レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年04月19日
- 登録日時
- 2019/07/23 19:09
- 更新日時
- 2020/10/02 13:08
- 管理番号
- 相大-R1-005
- 質問
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解決
給料が封筒で手渡しから給与振込になったのは、いつ頃からか知りたい。
- 回答
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回答プロセスから、昭和40年代初めころから給与振込が始まり、①1968(昭和43)年の「三億円事件」を契機に現金輸送の危険性が認識されたこと②1969(昭和44)年に国家公務員の給与振込導入が決定されたこと③1969(昭和44)年12月に住友銀行で現金自動支払機が初めて設置され、徐々に全国の銀行に普及していったこと、から次第に全国の企業に広がったことがわかった。
- 回答プロセス
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●風俗382、銀行関連330などの棚で資料を探す。
『サザエさん事典』 清水勲/著 いそっぷ社 2013 【s33492653 382.1】
p258 「ボーナスの現金手渡し」の項あり。「ボーナスだけでなく給与も銀行振込になるのは、昭和51年あたりからである。したがって、波平はそのサラリーマン時代を現金手渡しで受け取っていたことになる。」という記述あり。
『昭和史全記録1926-1989』 毎日新聞社 1989 【s07428600 R210.7】
p862 「昭和44年12月1日 住友銀行、初の現金自動支払機を新宿支店等に設置」とあり。
『横浜銀行六十年史』 横浜銀行企画部/編 横浜銀行 1980 【s17103250 K0-33】
p279 昭和40年代初めに「企業の合理化意識の高まり、給与所得者の意識の変化、銀行の積極的な推進などにより、ようやく給与振込が一般化し始めていた。」との記述あり。
p355-357 横浜銀行におけるCD(現金自動支払機)の導入と変遷についての記述あり。オンラインによる本格的なCD稼働は1973(昭和48)年7月との記述あり。
●インターネットGoogleで“給料 歴史 現金”で検索する。
・「帝国データバンク資料館」のサイトがヒットする。http://www.tdb-muse.jp/webmagazine/2010/12/post-311.html(2020.8.14 最終確認)
2010年12月8日のWEBマガジンに「給与振込」の項があり。「1978(昭和53)年12月8日、当社(帝国データバンク)で給与振込が始まりました。(中略)給与振込サービスが日本で始まったのは1969年のことだそうです。(中略)全社で給与振込が行われたのは、それから12年後の1990(平成2)年になってからでした。」との記述あり。
・国立国会図書館レファレンス協同データベースでキーワード“給与振込”で検索する。
一般社団法人全国銀行協会銀行図書館(管理番号2009-42)「「給与振込」は、昭和40年代後半に現金強奪事件があったこと、また国から銀行界へ要請があったことなどから、徐々に普及していったと以前何かで読んだ。裏付ける資料はないか。」の事例が見つかった。https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000059478(2020.8.14 最終確認)
回答プロセスの資料の所蔵はなかったが、回答から「昭和49年に政府が給与支払い事務の合理化の観点から、国家公務員の給与振込の導入を決定した」「昭和43年の三億円事件を契機として、現金輸送に伴う危険が一般に認識され、口座振込制に対する関心が急速に高まった」ということがわかった。
注:【 】は自館の資料コードと請求記号
- 事前調査事項
- NDC
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- 金融.銀行.信託 (338 9版)
- 風俗史.民俗誌.民族誌 (382 9版)
- 参考資料
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- 『サザエさん事典』 清水勲/著 いそっぷ社 2013
- 『昭和史全記録1926-1989』 毎日新聞社 1989
- 『横浜銀行六十年史』 横浜銀行企画部/編 横浜銀行 1980
- キーワード
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- 給料袋
- 給与振込
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000258972