レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年02月01日
- 登録日時
- 2020/05/29 09:00
- 更新日時
- 2020/05/29 11:14
- 管理番号
- 京歴-488
- 質問
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解決
京都府内の町家を中心に、どのような樹種の木材が使われていたか分かる資料はないか。
- 回答
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『近世京都の町・町家・町家大工』(①)のpp.50-88「第三章 天明大火直後の京都における町家普請―寛政二、三年「注文帳」を中心に―」に、色々な町家の用途ごとの材種が記載されている。この章では、町家の大工であった近江屋吉兵衛の「注文帳」を取り上げ、受注した町家の所要材木の材種・寸法・価格等を調査している。
一例として、p.56に掲載の「表2-1<小田原屋角兵衛>木寄」から、用途毎の材種を一部記載すると、
「表柱、取置はしら、表桁、上りかまち、床板等」松
「大極柱」檜
「大屋根裏板、側柱、束大引、けた、天井板、廻りふち」杉
「椽(たるき)、大たれかまち」樅(もみ)
である。
『町家再生の創意と工夫:実例にみる改修の作法と手順』(②)のpp.179-182に、「京町家作業組標準歩掛り表」があり、p.180には、現在再生する場合の木材が用途別に記載されており、「土台」ヒバ・ヒノキ、「柱」ヒノキ、「荒野地」杉、「化粧野地」杉・ヒノキ、としている。
またp.22の「町家の適材適所に学ぶ」によると、「通り柱」桧、「側柱」杉、「桁・梁」松、「大引・モヤ・棰(たるき)」杉、「敷居」松、「鴨居・天井廻り縁」杉、とある。
『なるほど!「京町家の改修」:住みつづけるために』(③)p.10「適材適所」には、「土台」栗・ヒバ・桧など、「柱」桧・杉・松など、「梁」松など、「鴨居」杉など、「敷居」桧・桜・松など、と記載されている。
- 回答プロセス
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「民家・町家」(日本十進分類法(NDC)521.86)の本が並んでいる棚を調べ、『近世京都の町・町家・町家大工』(①)、『町家再生の創意と工夫:実例にみる改修の作法と手順』(②)、『なるほど!「京町家の改修」:住みつづけるために』(③)に、京都府の町家の木材の種類についての記述があるのを見つけた。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本の建築 (521)
- 参考資料
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- ①日向進著.近世京都の町・町家・町家大工.思文閣出版,1998. (当館請求記号:K1||521.86||H99||)
- ②京町家作事組編著.町家再生の創意と工夫:実例にみる改修の作法と手順.学芸出版社, 2005. (当館請求記号:開架 K1||521.86||Ky5||)
- ③京都市景観・まちづくりセンター編著.なるほど!「京町家の改修」:住みつづけるために.京都市景観・まちづくりセンター,2003. (当館請求記号:K1||521.86||Ky6||)
- キーワード
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- 京町家
- 材木
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000282509