レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/9/16
- 登録日時
- 2017/12/21 00:30
- 更新日時
- 2017/12/21 00:30
- 管理番号
- Q170905144931
- 質問
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解決
松美佐雄(まつみすけお)という明治~昭和30年頃まで活躍された児童小説家が函館山の洞窟を探検した話をモデルにした物語を時事新報社・少年新報社より発行されている雑誌に掲載されているようなのですが、上記の内容のものが記載されている掲載誌名と巻号の特定をお願いします。
- 回答
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お探しの資料と、一部条件の合致するものが見つかりました。
江見水蔭 ; 松美佐雄「特命探險艇」
(『少年世界』13(9) 1907.7 pp.91-98/13(10) 1907.8 pp.104-110 【当館請求記号Z32-B239】所収)
日露戦争中、ある要塞連隊に召集され、砲台守備隊に編入された吹田少尉が、命じられて砲台近くにある「闇黒窟」を探検する話です(2話完結)。洞窟内は湖になっており、奥には石の祠、またその向かって左側に船が入れないくらいの水道があるという描写が、函館市の穴澗洞の様子と合致しています。ただし、所在地についての明示はなく、掲載誌は博文館発行である点が条件と異なります。
(調査方法)
ご照会事項から、「北海道」「函館」「松美佐雄」をキーワードと設定し、Google(https://www.google.co.jp/)を検索したところ、以下の資料にお探しの資料に関する記述があるとの情報がありました(以下、【】内は当館請求記号)。
・北海道庁 編. 北海道の口碑伝説. 日本教育出版社, 昭15 【764-112】
そこで、この資料の「函館市」>「11.穴澗」(pp.176-178)の項を確認したところ、次のような記述がありました。
「時事新報社から発行の雑誌少年に、これらの穴澗や、谷地眼、深穴などを取材として、松美佐雄が要塞の兵隊さんが探検したと言ふ、童話を発表したことがある。」(p.178)
上記の情報から、まず次の雑誌について調査を行いました。
・少年. 時事新報社, [1903]-[19--] 【Z32-B214】
12号 (明37.9), 14号 (明治37年1月1日)-17号 (明治38年2月1日), 22号 (明治38年7月1日), 24号 (明治38年9月1日), 26号 (明治38年11月1日), 28号 (明治39年1月1日), 33号 (明治39年6月1日)-201号 (大正9年5月), 213号 (大正10年5月)
国立国会図書館デジタルコレクション(http://dl.ndl.go.jp/)にて、当館所蔵の号のうち、目次に「松美佐雄」を含む次の掲載作品を確認しましたが、お探しのものと思われるものは見当たりませんでした。
・松美佐雄「鐵血將軍の花束(終篇)」(『少年』(120) 1913.9 pp.56-60【Z32-B214】)
・松美佐雄「地中戰(軍事小説)」(『少年』(136) 1915.1 pp.67-75【Z32-B214】)
・松美佐雄「高原のお伽講話(信州旅行)」(『少年』(136) 1915.1 pp.94-95【Z32-B214】)
・松美佐雄「皇帝の軍旗(冐險小説)」(『少年』(148) 1916.1 pp.12-21【Z32-B214】)
・松美佐雄「皇少年射撃家(冒險小説)」(『少年』(160) 1917.1 pp.96-104【Z32-B214】)
・松美佐雄「雪のお伽旅行」(『少年』(164) 1917.4 pp.96-97【Z32-B214】)
・松美佐雄「孤島探險隊(冐險小説)」(『少年』(164) 1917.4 pp.102-110【Z32-B214】)
・松美佐雄「我友よ彼友よ(少年小説)」(『少年』(201) 1920.4 pp.64-69【Z32-B214】)
・松美佐雄「大きな獲物(冒險小説)」(『少年』(213) 1921.4 pp.46-51【Z32-B214】)
なお、次の号は当館では未所蔵のため、調査できませんでした。
38, 39, 41-44, 47, 51, 57, 58, 62-67, 71, 72, 74-76, 83, 84, 86-87, 89-95, 97-99, 102, 103, 105-108, 110-114, 116-118, 121, 122, 124, 126-129, 137-147, 149-155, 157-159, 161-163, 165, 166, 168, 169, 171, 172, 174-184, 186-196, 198-200号
また、次の号は当館に所蔵がありますが、作業中のため現時点では確認できませんでした。(NDL-OPACの所蔵詳細画面で、「利用上の注意」欄から「作業中」の表示が消えましたら利用可能となります。)
88, 100, 101, 115, 119, 156, 167号
最後に、国立国会図書館デジタルコレクションにて、タイトルに「少年」、目次に「松美佐雄」を含む「雑誌」を検索し、内容を確認したところ、回答でご紹介した資料を得ました。
(その他調査済み作品)
・松美佐雄「少女美談 毒の銀煙管」(『少年少女譚海』6(9) 1925.9 pp.87-93【Z32-B219】)
・松美佐雄「傳説哀話 朝日堂夕日堂」(『少年少女譚海』7(1) 1926.1 pp.38-48【Z32-B219】)
・江見水蔭 ; 松美佐雄「少年守備隊」(『少年世界』10(12) 1904.9 pp.58-65【Z32-B239】)
・江見水蔭 ; 松美佐雄「少年守備隊」(『少年世界』10(13) 1904.10 pp.73-84【Z32-B239】)
・江見水蔭 ; 松美佐雄「少年守備隊」(『少年世界』10(15) 1904.11 pp.61-68【Z32-B239】)
・江見水蔭 ; 松美佐雄「少年守備隊」(『少年世界』10(16) 1904.12 pp.106-115【Z32-B239】)
・松美佐雄「上野國榛名山」(『少年世界』12(16) 1906.12 pp.68-71【Z32-B239】)
・松美佐雄「庭上端艇」(『少年世界』13(4) 1907.3 pp.52-55【Z32-B239】)
・松美佐雄「多胡の古碑」(『少年世界』13(16) 1907.12 pp.52-56【Z32-B239】)
・松美佐雄「英雄の俤」(『少年世界』14(16) 1908.12 pp.73-78【Z32-B239】)
・松美佐雄「雪の砲臺」(『少年世界』15(2) 1909.2 pp.68-75【Z32-B239】)
・松美佐雄「北極探檢遊戯」(『少年世界』15(14) 1909.11 pp.62-67【Z32-B239】)
・松美佐雄「雪中行軍」(『少年世界』16(3) 1910.2 pp.36-42【Z32-B239】)
・松美佐雄「平將門」(『少年世界』16(16) 1910.12 pp.81-87【Z32-B239】)
・竹貫佳水 ; 松美佐雄「動物お噺笑劇 だまされ家鴨」(『少年世界』17(6) 1911.4 pp.101-121【Z32-B239】)
・松美佐雄 ; 岡田榮「冒險血面兒」(『少年世界』17(9) 1911.7 pp.84-91【Z32-B239】)
・松美佐雄「少年小説 夏の柱暦」(『少年世界』18(11) 1912.8 pp.86-93【Z32-B239】)
・松美佐雄「短話十二將軍」(『少年世界』18(14) 1912.10 pp.96-104【Z32-B239】)
・松美佐雄「少年小説 獅子將軍の勳章」(『少年世界』18(16) 1912.12 pp.73-81【Z32-B239】)
・松美佐雄「露木將軍(少年小説)」(『少年世界』19(4) 1913.3 pp.65-68【Z32-B239】)
(インターネットへの最終アクセス:2017.9.14)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 小説.物語 (913)
- 参考資料
- キーワード
-
- ストーリー・レファレンス、児童文学
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000226830