レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/3/31
- 登録日時
- 2017/04/20 00:30
- 更新日時
- 2017/05/09 13:37
- 管理番号
- B170323131201
- 質問
-
解決
日本国内で、梨の葉を食べる方法について記載のある資料があれば紹介してください。
- 回答
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当館所蔵資料を調査したところ、梨の葉を食べる方法について記載されている資料(1)及び(2)が見つかりましたので、御紹介します。
(【 】内は当館請求記号です。末尾に「*」がついた資料は国立国会図書館デジタルコレクション(http://dl.ndl.go.jp/)インターネット公開資料です。末尾に「**」がついた資料は国立国会図書館デジタルコレクション(http://dl.ndl.go.jp/)国立国会図書館/図書館送信参加館内公開資料です。)
(1)
伊沢凡人 著. 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社, 1980.10【SD2-26】
「315. セイヨウナシ」の項(pp.195-196)に、セイヨウナシのほか、ナシ(sand pear)についての説明もあり、「〔食用〕」として、「②若葉はよくゆで, よくさわして食うべし。老葉はいりこにすべし(救荒本草抜萃)」(p.196)とあります。この文中の「(救荒本草抜萃)」は次の資料(2)を指します。
(2)
加賀小松藩社倉 編. 救荒本草抜萃. 刊, 文政11序,同刊.【特1-1775】*
四丁表(6コマ目)に梨についての記載があります。
[その他の調査済み資料及びデータベース]
・平井俊次 著. 身近にあるくだものの機能性. 長野県経済事業農業協同組合連合会, 2000.4【RB161-G47】
※「ナシ」の項(pp.46-48)に、「葉にはアルブチン0.6~0.8%とタンニン8%が含まれる。」とあり、
「尿路防腐収斂薬や利尿薬として利用できる。」(p.47)とあります。
・田中孝治 監修. 図解自家製薬(秘)事典 : 野草や野菜がこんなに効くとは知らなかった!. ハート出版, 1995.7【SD121-G13】
※「なし〔梨〕」の項(pp.120-121)に、「<用法>」として、扁桃炎について、日干しにした葉を
煮詰めたものでうがいをする民間療法についての記載があります(p.121)。
・坂口 謹一郎. モスクワの酒. 日本醸造協会雑誌 = Journal of the Brewing Society of Japan. 57(1) 1962.1. pp.20-25【Z17-416】**
※ソ連(当時)のアルコール製品について記載があり、「5. シュタルカ」の項(p.24)(17コマ目)に「クリミヤのりんごや梨の葉を, アルコールで浸出したのに, コニャックとポートワインを加えて造った43%のアルコールを含む飲物である。」とあります。
・農山漁村文化協会 編. 地域食材大百科. 第3巻 (果実・木の実,ハーブ) . 農山漁村文化協会, 2010.8【PC2-J16】
・間苧谷徹 編著. 果物の真実 : 健康へのパスポート. 化学工業日報社, 2000.6【RB161-G45】
・津志田藤二郎 [ほか]編. 地域農産物の品質・機能性成分総覧. サイエンスフォーラム, 2000.5【RB51-G117】
・ナシ. 農山漁村文化協会, 2000.3【RB169-G6】
・水野瑞夫, 米田該典 共著. 明解家庭の民間薬・漢方薬 : 薬用植物利用のすべて. 新日本法規出版, 1995.8【SD121-G21】
・田中俊弘 編. 日本薬草全書. 新日本法規出版, 1995.2【SD121-E133】
・NDL-OPAC (https://ndlopac.ndl.go.jp/)
・国立国会図書館サーチ (http://iss.ndl.go.jp/)
・リサーチ・ナビ (http://rnavi.ndl.go.jp/rnavi/)
・CiNii Articles( http://ci.nii.ac.jp/ )
・CiNii Books( http://ci.nii.ac.jp/books/ )
・J-GLOBAL( http://jglobal.jst.go.jp)
・J-STAGE( https://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja )
インターネット及びデータベースの最終アクセス日は2017年3月27日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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・『原色牧野和漢薬草大圖鑑』(和田浩志/ほか編修 北隆館 2002.10)p.185
「セイヨウナシ」の項目があります。薬用部分として「葉」が挙げられており、葉を煎じて服用しているとの記載があります。
・『国訳本草綱目 第8冊 菜部・果部』(白井光太郎/編,鈴木真海/訳 春陽堂 1933.2)p.303
「葉」の記載があり、梨の葉を煎じて服用する方法等が記載されています。
・『本草図譜総合解説 第3巻』(北村四郎/〔ほか〕共著 同朋舎出版 1990.6)p.1424
解説部分に「ナシの葉にはarbutin0.6~0.8パーセント、タンニン8パーセント含み、その煎汁は尿路防腐作用があり、西洋医学で用いる「ウワウルシ」に代用することができる」とあります。
・『大同類聚方 全訳精解 第3巻 処方部1』(槇佐知子/著 新泉社 1992.8)pp.28-29
太計多薬(タケダ薬)あり。「対馬国下県郡の天照神(社)の宮司、菌田連重の家に伝わっている処方」とあり、そこに梨の葉が使われていると記載があります。
・『実験薬品製造法全集. 第8巻 (植物成分篇) 』(厚生省衛生試験所 編 佐々木図書出版 1949)p.217
「我が国においては民間古くよりその果実に鎮咳の効ありとし欧州にてはその葉を止痢薬として煎じ服せり」というような内容が書かれています。
・韓国食品輸出大商談会出展業者リスト - 韓国農水産食品流通公社
https://www.atcenter.or.jp/dl.php?f=347_file4_31836.pdf&flg=1
「梨花菓茶」の特徴として「梨を利用した浸出茶、梨、桔梗、梨の葉、生姜、ナツメ」とあります。
・ロシア オールドウォッカ スタルカ
http://www.promtec-biz.co.jp/SHOP/RU005S1.html
「本場ロシアのウォッカをベースにリンゴと梨の葉の浸酒」とあります。
・お茶「峠の三茶屋」
http://www.rcc.net/ko-tarin/back/gurume/991002.htm
特産品の梨「幸水」「豊水」の葉を使ったお茶「峠の三茶屋」を販売しているという記載があります。商工会に問い合わせをしましたが、現在では販売されているかどうか把握していないというお返事でした。
・鳥取二十世紀梨記念館のフルーツパーラーにて「紅茶の会」が開催
https://plaza.rakuten.co.jp/sirakabenet/diary/200811300000/
梨の葉で作った紅茶を題材としたとあります。
- NDC
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- 果樹園芸 (625)
- 参考資料
- キーワード
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- 梨
- ナシ
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000215104