レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年08月14日
- 登録日時
- 2011/11/30 16:12
- 更新日時
- 2012/02/17 10:45
- 管理番号
- 埼久-2011-064
- 質問
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解決
「開祖随感 3」(庭野日敬著 佼成出版社)に出ていた「頂門の一針」という言葉の出典を知りたい。
- 回答
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出典は『荀卿論(じゅんけいろん)』蘇軾(そしょく)著、王遵岩(遵厳)評
原文は以下のとおりである。
「荀卿者、喜為異説而不讓、敢為高論而不顧者也。」以異説高論四字立安、煞是荀卿頂門一鍼。
- 回答プロセス
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『故事・俗信・ことわざ大辞典』(尚学図書編 小学館 1983)
p745「頂門の一針」
「頂門」は頭の上。その部分に針をたてる治療法があるところから相手の急所をおさえて痛切な戒めを与えること。また、その戒め。痛いところをつく教訓。
出典:蘇軾-荀卿論・ 王遵厳評
「以異説高論四字立安、煞是荀卿頂門一鍼」(レ点省略)
『岩波四字熟語辞典』(岩波書店辞典編集部編 岩波書店 2002)
p334 「頂門一針」の項(意味・注記・表記)あり。出典はなし。
意味:相手の急所をつく適切な戒め。注記:「頂門」は頭のてっぺん。鍼灸で、頭のいただきに針を打って治療することから。表記:「針」は「鍼」とも書く。
『大漢和辞典 12』(諸橋轍次著 大修館書店 1986)
p232 頂門一針 頂上に一本の針をさす。人の急所を抑えて痛切な戒めを加える喩(たとえ)。
出典:蘇軾、荀卿論、王遵岩評 「 以異説高論四字立案、煞是荀卿頂門一針。」
『中国の古典 31』(竹田晃〔ほか〕編集 学習研究社 1983)
p172-177『荀卿論』あり。
ページ上半分は読み下し文。下半分は訳文。付録のp46-48pは原文。(漢文)
インターネット情報
蘇軾「荀卿論」論末に「以「異說」、「高論」立案、煞是荀卿頂門一針。」とあり。
(http://www.cognitiohk.edu.hk/chilit/Tang%20Song%20Prose/SuShi/SuShi_19.htm 2011/08/13最終確認)
「頂門一針」について原文と訳あり。
出典:蘇軾『荀卿論』評
原文:異説高論の四字を以て立安す、まことに是れ荀卿頂門の一鍼なり。
訳:荀子は、聖人の教えと違った意見や実行ができないことを述べて満足していると蘇軾は荀子を断じる。これは、まさに急所をついた言葉である。
(http://phoeto.blog34.fc2.com/blog-entry-186.html 2011/08/13最終確認)
「頂門一針」の出典について記述あり。
北宋(ほくそう)の蘇軾が戦国時代の思想家荀子(じゅんし)を批評したのに対し、王遵巌が言ったことば。
訳文あり。
「異説高論の四字を以(もっ)て立案す、煞(まこと)に是(こ)れ荀卿(じゅんけい)頂門の一鍼(いっしん)なり(聖人の教えと異なった考えや実行不可能な議論を述べている、と批評しているが、まさに、荀子に対する急所を突いたきびしいいましめである)」
参考:鍼灸医療で、頭のてっぺんに針を打って病気の治療を行うことから。
(http://green.ap.teacup.com/santo/1518.html 2011/08/13最終確認)
- 事前調査事項
- NDC
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- 辞典 (813 9版)
- 作品集 (928 9版)
- 参考資料
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- 『故事・俗信・ことわざ大辞典』(尚学図書編 小学館 1983)
- 『岩波四字熟語辞典』(岩波書店辞典編集部編 岩波書店 2002)
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『大漢和辞典 12』(諸橋轍次著 大修館書店 1986)
- 『中国の古典 31』(竹田晃〔ほか〕編集 学習研究社 1983)
- キーワード
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- 頂門一針(チョウモン イッシン)
- 蘇軾(ソショク)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000097315