レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年03月10日
- 登録日時
- 2020/03/25 11:19
- 更新日時
- 2020/03/26 13:56
- 管理番号
- 19-J2-5
- 質問
-
解決
1923(大正12)もしくは1924(大正13)年に起こったとされる奄美大島の大島(名瀬)中学生徒(久保忠志・池田純彦)の神社参拝拒否事件の正確な発生年月を知りたい。
- 回答
-
回答プロセス参照
- 回答プロセス
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1.新聞記事を調べる
1-1.契約データベースで記事検索<聞蔵Ⅱ、ヨミダス歴史館、毎索>
関連する記事は見つけられず。
1-2.学外の所蔵を調べる< CiNiiBooks,NDLOPAC,鹿児島県立図書館OPAC,東京大学・早稲田大学OPACなど>
当時奄美大島で発行されていた「大島新報」「南島時報」「大島朝日」は国内の所蔵を確認できず
(「鹿児島新聞」「鹿児島朝日」はNDL、鹿児島県立図書館に所蔵あり)
2.所蔵資料を調べる
2-1.当館OPAC
・『聖堂の日の丸:奄美カトリック迫害と天皇教』宮下正昭著.南方新社, 1999.
(配置場所:B1F_キリスト教 請求記号:198K||3358)
p.36 “大正十二(1923)年十月名瀬町内の高千穂神社で例祭があり、参列した大島中学校の生徒のうち
カトリック信者だった二人が拝礼を拒否し、後に放校処分に遭う”と記載。
・『カトリック奄美100年 : 奄美福音宣教100周年記念誌』奄美宣教100周年記念誌編集部編.
奄美宣教100周年実行委員会, 1992.(配置場所:B1カトリック室_教会 請求記号:CAT2||15||1)
p.64 1942(T.13)に“大島中学4年生のカトリック学生池田純彦、久保忠志両君が全校生徒による高千穂神社
参拝で礼拝を拒んだ為に放校処分を受ける”と記載。
〇調査したが記載なし
『新聞集録大正史』加藤秀俊 [ほか編] ; 第11巻,第12巻. 大正出版, 1978.
(B2書庫_閉架 070||202||v.11/070||202||v.12)
『新聞集成大正編年史』明治大正昭和新聞研究会[編] ; 大正12年度版~13年度版.
明治大正昭和新聞研究会. (B1閲覧室_開架 210K||1193-1||v.12-1~210K||1193-1||v.13-3)
『切支丹の迫害と殉教』助野健太郎著. ドン・ボスコ社, 1952.(B2書庫_閉架 190||104)
『日本基督教史』比屋根安定著 ; 第5巻:發展篇. 教文館, 1940
(B1カトリック室_図書 CAT1||190.21||2||v.5)
『近代日本とキリスト教』久山康編 ; 大正・昭和篇. 基督教学徒兄弟団, 1956.
(B2書庫_閉架 198||454||v.0-2)
『奄美でカトリック排撃運動はなぜ起こったのか』日本カトリック正義と平和協議会編.
カトリック中央協議会, 2014. (正義と平和講演録 ; v. 6).(B2書庫_閉架 198||5396)
『奄美群島の近現代史 : 明治以降の奄美政策』西村富明著. 海風社, 1993. (南島叢書 ; 68).
(B1閲覧室_開架 219K||427)
『奄美社会運動史』松田清著. JCA出版, 1979 (2F閲覧室_開架 309K||631)
『鹿児島県教育史』鹿児島県教育委員会編 ; 上巻.鹿児島県立教育研究所, 1960.
(B2書庫_閉架 372.1||343||v.1)
2-2.書架をブラウジング<キリスト教コーナー,キリスト教(分類190)>
〇調査したが記載なし
『日本キリスト教史』五野井隆史著. 吉川弘文館 (B1F_キリスト教 190K||1723)
『現代日本のキリスト教』久山康編. 基督教学徒兄弟団, 1961.(B1F_キリスト教 190K||1977)
『日本キリスト教宣教史: ザビエル以前から今日まで』中村敏著. いのちのことば社, 2009.
(B1F_キリスト教 190K||2489)
『南島キリスト教史入門 : 奄美・沖縄・宮古・八重山の近代と福音主義信仰の交流と越境』
一色哲著. -- 新教出版社, 2018. (シリーズ神学への船出 ; 04).(B1F_キリスト教 190K||2835)
『大正・昭和カトリック教会史』高木一雄著 1~4 聖母の騎士社,1985
(B1F_キリスト教 198K||1940||v.1~4)
『南島におけるキリスト教の受容』安斎伸著. 第一書房, 1984. (南島文化叢書/高宮廣衞[ほか]編;6)
(B1F_キリスト教 389K||914||v.6)
2-3.参考文献から探す
●『聖堂の日の丸:奄美カトリック迫害と天皇教』参考文献より
『大正ニュース事典』第6巻,大正ニュース事典編纂委員会,毎日コミュニケーションズ編,1988
(配架場所:B1F_参考資料 請求記号:R||070||319||v.6)
p.93 “奄美大島のキリスト教布教が問題化〔大正13年10月11日 鹿児島〕
本年二月十六日、県立大島中学校では校長広野藤吉氏が生徒一同を引率して、同島の名瀬に
ある県社高千穂神社に参拝した当時のごとく、生徒が誠の神は拝するが偶像等は礼拝せぬと
云い出した事より、県当局では事態容易ならずとして、県視学は同島に出張、主謀者として
四年生池田純彦(十八)、三年生久保田忠志(十七)の両名を退学に処し、ようやく解決したが”
と記載。
『更生の大島中學校』(鹿兒島縣立大島中學校校友會編. 1930.8. 名古屋大学図書館所蔵)
p.14「第二章 行詰れる我校」〇十二年度
“十月十九日 四年生一名、三年生一名高千穂神社参拝を拒否す”
p.15 “一月二十一日 神社参拝拒否生徒に一應諭旨退學を命ぜるも、父兄應諾せざるにより、
直に放校に處す。”と記載。
3.論文を探す< CiNii Articles,Google Scholar,J-STAGE など>
・「1930年代奄美大島におけるカトリックをめぐる排撃と「排除の景観」の形成」麻生将著
人文地理63(1),22-41,2011 J-STAGE
p.26 第1表 奄美大島におけるカトリック略史
1924年に“1月 大島中学4年生の2生徒(カトリック信者)が神社参拝拒否,放校”と記載。
4.学外の資料を探す
・『郷土紙にみるかごしま世相百年』南日本新聞社 編
p.245“神社での参拝を拒否して退学処分を受けた中学生(13年10月11日付)”と記載あり。
(鹿児島新聞の記事を元にした内容)
・『厳訓無処罰の教育』竜野定一著,黎明書房
p.35“十三年には神社参拝拒否事件が相次いで起り”と記載あり。
5.Webで探す
・鹿児島県立大島高等学校Webページ「鹿児島県立大島高等学校沿革(歴史)紹介」
・奄美市立名瀬中学校Webページ「奄美市立名瀬中学校学校沿革(PDF:79KB)」
・『全記録 : 分離期・軍政下時代の奄美復帰運動、文化運動』南方新社, 2003.2
p.165 当時奄美大島で発行されていた新聞について記載(「大島新報」「南島時報」「大島朝日」)
- 事前調査事項
- NDC
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- キリスト教 (190 7版)
- 九州地方 (219 7版)
- 参考資料
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- 『聖堂の日の丸:奄美カトリック迫害と天皇教』宮下正昭著,南方新社,1999(請求記号:198K||3358 配置場所:B1F_キリスト教)
- 『カトリック奄美100年:奄美福音宣教100周年記念誌』奄美宣教100周年記念誌編集部編,奄美宣教100周年実行委員会,1992(請求記号:CAT2||15||1 配置場所:B1カトリック室_教会)
- 『大正ニュース事典』第6巻,大正ニュース事典編纂委員会,毎日コミュニケーションズ編,1988(請求記号:R||070||319||v.6 配架場所:B1F_参考資料)
- 『更生の大島中學校』鹿兒島縣立大島中學校校友會編,1930.8(名古屋大学図書館所蔵)
-
「1930年代奄美大島におけるカトリックをめぐる排撃と「排除の景観」の形成」麻生将著 人文地理63(1),22-41,2011 J-STAGE
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjhg/63/1/63_22/_article/-char/ja -
『郷土紙にみるかごしま世相百年』南日本新聞社編,南日本新聞開発センター出版教育局,1981.10 NDLデジタル送信サービス
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9773937 -
『厳訓無処罰の教育』竜野定一著,黎明書房,1966 NDLデジタル送信サービス
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3042634 -
「鹿児島県立大島高等学校沿革(歴史)紹介」鹿児島県立大島高等学校Webページ
http://www.edu.pref.kagoshima.jp/sh/oshima/docs/2016092600880/ -
『全記録:分離期・軍政下時代の奄美復帰運動、文化運動』南方新社,2003.2 p.165
https://books.google.co.jp/
- キーワード
-
- 奄美(奄美大島、鹿児島)
- 大島中学
- 神社参拝拒否
- カトリック
- キリスト教
- 迫害
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 教員
- 登録番号
- 1000276659