レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年07月08日
- 登録日時
- 2020/08/21 17:16
- 更新日時
- 2021/01/24 13:30
- 管理番号
- 相橋-R2-007
- 質問
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解決
「柏」と「栢」という漢字の語源や読み方、違いについて知りたい。
- 回答
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①②③④⑤を提供し、①②③④を参考にされた。
- 回答プロセス
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書架をブラウジングして、以下の資料を見つけた。
①『字通』白川 静/著 平凡社 1996 (自館請求記号:R813.2)
p1275 【柏】〖栢〗「ハク・かえ・かしわ」「栢」は「柏」の異体異構の字。わが国では、かしわの木をいう、字はまた栢に作る。(1)かえ。(3)わが国では、かしわ。その字は槲に作る。
②『字訓 新訂 普及版』白川 静/著 平凡社 2007 (自館請求記号:R813.6)
p177~178 「かしは」カシワ【柏・槲】ぶな科の落葉喬木。その材は薪炭、樹皮は染料とする。葉は倒卵形で大きく、食物を盛って用いることがあった。~中略~ 柏(はく)は〔玉篇〕に「松柏なり」とあって、和名は「かへ」。これを「かしは」とよむのは、わが国での用法である。国語の「かしは」にあたるものは槲(こく)。その葉で柏餅を包む。
③『日本国語大辞典 第3巻 第2版 おもふ-きかき』日本国語大辞典第二版編集委員会/編 小学館国語辞典編集部/編 2001 (自館請求記号:R813.1)
p300「かえ」【榧・柏】(1)上代で、ヒノキ科の植物の総称か。(2)植物「榧」(かや)の古名。
p623「かしわ」かしは【柏・槲・檞】(1)ブナ科の落葉高木(2)上代、飲食物を盛り、また祭祀具として用いられた木の葉の食器(3)植物「ほおのき(朴木)」の異名。
p1031「かや」【榧・柏・栢】(1)イチイ科の常緑高木。
[語誌](1)「カヤ」は「カヘ」が変化したものと思われる→かえ(榧)。(2)日本でカヤにあてられる漢字のうち、中国でもカヤを意味するものは「榧」である。
④『語源辞典 植物編』吉田 金彦/編著 東京堂出版 2001 (自館請求記号:R812)
p59「かしわ 柏」の項で、カシワとカシ(樫)は共にブナ科であるが、カシワは落葉高木、幹も葉もカシとは異なる。[語源]歴史仮名はカシハ。
p67「かや 榧」の項で、イチイ科の常緑高木で山地に自生するが、庭木としてもよく植えられえる針葉樹。[語源]『和名抄』に「柏実、柏音百、一名榧音匪、和名加倍」とある。『和漢三才図会』に~中略~柏が榧の異名としたので一般に柏をもって榧の訓とした誤りは『和名抄』が元だと評している。
⑤『花と木の漢字学』寺井 泰明/著 大修館書店 (自館請求記号:R821.2)
p87『<五月>かしわ餅と「柏」』の章に「柏」の文字で表す植物についての記述はあるが、「栢」「柏」の漢字の語源の記載は無し。
- 事前調査事項
- NDC
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- 辞典 (813)
- 参考資料
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- 『字通』白川 静/著 平凡社 1996
- 『字訓 新訂 普及版』白川 静/著 平凡社 2007
- 『日本国語大辞典 第3巻 第2版 おもふ-きかき』
- 『語源辞典 植物編』吉田 金彦/編著 東京堂出版 2001
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000286093