レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016/7/27
- 登録日時
- 2016/08/18 00:30
- 更新日時
- 2016/08/18 17:12
- 管理番号
- C160715184644
- 質問
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解決
第一次・第二次世界大戦前後に、日本からオーストラリア方面(オーストラリア、ニュージーランド、フィジー等)へ牛が輸出又は移出された記録はないか。
- 回答
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貿易又は移出に関する統計が含まれる資料1から資料14の下記の年代を確認しましたが、オーストラリア、ニュージーランド及びフィジーに牛が輸出又は移出された、と断言するに至る記述は見当たりませんでした。
なお、資料1から資料14の中には、「牛」ではないものの、輸出品目に「その他の動物及び植物」という項目がある資料が多数あります。また、資料1及び資料2の一部には、南洋委任統治区域への移出が言及されているものがあります。参考までに御紹介します。
【】 内は当館請求記号です。また、インターネットの最終アクセス日は2016年7月22日です。末尾に*が付された資料は、国立国会図書館デジタルコレクションに収録されており、インターネット上で公開しています。末尾に**が付された資料は、国立国会図書館デジタルコレクションに収録されており、国立国会図書館及び図書館送信参加館内で公開しています。
資料1 農林省畜産局 編『本邦畜産要覧. 第1-7次』農林省畜産局, 大正6-14【14.2ロー93イ】*
資料2 農林省畜産局 [編]『本邦畜産要覧. 第8-18次』中央畜産会, 昭和3-14【14.2ロー93イ】*
「家畜及畜産物輸出額累年比較」という表があり、「第7次」(大正14年発行)及び「第18次」(昭和14年発行)を確認したところ、ともに「牛」の項目があります(第7次はp.210、第18次はp.93)が、輸出先については記述されていません。
また、一部の年代には「家畜及畜産物移出額累年比較」の各表の1つに「内地ヨリ南洋委任統治區域へ」という表があります。「第18次」(昭和14年発行)ではp.100に記載されており、昭和8年から昭和12年の「牛」の項目に10~20頭程度の値が記載されています。オーストラリア、ニュージーランド、 フィジーは当時の南洋委任統治区域には含まれませんが、参考までにお伝えいたします。
資料3 大蔵省 編『大日本外国貿易年表. 大正元,2年,3-9(各上,下篇),10年 上篇,13年 上篇』大蔵省, 大正2-15 【14.4-220】*
資料4 大蔵省 編『大日本外国貿易年表. 大正14至昭和3年(各上,下篇)』大蔵省, 昭和2-6 【14.4-220】*
資料5 大蔵省 編『日本外国貿易年表. 昭和4-9年(各上,中,下篇)』大蔵省, 昭和6-10 【14.4-220】*
資料6 大蔵省 編『日本外国貿易年表. 昭和10至13年』大蔵省, 昭11至15【14.4-220】*
資料7 『日本貿易年表. 昭和8-39年』大蔵省関税局, 1934-[1965] 【678.91-O635n】*(昭和18年版以降は**)
『大日本外国貿易年表』のうち、大正3年版及び大正15年-昭和元年版を確認したところ、上巻の「輸出品表」において、「牛」の項目は見当たりませんでした。 また、下巻の「各国別輸出入品表」の「濠太剌利輸出」及び「其他諸国輸出」には「牛」の項目は確認できませんでした。また、大正15年-昭和元年版の「各国別輸出入品表」の「新西蘭」でも、「牛」の項目は見当たりませんでした。
『日本外国貿易年表』のうち、昭和13年版を確認したところ、上巻の輸 出品表に「牛」の項目がありました(p.6)が、相手先として「滿州國」、「關東州」、「中華民國」以外の記載はありませんでした。また、中巻の「國別輸出入品表」の「濠太剌利輸出」、「新西蘭輸出」、「フィジー輸出」、「其ノ他ノ大洋國輸出」において、「牛」の項目は見当たりませんでした。
資料8 大蔵省 編『日本外国貿易四半期表. 昭和13年第1四半期至昭和14年第4四半期』大蔵財務協会, 昭13至15 【14.8-238】*
昭和14年第4四半期を確認したところ、上巻の「輸出品表」及び下巻の「國別輸出入品表」の「濠太剌利輸出」、「新西蘭輸出」、「フィジー輸出」、「其ノ他ノ大洋國輸出」において、「牛」の項目は見当たりませんでした。
資料9 内務省土木局 編『大日本帝国港湾統計. 明治42-44,45・大正元,2-13年』内務省土木局港湾課, 大正2序-15 【14.4-348】*
資料10 内務省土木局 編『大日本帝国港湾統計. 大正14至昭和8年』内務省土木局港湾課, 昭和2-10 【14.4-348】*
資料11 内務省土木局 編『大日本帝国港湾統計. 昭和9-11,13年』港湾協会, 昭11至15 【14.4-348】*
資料12 内務省土木局 編『大日本帝国港湾統計要覧. 昭和10,12-13年』内務省土木局, [昭和12]-15 【14.4-993】*
資料13 内務省国土局港湾課 編『大日本帝国港湾統計. 昭和14-16年』内務省国土局港湾課, 昭和16-17 【14.4-348】*
大正3年版の「輸出入重要品」の輸出の箇所を確認しましたが、「牛」の項目は見当たりませんでした。また、昭和14年版の「輸移出入重要品及其國別又ハ港別」の輸移出の項目を確認したところ、那覇(p.544)など、複数の港で「牛」の項目が確認できましたが、輸移出先はオーストラリア、ニュージーランド、フィジー以外もしくは「其他諸港」となっており、オーストラリア、ニュージーランド、フィジーに輸移出した、と断言するに至る記述は見当たりませんでした。
資料14 内閣統計局 編『日本帝国統計年鑑. 第1-59回』東京統計協会, 1882-1941 【351-N6892-N】(第31回~第59回は*)
第31回(大正元年発行)、第45回(大正15年発行)、第59回(昭和16年発行)の輸出に関する箇所をそれぞれ確認しましたが、「牛」という項目は見当たりませんでした。
(その他調査済み資料及びデータベース)
・商工省商務局貿易課 編『一九二六-二七年度ノ濠洲外国貿易概況』商工省商務局貿易課, 昭和3【579-147】*
・『海外拓殖事業調査資料. 第39輯 濠洲委任統治領ニューギニア事情』拓務省拓務局, 昭和13 【14.5-291】*
・飯本信之, 佐藤弘 編『南洋地理大系』第8(濠州、ニュージーランド、太平洋諸島) ダイヤモンド社, 1942 【292.308-I177n】**
・NDL-OPAC(https://ndlopac.ndl.go.jp/)
・国立国会図書館サーチ(http://iss.ndl.go.jp/)
・CiNii Books(http://ci.nii.ac.jp/books/)
・CiNii Articles(http://ci.nii.ac.jp/)
・国立国会図書館デジタルコレクション(http://dl.ndl.go.jp/)
・J-stage(https://www.jstage.jst.go.jp/)
・国立公文書館デジタルアーカイブ(https://www.digital.archives.go.jp/)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 貿易 (678 9版)
- 参考資料
- キーワード
-
- 牛、輸出、オーストラリア
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000196088