックスで「欧州の龍」「児玉花外」などのキーワードで検索してみたが、該当の詩について有益な情報はヒットしなかった。
3.『日本ファシズム論争』の46~47ページに「1923年に「欧州の龍ムツソリニ」という歌を同誌に発表」という記述があるが、それが何号かは書かれていないため、すべての号を調べることにした。
大正12年に発行された『日本及日本人』は合本になっており、上巻(832号から858号)と下巻(859号から869号)の2冊。国会デジタルにはなっていないので、全ての号の目次を直接確認したが、やはり児玉花外の名前はなかった。
4.それぞれの号に投稿された和歌が掲載されているコーナーがあるので、念のためそこも確認したが該当するものはなかった。また、ムッソリーニについて特集している記事も見当たらなかった。イタリア旅行中にムッソリーニの人気ぶりを目の当たりにしたという記事はあるが花外とは無関係(第860号 高田義一郎「伊太利を巡歴して」)。
5.大正12年ではない可能性もあると考え、大正13年の『日本及日本人』の目次も確認したが同様の結果だった。大正11年のものは所蔵していなかったので確認できなかった。
6.『日本ファシズム論争』の46~47ページには、児玉花外が『日本及日本人』の1927年(昭和2年)3月1日号に「ムツソリニと白虎隊」という歌を発表したという記述があり、こちらは掲載号が分かるので、どのような形で掲載されているのか確認するため、国会デジテルで現物を確認したところ、タイトルと名前が目次に載っていた。そこで、やはり「欧州の龍ムツソリニ」も掲載された際には目次に載ったと思われるので、当館所蔵の号には掲載されていないのではないかと判断した。
7.当館が所蔵している児玉花外の詩が掲載されている『明治文学全集83』も確認したが、「欧州の龍ムツソリニ」は掲載されていなかった。
8.当館所蔵の『日本及日本人』は第869号(大正12年9月1日)jまでなので、それ以降の10月~12月に出されたものに載っている可能性もあると考え、調査の経緯と結果をお伝えした際に、そのことについてもご報告した。
9.翌日、大正13年上巻と大正12年下巻の収録号数を確認したところ大正12年は869号まで、大正13年は870号で始まっていて号の欠落はなかった。大正13年元旦号を読むと、その間関東大震災や主宰の三宅雪嶺との絶縁騒動などがあって一旦廃刊になっていたもよう。本来なら月2回の発行なのでその間に7冊発行されていたはずだが、それらは存在していないことが分かったため、改めて連絡をして訂正した。『日本ファシズム論争』に「1923年に「欧州の龍ムツソリニ」という歌を同誌に発表」したと書いてあるが、見つけることができなかった。
- 事前調査事項
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『日本ファシズム論争』の中にそういう記述(大正12年に『日本及日本人』に児玉花外が「欧州の龍ムツソリニ」という詩を発表した)がある。
- NDC
- 参考資料
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- 日本ファシズム論争,福家 崇洋/著,河出書房新社,2012.6 (0119609915|/311.8/フ/)
- 日本及日本人 第852?858号 (大正12年1?4月),八太 徳三郎/編輯,政教社,1923. (0115939449|/フヤ/12506/)
- 日本及日本人 第859?869号 (大正12年4?12月),八太 徳三郎/編輯,政教社,1923. (0115939423|/フヤ/12507/)
- 明治文学全集 83 明治社会主義文学集 1,@,1965年 (0111728762|/918.6/メ/83)
- キーワード
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- 児玉花外
- 日本及日本人
- 欧州の龍ムツソリニ
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 書誌的事項調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000257140