レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/01/06
- 登録日時
- 2022/03/31 00:30
- 更新日時
- 2022/03/31 14:19
- 管理番号
- 滋2021-0029
- 質問
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解決
滋賀県の郷土料理としての「いとこ煮」に関する資料を教えてほしい。特に、調理方法(レシピ)のほか、文化的な背景(歴史など)が知りたい。
- 回答
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『つくってみよう滋賀の味 [1] 』には、「かぼちゃのいとこ煮」と「里芋のいとこ煮」の調理方法の記載があり、「湖北地方では小豆を使ったさといものいとこ煮が多く食べられています。かぼちゃのいとこ煮は湖東地方でよく食べられます。」、「親鸞聖人は小豆が好物であったといわれ、浄土真宗の報恩講、法事の膳の白あえとともに、いとこ煮がよく出されます。」とあります。
『お豆さんと近江のくらし』のいとこ煮の項目では、「いとこ煮という名称のいわれも地域によりさまざまに伝えられている。同じ畑でとれながらまったく異なる作物の小豆とサトイモをいっしょに炊くからとか、ぜんざいの餅をサトイモやカボチャに代えたもので、いわばぜんざいのいとこに当たるからなど」との記述があります。
『芋と近江のくらし』のいとこ煮の項目では、「湖西地方ではサトイモやカボチャに代わって、サツマイモも使われている。また、コンニャクやニンジン、レンコン、カンピョウなどを加えている所もあり、地域や家庭により少し異なったものもみられる。」とあります。
「聞蔵Ⅱビジュアル」(朝日新聞記事データベース)によると、2007年4月19日付け朝刊の滋賀全県1面に「村の移り変わり紹介「大・南大萱展~瀬田のいまむかし」、大津・龍谷大で」の記事で、「さつまいもとあずきを煮た「いとこ煮」などの郷土料理も紹介される。」と書かれています。
『日本の食生活全集 25 聞き書き滋賀の食事』では、滋賀県内の各地域でのいとこ煮について調理方法と関連する記述があります。「鯖街道朽木谷の食」の章のいとこ煮の記述には、「観音講でいただくいとこ煮は、塩味ではなく、砂糖をたっぷり入れるので口あたりがよい。観音さまへの思いのこもった尼講での楽しみな料理である。お日待ちや法事の膳にもつける」とあります。
また『滋賀の食事文化(年報) 第8号 芋特集』では、「中山の芋くらべ」という記事のなかでいとこ煮の記述がありました。直会で出されるものとして、「ササゲは南瓜と煮込んで、いとこ煮にされる」とあります。なお、ササゲについて『近江中山芋くらべ祭り』では、神饌のひとつとして「通称、ササゲという豆で、大角豆のことであり、蔓状に生育する小粒の黒土豆で、この豆の種子は、中山で代々受け継がれて栽培されている特殊な豆である。」と記述されています。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 食品.料理 (596 8版)
- 参考資料
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- 1 つくってみよう滋賀の味 滋賀の食事文化研究会∥編 サンライズ出版 2009年 S-5900- 09 p.98-99
- 2 お豆さんと近江のくらし 滋賀の食事文化研究会∥編集 サンライズ印刷株式会社出版部 1996年 S-5900- 96 p.75-76
- 3 芋と近江のくらし 滋賀の食事文化研究会∥編 サンライズ出版 2006年 S-5900- 06 p.109-110
- 4 日本の食生活全集 25 「日本の食生活全集滋賀」編集委員会∥編集 農山漁村文化協会 1991年 S-5900- 91 p.195,234-235,267,287
- 5 滋賀の食事文化(年報) 第8号 芋特集 小島朝子∥編集 滋賀の食事文化研究会 1999年 S-5900-8 p.54-57
- 6 近江中山芋くらべ祭り 岡本信男∥著 中山芋くらべ保存会 1989年 S-3845- 89 p.53-54
- キーワード
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- いとこ煮
- 小豆
- かぼちゃ
- 里芋
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000314362