レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2008年03月02日
- 登録日時
- 2008/05/17 17:29
- 更新日時
- 2008/05/17 17:29
- 提供館
- 岐阜県図書館 (2110001)
- 管理番号
- 岐県図-0948
- 質問
-
解決
戦時中、徳山村に届いた召集令状は、どのようなルートで届けられていたのか。
- 回答
-
1 『岐阜県史 通史編 続現代』(岐阜県,2003 郷土:201/ギケ)の徴兵に関する記述は以下の通り。
「岐阜県民は居住する郡によって三つの連隊区、即ち、岐阜連隊区(中略)敦賀連隊区(不破郡・揖斐郡(中略)、富山連隊区(中略)に分かれて徴兵検査を受け、各連隊に入営した。(中略)四一年八月には軍管区の改定(軍令陸第二〇号)により一府県一連隊制が実施され、県内全域が岐阜連隊区の徴募区となった。)」(p.6)
徳山村は1941年以前は敦賀連隊区、1941年以降は岐阜連隊区となる。
2 近隣の町村史には令状が警察を通して役場へ、役場から対象者へと届けられたとする記述があった(『大野町史 通史編』p697、『池田町史 通史編』p570)。
また、『改正兵役法と関係法規の解説』(桑田理吉,1940 郷土書庫:391 /ク)では警察署長、支庁長は、召集令状を町村長に送付する責任があるとされている。
3 召集令状を伝達を担当した人間の手記などがないか調査。岐阜県の例ではないが、黒田俊雄編『村と戦争 兵事係の証言』(桂書房,1988 7書庫:393.2/ム)に以下の記載あり。
「(動員令は)大本営・陸軍省から出されて軍艦区司令部・第九師団(金沢師団)司令部・各連隊(部隊)富山連隊区司令部へ通達され、連隊区司令部において常に準備されている動員計画によって召集令状が調整され、出前警察署を経由、警察官が急使(召集令状を持って来る使者)を護衛し、また警察官自身が急使となって役場へ届けるのであった。ただし太平洋戦争中は、兵事主任が警察署へ呼び出され、召集令状を受けることが多かった。」(p.50))
4 徳山村の警察および村長の職務について『徳山村史』(郷土:235.8 /ト)を参照。警察は揖斐警察署(現在の揖斐川町三輪)が徳山村を管轄、徳山村には巡査駐在所が設置されている。
また、大正時代の村長の引継ぎ書目録中に「兵事ニ関スル書類」「兵事諸名簿」「諸兵召集令状」の記述がある。
5 以上により、召集令状は、岐阜連隊司令部から、岐阜県警(または徳山村徳山巡査駐在所)を経由して、徳山村役場に届けられたと推定し、その旨回答した。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 日本史 (210 9版)
- 国防政策.行政.法令 (393 9版)
- 参考資料
- キーワード
-
- 兵役
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000044207