事前調査事項にある資料をあわせて調査したが、影響について詳しく書かれた資料は見つけることができなかった。
1.事前調査事項の資料について
(1)『日本の大砲』竹内昭、佐山二郎/著、(出版協同社、1986年)
p.362-367に八八式七糎野戦高射砲についての記述があり、この高射砲の概要(弾量、最大射程、最大射高、弾種等)の記載がある。
また、巻末の付表として「主要火砲弾種/信管一覧表」があり、弾薬筒重量などの記載があるが、爆発したときの影響についての記載はない。
(2)元陸軍中佐 栗田正忠氏の手記は当館では所蔵がなく、確認することができなかった。
(3)米国戦略爆撃調査団の報告など当館で所蔵している資料には、砲弾の影響についての記載は見つけられなかった。
2.その他の主な資料
(1)『日本陸軍兵器資料集-泰平組合カタログ-』宗像和広、兵頭二十八/編著(並木書房、1999年)
p.125-127に八八式七糎半高射砲についての記述があり、有効斜高は約7000m、高度7000mにまで弾丸が到達するのに20.65秒等の記載はあるが、爆発の威力等については記載はなかった。
(2)『陸軍機械化兵器』兵頭二十八、宗像和広/著(銀河出版、1995年)
p.54-56に八八式7センチ野戦高射砲についての記述があり、「最大発射速度は毎分一五発で、高度七〇〇〇メートルでの水平威力圏は六キロ」、
「大戦後期の八八式七高は、低空攻撃の艦載機やP-51戦闘機、中高度爆撃のB-24などをコンスタントに撃墜した」との記述がある。
(3)『火薬弾薬技術のすべて』防衛技術ジャーナル編集部/編(防衛技術協会、2008年)
弾薬の種類や弾道の計測方法など一般的な火器・弾薬技術についてまとめられた資料だが、ご質問の八八式7.5cm高射砲についての記載はなかった。