レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年10月18日
- 登録日時
- 2020/01/08 17:02
- 更新日時
- 2020/05/13 11:55
- 管理番号
- 広県図2019186
- 質問
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解決
『現代日本文学大系 39』のp.2に掲載されている島木赤彦の歌の読み方や解釈が知りたい。
- 回答
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御質問の島木赤彦の歌の読み方については,次のとおりです。
『文士の筆跡 4 歌人篇』伊藤整/〔ほか〕編,1968【N910.28/B892/4】
p.79 150 短冊
短冊の横に活字で「八丈島にて 南のうみにすむなる赤き魚しつぽりと提げ日は沈むかも」とあります。
『赤彦全集 第1巻 歌集』島木赤彦/著,岩波書店,1969【N911.16/Sh37-14/1】
p.243-285 歌集 切火
p.250-251 胡頽子の葉
p.250 みんなみの海にすむなる赤き魚しつぽりと提げ日は沈むかも
『島木赤彦全歌集 上』島木赤彦/著,河出書房,1948【911.16/Sh37-13/1】
p.313-387 歌集 切火
p.320-321 胡頽子の葉
p.320 みんなみの海にすむなる赤き魚しつぽりと提げ日は沈むかも
この歌は,質問文に挙げられていた『現代日本文学大系 39』【918.6/78ケ/39】のp.4中段に掲載されています。
読み仮名については,国立国会図書館デジタルコレクション(国立国会図書館/図書館送信参加館内公開)で閲覧できる次の資料に掲載がありました。
『私たちの歌集(中学生全集 9)』木俣修/著,筑摩書房,1950
p.151(84コマ)-164(91コマ) 島木赤彦―『馬鈴薯の花』『切火』『氷魚』『太虚集』『柿蔭集』
p.154(86コマ) 「みんなみの海にすむなる赤き魚しつぽりと提(さ)げ日は沈むかも」
なお,解釈について,この歌を取り上げて解説した本は,見付かりませんでした。
参考までに,関連の記述があった資料を御紹介します。
『短歌』41巻4号(1994.4),角川書店【雑誌】
p.180-182 「海の歌<特集> 島木赤彦と八丈島」新井章
p.182に「みんなみの」の歌が掲載されていますが,歌の解説はありません。
『歌人赤彦の鑑賞』高田浪吉/著,三省堂,1938【911.16/Sh37-8】
p.191-209 切火の研究
p.191 「『「切火」の歌合評』の記事が、大正四年度のアララギに三回に亙って連載され、八丈島吟から批評が始まつてゐるのであるが、歌壇稀に看る合評語である。」
国立国会図書館デジタルコレクション(国立国会図書館/図書館送信参加館内公開)で,雑誌『アララギ』に掲載された歌合評や関連の資料を検索したところ,次の記述が見付かりました。
『アララギ』8(10),アララギ発行所,1915
p.24(16コマ)-29(18コマ) 「切火評論」釋迢空
p.25(16コマ) 「南の海にすむなる赤き魚しつぽりと提げ日は沈むかも」等5首を取り上げ,「此等の歌はある句の連続に非常な間隔があるので、ともすれば説明病に陥り易い短歌を、救ふべき一方便かも知れないが、氏の様な制約を緩くした作物は未だ見ないのである。」としています。
『近代短歌の書』木俣修/著,筑摩書房,1955
p.140(75コマ)-143(76コマ) 『馬鈴薯の花』『切火』抄
p.143(76コマ) 「(略)「みんなみの」「椿の蔭」にうかがわれる官能的なにおいなどは、やがて赤彦の歌から消えてゆくものだ。」
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 詩歌 (911 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 島木赤彦
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000272374