レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20110912
- 登録日時
- 2011/10/20 02:00
- 更新日時
- 2011/10/20 09:42
- 管理番号
- B2011口頭0912
- 質問
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解決
けい酸ソーダ3号の線膨脹係数を知りたい。
- 回答
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ご照会の事項について以下の通り回答いたします(【 】は当館請求記号です)。
けい酸ソーダ3号の線膨脹係数を記述した資料は見当たりませんでした。
資料(1)によると、お問い合わせの「けい酸ソーダ3号」と名称が類似する物質が掲載されており、この物質は二酸化けい素、酸化ナトリウムなどによって構成されるものであるとの記述があります。
資料(2)-(6)に、原料に二酸化けい素、酸化ナトリウムが含まれるガラスの熱膨張係数に関する記述が掲載されていましたので、ご参考までにご紹介いたします。
資料(7)に、「線膨張率」、「熱膨張係数」、「膨張係数」、「膨張率」の意味が記述されています。
(1)「日本工業規格 JIS K1408-1966 けい酸ナトリウム(けい酸ソーダ)」【M/JIS K 1408:1966】
JISC日本工業標準調査会ホームページ(http://www.jisc.go.jp/)で閲覧が可能です。「JIS検索」のページ(http://www.jisc.go.jp/app/JPS/JPSO0020.html)で、規格番号等を入力して検索が可能です。
「2.品質」(p.1)に、種類が「3号」であるけい酸ナトリウムの、二酸化けい素の比率、酸化ナトリウムの比率等が記載されています。
(2)『ガラス工学ハンドブック』(朝倉書店 1999.7 【PA2-G58】)
p.112-113「2.3.3 ガラス組成と熱膨張係数」に、混合組成のガラスにおける、熱膨張係数の計算式と、計算に必要となる組成ごとの熱膨張係数因子(0-100℃領域では、二酸化けい素は0.5、酸化ナトリウムは26.9など)が記載されています。
また、「表2.5 実用的なガラスの熱膨張係数と測定された温度範囲」(p.114)に、複数のガラスの種類とその熱膨張係数が記載されています。「表2.6 表2.5のガラスに含まれる構成成分の割合(wt%)」(p.114)と併せて見ることで、二酸化けい素、酸化ナトリウムを構成成分とする複数のガラスについて、熱膨張係数を調べることができます。
(3)『ガラス組成データブック 1991』(日本硝子製品工業会 1991.3 【PA241-E26】)
様々なガラスを用途ごと(板ガラス、びん・容器ガラスなど)に分類し、複数のガラスについて組成(wt%)、特性(熱膨張係数など)を記載している資料です。二酸化けい素、酸化ナトリウムを組成成分とする複数のガラスについても、熱膨張係数が記載されています。
(4)『Properties and applications of glass』(Elsevier Scientific Pub. Co. 1980 【PA241-17】)
CHAPTER III「THERMAL EXPANSION」(pp.67-97)に、複数の組成のガラスの熱膨張率が記載されています。「Fig.33 Thermal Expansion of Na2O-SiO2 glasses」(p.67)では、二酸化けい素を酸化ナトリウムの組成割合を変化させた時の、熱膨張率をグラフに記載しています。「Fig.33 Thermal Expansion coefficients of glasses in the system R2O-SiO2」(p.67)では、Na2O-SiO2、K2O-SiO2、Li2O-SiO2の3種のガラスに関して熱膨張率を比較してグラフに記載しています。
(5)G. Gavriliu「Thermal expansion and characteristic points of -Na2O-SiO2glass with added oxides」『Journal of the European Ceramic Society』(Volume 22 Issue 8 August 2002 pp.1375-1379 【Z54-F608】)
二酸化けい素、酸化ナトリウムを組成成分とするガラスに、他の様々な酸化物を混合した場合の熱膨張の変化を調査した論文です。二酸化けい素70%、酸化ナトリウム22%、その他の酸化物8%である、複数の種類のガラスについて熱膨張を調査しています。
(6) 『Landolt-Bornstein 第6版』(Springer 1950- 【530.83-L258z6】)
6th IV/4a, pp.811-818に、複数の種類のガラスの熱膨張係数が記載されています。
p.811には、ガラスの熱膨張係数の計算式と、計算に必要となる組成ごとの熱膨張係数因子が記述されています。pp.812-818に、二酸化けい素、酸化ナトリウムを組成成分とするガラスを含む複数の種類のガラスの熱膨張係数が記述されています。
(7)『物理学辞典』(3訂版 培風 2005.9 【MC2-H7】)
「膨張率」(p.2196)の項目に、膨張率とは、「物体の体積が温度上昇に伴って増大する割合」のことであると記述されています。また、膨張率には、線膨張率と体膨張率とがあり、当方的個体の場合には、線膨張率は体膨張率の3倍になると記述されています。なお、「膨張係数」(p.2196)の項目によると膨張係数と膨張率と同義であり、「熱膨張係数」(p.1705)の項目によると熱膨張係数と膨張率と同義であると記述されています。
インターネットの最終アクセス日は、2011年10月5日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 無機化学 (435)
- 参考資料
- キーワード
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- 線膨張係数
- 線膨張率
- 熱膨張係数
- ガラス
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000093525