レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年07月30日
- 登録日時
- 2020/07/28 13:24
- 更新日時
- 2020/07/28 13:24
- 管理番号
- 9000029334
- 質問
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解決
平安時代、御坂(現在の笛吹市)あたりで馬を飼っていた小長谷直(こわせ・あたる)についてわかる資料を
探している。
- 回答
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『姓氏家系大辞典』第1巻「オハセ」の項に「甲斐の小長谷直」があり、信濃国造の一族の族等と説明されている。また、『甲斐史学』丸山国雄会長還暦記念特集号掲載の磯貝正義氏の論文「甲斐の古代氏族について」に小長谷直について書かれている。
その他、詳しくは参考資料をご覧ください。
- 回答プロセス
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1.馬を飼っていたということで、古代の牧の関係資料を見る。『甲斐の荘園』(秋山敬/著、甲斐新書刊行会、2003)を確認。甲斐の三牧には入っていない。掲載されている参考資料を見る。
2.『郡司及び采女制度の研究』(磯貝正義/著、吉川弘文館、1978)の記述は『甲斐の荘園』と同様。
『山梨県史研究』第2号(山梨県、1994)掲載の論文は馬の飼育について詳しい。
3.人名で調べる。
『姓氏家系大辞典』第1巻(太田亮/著、角川書店、1963)「オハセ」の項に小長谷直の名が出てくる。『角川日本姓氏歴史人物大辞典』19(角川書店、1989)の記述も同様。
『山梨百科事典』(山梨日日新聞社、1989)、『国史大辞典』15中(吉川弘文館、1996)人名索引には該当なし。
『甲斐国志』(雄山閣、1998)人名索引から「こはせ」「おわせ」等で引く。p.140に上代の部に名があるとある。岩殿の麓に小長谷氏との記述。
4.山梨県の歴史関連資料を見る。
『山梨県の歴史』(飯田文弥ほか/著、山川出版社、2010)に小長谷麻佐(おはせべのまさ)の名がある。『図説山梨県の歴史』(河出書房新社、1990)にも同様の記述。
『甲州風土記』(上野晴朗/著、NHKサービスセンター甲府支所、1967)では御坂の牧について書かれているが小長谷氏については記述がない。
『甲斐の歴史をよみ直す』(網野善彦/著、山梨日日新聞社、2008)には記述なし。
「山梨県立考古博物館山梨県埋蔵文化財センター研究紀要」21(山梨県立考古博物館、山梨県埋蔵文化財センター)に山梨郡の小長谷麻佐については記述あり。勝沼、御坂の牧の存在については否定的。
5.インターネットで探す。
東大史料編纂所データベース、国立国会図書館サーチでは手掛かりなし。
レファレンス協同データベースで検索すると、コワセ姓について参考資料に「甲斐史学」丸山国雄会長還暦記念特集号(甲斐史学会)が紹介されていた。現物を確認すると、小長谷直について磯貝正義氏の論文があった。「甲斐史学」3号にも牧について論文があったので確認したが、牧の管理についてだった。
6.関連する地域の町誌を見る。
『御坂町誌』本誌編(御坂町、1971)は『甲斐史学』丸山国雄会長還暦記念特集号(甲斐史学会、1965)が出典、牧については『甲州風土記』と同様の記述だった。
『勝沼町誌』(勝沼町、1962)には記述なし。
- 事前調査事項
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甲府市教育委員会教育部生涯学習室歴史文化財課に聞いたところ『甲斐国志』(雄山閣)を紹介された。
- NDC
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- 中部地方 (215 10版)
- 個人伝記 (289 10版)
- 参考資料
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佐藤‖八郎. 大日本地誌大系 47 第2版. 雄山閣, 1998.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I005556371-00 , ISBN 4639001495 (p.16,140) -
御坂町誌編纂委員会/編 , 御坂町誌編纂委員会. 御坂町誌 : 本誌編. 御坂町, 1971.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I005732261-00 (p.289) -
甲斐史学会/編 , 甲斐史学会. 甲斐史学 : 丸山国雄会長還暦記念特集号. 甲斐史学会, 1965.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I005545661-00 (pp.13-14) -
太田 亮/著 , 太田‖亮. 姓氏家系大辞典 第1巻. 角川書店, 1963.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I005942566-00 (pp.1029-1030)
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佐藤‖八郎. 大日本地誌大系 47 第2版. 雄山閣, 1998.
- キーワード
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- 小長谷直
- 牧
- 小長谷氏
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土 人物
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000285058