レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016年04月01日
- 登録日時
- 2016/04/07 16:17
- 更新日時
- 2016/04/18 09:07
- 管理番号
- 宮城県白石高-2016-04
- 質問
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未解決
桜の花が満開になっているのに雨が降ってしまうことを「花散らしの雨」と言うが,
いつ頃から言われるようになったのか。
- 回答
-
必ずしも花散らしの雨,と言わないようです。桜ながし,という表現もあります。
いつ頃からかはわかりませんでした。諸説ありますので,詳しくは各調査資料をご覧ください。
- 回答プロセス
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まず,国語辞書による調査を行った。
調査資料1のp2279に「はな-ちらし【花散らし】」の項があり,以下の記述があります。
「(九州北部地方で)三月三日を花見とし,翌日若い男女が集会して飲食すること→花の四日」
調査資料2のp371に「はな-ちらし【花散】」の項があり,以下の記述があります。
「(方言)三月三日の節供の翌日に野山に遊びに出ること。」
花散らしの雨,という表現にたどりつかないので,桜に関する言葉を辞書で調べてみた。
調査資料3のp682に「さくら-あめ【桜雨】」の項があり,以下の記述があります。
「桜の花の咲くころに降る雨。」
さらに,雨について調べるため気象関係資料の棚をブラウジングし,資料を閲覧した。
調査資料4のp29に日本の雨の表現の項があり,以下の記述があります。
「季節の雨【春】「春雨じゃ濡れていこう」。しとしとした降り方で寒さからの解放感も
手伝って,濡れてもたいしたことがないと思ってしまう。木の芽おこし,桜ながし,
菜種梅雨,穀雨など,眠っていた植物が一雨ごとに活動し始める。(後略)」
調査資料5のp6-p27に「春の雨」の項があり,以下の記述があります。
p14 桜雨 「桜が咲くころに降る雨のこと。花どきにはおうおうにして「花冷え」と称して
冷え込んだり,風雨が見舞ったりする。この「桜雨」も風に舞い,雨に散る桜花の
風情か。」
p18 雨天決行・花見の宴 「(前略)開花後の雨は「花散らし」などと呼ばれることも
あるようだが,気がもめることである。」
p20 花時の雨 「咲きそろった桜の花に降りかかる無情の雨のこと。花に嵐の譬えのように,
この時季には強い季節風にあおられて烈しい雨が花を打つことがある。花たちにとっては辛い雨だ。」
※※※ 事例登録後,サポーターの寺尾 隆様より以下の補足コメントをいただきました。 ※※※
ご確認済みかもしれませんが、下記の情報がありました。
日本語、どうでしょう? ~知れば楽しくなることばのお話~ 神永 曉
第308回 「花散らし」ってどういう意味?
http://japanknowledge.com/articles/blognihongo/entry.html?entryid=325
ご参考になれば幸いです。
※※※ 補足コメントはここまで ※※※
- 事前調査事項
- NDC
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- 辞典 (813 9版)
- 参考資料
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- 調査資料1 広辞苑 第六版 新村出 2008
- 調査資料2 日本国語大辞典 16 のき-ひたん 小学館 1975
- 調査資料3 日本国語大辞典 8 こく-さこん 小学館 1975
- 調査資料4 空と海と大地をつなぐ雨の事典 レインドロップス編著 北斗出版 2001
- 調査資料5 雨の名前 高橋順子 小学館 2001
- キーワード
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- 花吹雪
- 春雨
- 春驟雨(はるしゅうう)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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時候をあらわす言葉は知っておいて損はない,とはいうものの「雨」だけでも実に多彩な表現が
あることに質問者も回答者もおどろいた事例。
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 高校生
- 登録番号
- 1000190838