レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015/9/3
- 登録日時
- 2015/10/22 00:30
- 更新日時
- 2015/10/23 10:11
- 管理番号
- B150809181212
- 質問
-
未解決
LC発振回路の一種であるバッカー発振回路の原理を解説した資料があれば紹介してください。
- 回答
-
お問合せの事項について、以下の通り回答します。(【 】内は当館請求記号です。)
末尾に"*"が付いている資料は、国立国会図書館デジタルコレクション(http://dl.ndl.go.jp/)(国立国会図書館内限定公開資料)です。
末尾に"**"が付いている資料は、国立国会図書館デジタルコレクション(http://dl.ndl.go.jp/)(国立国会図書館/図書館送信参加館内公開)です。
当館所蔵資料を調査しましたが、バッカー発振回路の原理を解説した資料は見つかりませんでした。
なお、調査の過程において、バッカー発振回路についての記述がある資料(1)-(7)が見つかりましたので参考としてご紹介します。また、European Patent Office(欧州特許庁)(http://www.epo.org/)が提供するEspacenet(http://worldwide.espacenet.com/)にて、「vackar」、「circuits」をキーワードとして検索したところ、バッカー発振回路についての特許(8)が見つかりましたのであわせてご紹介します。
(1)
『SSBハンドブック』(CQ ham radio編集部 編 CQ出版 1969 【ND2-28】)
本資料は本編及び付録からなります。本編の田山彰「SSB用VFOの条件」(pp.200-211)の「1-2 真空管式VFO」(pp.201-203)に、「VFOに適した発振回路としては、第4・2図のようにクラップ(直列同調コルピッツ)、ECO(カソードタップド・ハートレー)、バッカーその他各種の変形がありますが、(中略)第4・3図(a)~(c)に代表的な回路例を示しておきます。」とあり、第4・3図(b)がバッカー回路の回路図となっています。なお、付録には、バッカー発振回路に関する記載はありませんでした。
(2)
梶井謙一「解説シリーズ SSB用VFOの条件--JA1FG」(『CQ ham radio : アマチュア無線専門誌』 21(8) 1966.8 pp.121-124(65-67コマ目) 【Z16-170】)*
p.123にバッカー回路について簡単な言及があり、p.122に「第5図 バッカー回路」、p123に「第8図 実験したバッカー回路」が記載されています。
(3)
「技術展望」(『CQ ham radio : アマチュア無線専門誌』 19(6) 1964.6 pp.174-177(93-94コマ目) 【Z16-170】)*
pp.175-176に作成したバッカーオシレータの実験結果の概要が記載されており、p.175には真空管を用いた「第3図 EF91/6 AM 6 を使った1.5~15Mc用のバッカーオシレータ」の回路図及び「第4図 13.5~39Mc 用のバッカーオシレータ」の回路図が掲載されています。p.176に「[出典 Paul Harris G3 GFN RSGB Bulletin Feb/Mar /'64 JA1AA]」と記載されており、該当資料について当館所蔵資料を調査したところ資料(4)及び(5)が見つかりました。
(4)
Paul Harris「HIGH STABILITY VARIABLE FREQUENCY OSCILLATORS Part1-Considerations affecting Performance and Survey of Types」(『R. S. G. B. Bulletin』 40(2) 1964.2 pp.89-92 【Z53-D494】)
p.92に「Fig 6. Basic Vackar/Tesla oscillator」があり、「The Vackar-sometimes called the Tesla-oscillator (Fig.6) operates over a wide frequency range, (以下、略)」と、バッカー(テスラ)発振回路についての言及があります。
(5)
Paul Harris「HIGH STABILITY VARIABLE FREQUENCY OSCILLATORS Part2-Assessment of the Vackar Oscillator with Circuits and Values for 1・8-39Mc/s」(『R. S. G. B. Bulletin』 40(3) 1964.3 pp.156-160 【Z53-D494】)
全編に渡ってバッカー発振回路について言及しています。
(6)
『Guidebook of electronic circuits; over 3,600 modern electronic circuits, each complete with values of all parts and performance details, organized in 131 logical chapters for quick reference and convenient browsing』(McGraw-Hill [1974] 【ND386-16】)
「CHAPTER 125 Transmitter circuits」(pp.968-987)の項があり、p.975にVACKAR VFOの回路図及び次の記載があります。
「10 W AT 30 MHz WITH VACKAR VFO--Provides tuning of 2.5:1 with inherent stability and essentially constant output amplitude. Article analyzes and performance of circuit originally developed in Czechoslovakia by J. Vackar in 1949. Circuit is highly recommended over usual Colpitts, Hartley, and Clapp versions.--G. B Jordan, The Vackar VFO, A Design to Try, The Electronic Engineer, Feb. 1968, p56-59」
この文中の「G. B Jordan, The Vackar VFO, A Design to Try, The Electronic Engineer, Feb. 1968, p56-59」について当館所蔵資料を調査したところ、資料(7)が見つかりました。
(7)
Gary Blake Jordan「The Vackar VFO, a design to try」(『EE : Electronic Engineer』 27(2) 1968.2 pp.56-59 【Z53-F38】)
p.59の「Conclusions」の箇所に「this circuit is probably the best overall configuration which may be employed with a single active device, though some optimization of component and drive levels may still remain.」と記載されています。また、回路図に「Fig.3: To prove its stability, the Vackar VFO was connected as a transmitter VFO. An emitter follower is used for isolation, with final power output of 10W at 30MHz」と記載されています。Fig.3の回路図は資料(6)のp.975に掲載されていたものと同じです。
(8)
Bibliographic data:US2706249 (A) ― 1955-04-12
Title:Stabilization of resonant circuits
Inventor(s):JIRI VACKAR
Applicant(s):TESLA NAT CORP
Classification:- international:H03B5/10
- cooperative:H03B5/10
Application number:US19500143419 19500210
Priority number(s):CSX2706249 19490226
United States Patent and Trademark Office(http://www.uspto.gov/)が提供しているUnited States Patent and Trademark Office Patent Full-Text Databases(http://patft.uspto.gov/)のNumber Search(http://patft.uspto.gov/netahtml/PTO/srchnum.htm)を、特許番号「2764643」で検索することで、特許(8)の明細書が閲覧できます。
[その他の調査済み資料及びデータベース]
・NDL-OPAC(https://ndlopac.ndl.go.jp)
・国立国会図書館サーチ(http://iss.ndl.go.jp)
・国立国会図書館デジタルコレクション(http://dl.ndl.go.jp/)
・JDreamIII [当館契約データベース]
・Web of Science [当館契約データベース]
・EBSCOhost [当館契約データベース]
・ProQuest Central [当館契約データベース]
・CiNii Articles(http://ci.nii.ac.jp/)
・CiNii Books(http://ci.nii.ac.jp/books/)
・J-GLOBAL(http://jglobal.jst.go.jp)
・J-STAGE(https://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja)
・Espacenet(http://worldwide.espacenet.com/)
・United States Patent and Trademark Office Patent Full-Text Databases(http://patft.uspto.gov/)
・芦谷正博「FETを使ったバッカーVFOの試作--JA1FCJ」(『CQ ham radio : アマチュア無線専門誌』 22(5) 1967.5 pp.147-150(71-73コマ目) 【Z16-170】)*
※FETを使用してVFOを試作し、実験した様子が記載されています。
・外池常彦「だれにでもできるバッカーVFO--JA1GOW」(『CQ ham radio : アマチュア無線専門誌』 22(2) 1967.2 pp.140-143(71-72コマ目) 【Z16-170】)*
※LC-BOXのキットを用いてVFOを製作した様子が記載されています。
・有山正彦「バッカーVFO--JA3GZR」(『CQ ham radio : アマチュア無線専門誌』 20(5) 1965.4 pp.72-74(37-38コマ目) 【Z16-170】)*
※バッカーVFOの製作方法を紹介しています。
・『電気・電子辞典』(電気・電子辞典編集委員会 編 技報堂 1965 【540.33-D532】)**
・『電子工学辞典』(山本勇, 松平正寿 編 森北出版 1966 【549.033-Y319d】)**
・『ペンギン電子工学辞典』(David Howard [編] ; ペンギン電子工学辞典編集委員会 訳 朝倉書店 2010.5 【ND2-J19】)
・『電気電子用語大事典』(茂木晃 編 オーム社 1992.8 【ND2-E49】)
・『IEEE電気・電子用語辞典』(Frank Jay [編] ; 岡村総吾 監訳 丸善 1989.9 【ND2-E34】)
・『図説電気・電子用語事典』(新井芳明, 水谷徹博, 粉川昌巳, 坂田安永, 菅原博宜, 關敏昭, 並木正則 著 新版 実教出版 2009.2 【ND2-J11】)
インターネット及びデータベースの最終アクセス日は2015年8月20日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
-
・『無線工学(応用編)』梶井謙一,大河内正陽,石田正次/共著,近代科学社,1960
・『高周波工学』改新版,森田清/著,共立出版,1957
・『エレクトロニクス講座 基礎編3』広田友義/[ほか]編,共立出版,1959
・『発振現象』藤巻安次/著,ラジオ技術社,1988(ラジオ技術選書 197)
・『新・低周波/高周波回路設計マニュアル』鈴木雅臣/著,CQ出版社,1988
・『トランジスタ回路入門講座 3 発振・変復調回路の考え方』改訂2版,オーム社,1991
・『基礎トランジスタ・アンプ設計法』黒田徹/著,ラジオ技術社,1989
・『電子回路ハンドブック』電子回路ハンドブック編集委員会/編,丸善,1971
・『電子回路ハンドブック』藤井信生/[ほか]編集,朝倉書店,2006
- NDC
-
- 電子工学 (549 9版)
- 参考資料
- キーワード
-
- バッカー発振回路
- Vackar oscillator
- LC発振回路
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000182682