レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年06月27日
- 登録日時
- 2018/11/16 15:21
- 更新日時
- 2019/03/08 13:27
- 管理番号
- 埼久-2018-062
- 質問
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未解決
画家ヴラマンクが乗っていた自動車のハンドル位置は、左右どちらか知りたい。
東京都美術館で2018年に開催されている「プーシキン展」およびその図録で、ヴラマンクの「オーヴェールの風景(Landscape at Auvers)」を見たところ、右ハンドルの自動車の運転席から見た光景に見えた。
- 回答
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ヴラマンクの車種やハンドルの位置に関する資料は見つからなかった。
参考までに、車のハンドルの位置について書かれた下記の資料を紹介した。
『暮らしのなかの左右学』(小沢康甫著 東京堂出版 2009)
「通行法はこうしてうまれた」の節に、ヨーロッパの通行区分を法で定めた経緯が、イギリスとフランスを例にして記されている。
p145-146 19世紀にフランスが馬車の右側通行を法律で定めた経緯あり。
p146 「一般に左側通行は右ハンドル、右側通行は左ハンドルという組み合わせである。しかし、馬車の御者の位置がそのまま自動車の運転席に引き継がれたとは言い切れない。自動車が現れたころは通行区分にかかわらず、車のハンドルはほとんどが車体の右側か中央にあったのだ。(中略)一九二〇年代にはヨーロッパ大陸の車もハンドルを左に変えた」とあり。
p147-148 自動車メーカーが右ハンドルを左ハンドルに変えた経緯として、2つの見方を紹介している。
- 回答プロセス
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1 《Whoplus》を〈ヴラマンク〉で検索する。
(1)人物レファレンス事典(外国)
「Vlaminck,Maurice de 〈20世紀〉」
(2)美術作品レファレンス事典 人物肖像篇
「ヴラマンク,モーリス・ド」
2 自館目録を〈ブラマンク〉で検索する。
『ヴラマンク』(里見勝蔵著 アルス 1950)
図版6「オーヱ゛ル風景」あり。東京都美術館で2018年に開催されている「プーシキン展」に展示されている作品(1924)とは年代が異なる。
p57「生活と藝術」の章に「彼(ヴラマンク)は毎日朝起きて、午前十時までこの畫室で製作する。そして自転車或いは自動車に乗ってオーヱ゛ルの家へ行く。」とあり。自動車の車種は記載なし。
p83「図版解説」の章に「オーヱ゛ル風景」あり。大きさはF25号。自動車に乗った状態から見ている絵かどうかは記述なし。
(2)『ブラマンク』(里見勝蔵著 日動出版部 1985)
p163 「オーベルの雪景」という1921年作の絵画の解説あり。絵画自体は掲載なし。
3 自動車関連の資料を調査する。
『大車林 自動車情報事典』(三栄書房 2003)
『自動車の百科事典』(自動車技術会編 丸善 2010)
質問に該当する記述なし。
4 《Japan Knowledge》(ネットアドバンス)を〈右ハンドル〉で検索する。
記述なし。
補説にあった〈対面交通〉で検索する。「左側通行の主な国」として18ヶ国が挙げられるが、フランスはなし。
5 《国立国会図書館レファレンス協同データベース》を〈右ハンドル〉で検索する。
「車両の右側通行と左側通行の国の一覧が見たい。」(https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000221931 吹田市立中央図書館)
『暮らしのなかの左右学』(回答資料)
6 〈Google〉(https://www.google.co.jp/ Google)を〈ヴラマンク展〉で検索する。
(1)《ヴラマンク展 特別展 ひろしま美術館》(http://www.hiroshima-museum.jp/special/detail/201711_Vlaminck.html ひろしま美術館)
「自家用車の前でポーズをとるヴラマンクと妻ベルト・コンプ 1926年頃」という画像があるが、ハンドルの左右は確認できず。車種についても記載なし。
7 《国会図書館サーチ》(http://iss.ndl.go.jp/ 国会図書館)を〈ブラマンク〉で検索する。
《国会図書館デジタルコレクション》「危ない曲り角」(ヴラマンク著 税所篤二訳 建設社 1931)p61「一八九六年八月二日、競争で巴里大賞牌が授かった。其のとき私はチプスで四十度の発熱で地上に倒れた。三ヶ月後、ブルターニュへ兵役につく為に出発した。そして自転車のりの道楽は、これで終わってしまった。…斯くして、自動車が出現し(後略)」とあり。(http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1195654 国会図書館)35コマ 図書館送信参加館内公開
8 ヴラマンクの対象の絵を特定する。
(1)「プーシキン美術館展」を開催している東京都美術館のホームページから展覧会の作品リスト(PDF公開)を確認する。
《東京都美術館》「プーシキン美術館展-旅するフランス風景画」(https://www.tobikan.jp/media/pdf/2018/pushkin_worklist_1.pdf 東京都美術館)
作品48に該当作品あり。作品情報は以下の通り。
オーヴェールの風景
1924 年
油彩、カンヴァス
45×55cm
Maurice de Vlaminck
Landscape in Auvers
1924
Oil on canvas
45×55cm
(2)プーシキン美術館の公式ウェブサイトで、所蔵しているヴラマンクの作品を確認する。
《プーシキン美術館》(https://pushkinmuseum.art/ プーシキン美術館》
「COLLECTION」に「Maurice de Vlaminck Пейзаж в Овере 1925. Canvas on oil」あり。
10 ヴラマンクと自動車についての論文等を探す。
「ヴラマンク展 ―絵画と言葉で紡ぐ人生―」(http://www.hiroshima-museum.jp/special/detail/201711_Vlaminck.html ひろしま美術館)のページ内の、「ヴラマンク展 連続講演会」第2回に、ひろしま美術館学芸部の烏田泰史氏による講演「自動車とヴラマンク-20世紀初頭の自動車状況-」の情報あり。
《MAGAZINEPLUS》(日外アソシエーツ)を〈著者:烏田泰史〉で検索するが該当なし。
《CiNii Articles》(http://ci.nii.ac.jp/ 国立情報学研究所)を〈著者:烏田泰史〉で検索するが該当なし。
11 ヴラマンクに関する雑誌論文から自動車に関する記述を探す。
《MAGAZINEPLUS》(日外アソシエーツ)を〈ヴラマンク〉で検索する。
佐藤信衛「ヴラマンクの言葉」(『新潮 56(7)』p68-71 新潮社 1959.7)
里見勝蔵「回想のヴラマンク」(『みづゑ 通号643』p 美術出版社 1958.10)
里見勝蔵「ヴラマンク訪問記」(『芸術新潮 6(2)』p137-140 新潮社 1955.2)
質問に該当する記述なし。
ウェブサイト・データベースの最終アクセス日は2018年6月27日。
- 事前調査事項
- NDC
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- 洋画 (723 9版)
- 自動車工学 (537 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- Vlaminck Maurice de(ヴラマンク モーリス ド)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000245928