レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/10/31
- 登録日時
- 2021/11/27 00:30
- 更新日時
- 2021/11/27 00:30
- 管理番号
- 6001052855
- 質問
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解決
『ブリタニカ国際大百科事典(初版)』は、原典の『ブリタニカ百科事典』の全体を翻訳したものではないと聞いた。その違いについて知りたい。
- 回答
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『ブリタニカ国際大百科事典(初版)』は、構成としては、原典の『ブリタニカ百科事典』全体の三分の一が翻訳、三分の二が日本オリジナルの寄稿から成っています。
以下の資料に、次のような記述がありました。
『辞典の辞典』(佃実夫/[ほか]編 文和書房 1977)
p.42「(…中略)外国の百科事典を底本とした『ブリタニカ国際大百科事典』は異色の存在である。この事典は『ブリタニカ百科事典』(一四版)の項目から約三分の一を三五〇〇人の翻訳陣で邦訳し、あとの三分の二は日本向きの項目を選択して補い、約一五〇〇人の日本人の学者・専門家が原稿を書きおろしている。『ブリタニカ百科事典』を底本としているものの、むしろ独立した出版物である。」
『ブリタニカ国際大百科事典 1 アイ-イギリスシ』(フランク・B・ギブニー/編 TBSブリタニカ 1972)
・刊行のことば
「<二大伝統の融合>
(…中略)本事典は、ブリタニカ原典を単に翻訳したものではなく、東西両学会の最新の成果と蓄積された知識とを有機的に総合した大百科事典である。」
「<本事典の構成と性格>
(…中略)本事典は全二八巻からなる。その内訳は、本巻が二〇巻、別巻として「リファレンス・ガイド」と呼ぶ小項目事典が六巻、そして、総合的な総索引(ゼネラル・インデクス)と参考文献(リーダーズ・ガイド)が各一巻である。
本巻が総字数四二〇〇万字、五〇〇〇項目の大項目主義で一貫しているのに対し、別巻は二五〇〇万字、一二万項目にのぼる膨大な小項目を網羅した小型百科事典ともいうべきものである。
(…中略)われわれの項目の立て方は、ブリタニカ原典のそれとは異なっているところが多い。
たとえば、原典は文学と芸術に大きな比重をおいているが、本事典においては、それに比べて科学、技術、経済の諸分野にも多くのスペースをさいている。
各分野の項目選定や監修にあたった学者、専門家は一八〇人以上にのぼる。
また、約五〇〇〇人の学者から寄稿を得たが、その七割が外国人、三割が日本人である。
これら諸学者の協力に加えて約三五〇〇人の翻訳者がそれぞれの専門分野の項目の翻訳にあたり、主題の本質とニュアンスをいかに流暢に日本人読者に伝えるべきかに腐心した。日本に関し、あるいは日本と東洋にとって重要な項目は、多くの場合、新たに書きおろしたもので、そうすることにより内容の一層の充実を期したのである。」
なお、凡例には以下の記載があり、原典を出典にするものか、日本オリジナルのものか区別できるようになっています。
・凡例
「原著者・翻訳者・執筆者名の表示
(中略)
4 原著者名の上には、エンサイクロペディア・ブリタニカまたはエンサイクロペディア・ユニバーサリスの原典を示す符号をつけた。
5 原典に少なからず補筆・省略を施したもの、あるいは原典を参考にして書きおろした項目には、原著者名を省き、原典マークのみをつけた。
6 原典マークのないものは、新規書きおろしであることを示す。
7 訳者名は( )、書きおろしまたは原典を参考にした項目の執筆者名は〔 〕で囲んで示した。」
[事例作成日:2021年10月31日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 百科事典 (030 10版)
- 参考資料
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- 辞典の辞典 佃/実夫∥編 文和書房 1977 (42)
- ブリタニカ国際大百科事典 1 フランク・B・ギブニー∥編 TBSブリタニカ 1972 (刊行のことば、凡例)
- キーワード
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- ブリタニカ国際大百科事典(ブリタニカコクサイダイヒャッカジテン)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000308082