大正時代、凸版印刷で絵画の指導をした亡命ロシア人のニコライ・ニエダシコフスキーについて、スペル、生年月日、何年から何年まで凸版印刷にいたかなどが知りたい。

・ニコライ・ニエダシコフスキーについて
　当館（弊社）ならではという資料には載っておらず、所蔵している一般書籍等の資料調査、社内関連部署に問い合わせても判明せず。

初代社長河合辰太郎著・発行の『戊午の游』巻頭の肖像画の作者は
「露西亜人　ニカライ、ニエダシコーフスキー君」
となっているが、この本の中にも、スペル他の情報は無し。

弊社独自資料の中には記述が見付からないので、以下のようなところに問い合わせることを提案。
　旧ロシアの金融史等の研究者
　財団法人印刷図書館（古い印刷系の雑誌を多く所蔵している）

当館では未所蔵であるが、ほかのアプローチとして
　・紙幣
　　　財務省印刷局記念館（お札と切手の博物館）
　　　『戦時通貨工作史論』／雑誌『貨幣』
　・経済
　　　『明治金融史資料 明治大正編』（大蔵省印刷局百年史のデータはかなりこの本に拠っている）
　　　『明治大正財政史』大蔵省
　　　大蔵大臣官房財政経済調査課『日清日露両戦役及世界大戦に於ける我が戦時財政』
　・亡命ロシア人に関する資料

既知文献として提示された『TOPPAN 1985』の該当記事を示して、社内広報部および社史編纂部署に問合せ、不明との回答あり。
「移民局紙幣」や当時かの地で流通していたという日本の商社発行の商品券について、インターネット上で簡単に解説されているページを見つけ、それを受けて再度社内に戻したが、事情の分かる者はもういない、とのこと。

＊記載のなかった資料
　『大蔵省印刷局百年史 第2巻』
　『図録 日本の貨幣 10 外地通貨の発行(1)』（東洋経済新聞社）
　今村忠男『軍票論』（商工行政社 1941年）
　荒木豊三郎『紙幣』（いそべ印刷所 1956年）
　『陸軍偽札作戦』
　『中西虎之助』（当時の工場長）
　『市田孝四郎』
　『井上源之丞』
　弊社60年および100年記念社史および社内報
　『増補改訂　来日西洋人名事典』（日外アソシエーツ　1995年）

本当は移民局の紙幣？について調べており、当時凸版印刷が印刷していることはわかっているのだが資料が残っておらず、よく分からないと言われたため、亡命ロシア人から調査することにした、とのこと。

・既知文献
『凸版印刷 八十五年史』p.197より
　大正7（1918）年、ロシアの政変で亡命し、嘱託として彫刻課員の絵画指導をした。外国人の実習の指導や世話は、技師長の細貝為次郎が担当した。
彼の作である河合社長の肖像画は今日当社で保存されている、とある。
白系ロシア人が書いた亡命ロシア人についての本は調査済み。

** 2015年1月追記 **
外部の方より下記２件のWebサイト情報をいただきました！
・ニコライ・ニェダシコフスキー（Nicolai Nedashkovsky 1896-1924）の Biography
　 http://www.askart.com/askart/artist.aspx?artist=11005940
　*このサイトでラテンアルファベットによるスペルと生没年は判明。当社との関わりについての記載は特に記述無し。

・齋田章「ロシア革命の貨幣史」　 http://www.a-saida.jp/russ/
　　の中の、「地域通貨史」内
　「ニコリスク･ウスリースキー　凸版印刷株式会社製造の移民局紙幣」
　 http://www.a-saida.jp/russ/vetvi/toppan.htm