レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011/03/10
- 登録日時
- 2012/09/26 02:00
- 更新日時
- 2012/09/26 18:06
- 管理番号
- 千県中千葉-2012-0010
- 質問
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解決
『日本歴史地名大系 12 千葉県の地名』(平凡社 1996)「海隣寺」の項に出てくる「雲玉和歌集」について知りたい。編者は「衲叟馴窓」と書かれている。
- 回答
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『千葉県の歴史 通史編 中世』(千葉県 2007)p1192-1199「本佐倉城下で編纂された和歌集」の項に記述あり。家集『雲玉和歌抄(うんぎょくわかしょう)』といい「『雲玉和歌集(うんぎょくわかしゅう)』ともいう」と表記されている。
奥書から1514(永正11)年4月6日に成立したことが分かる。編者の、衲叟馴窓(のうそうじゅんそう)は、「禅僧の僧侶であったと思われるが、自分の作や周辺の人々の作を合わせて580首余りの歌や、東国に流布していた説話なども多く含」めて『雲玉和歌抄』を編纂したとあり。
また記載されている序文の内容によると「平のなにがし」と呼ばれる武家として坂東に武威をとどろかせていた人が、上総・下総に勢力を伸ばしていた。和歌を愛好し、若い頃は江戸城のあたりに住んでいた馴窓を庇護し月ごとに行われる歌会で詠んだ歌を献上させ、まとめられたのがこの『雲玉和歌抄』である、ということが記載されている。「「平のなにがし」とは(千葉)勝胤のことに他ならない」とも記載されている。
犬井善寿(いぬいよしひさ)「『雲玉和歌集』所載実朝歌一首の所拠本文からの本文変化」『国文学年次別論文集 中世 1 平成13(2001)』(学術文献刊行会編 朋文出版 2003)p565-575のp565により、『雲玉和歌抄』(底本:京都大学付属図書館本)が衲叟馴窓編纂の『雲玉和歌集』であることがわかる。
- 回答プロセス
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『日本歴史地名大系 12 千葉県の地名』(平凡社 1996)佐倉市の項に記載されている「海隣寺」の項で出典を確認。
リサーチナビで「雲玉和歌集」で検索→『千葉県の歴史 通史編 中世』がヒット
- 事前調査事項
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『日本歴史地名大系 12 千葉県の地名』(平凡社 1996)
- NDC
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- 詩歌 (911 9版)
- 参考資料
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- 『千葉県の歴史 通史編 中世』(千葉県史料研究財団編 2007) (020085304)
- 『国文学年次別論文集 中世 1 平成13(2001)』(学術文献刊行会編 朋文出版 2003) (0105744232)
- 『雲玉和歌抄』(島津忠夫編 井上宗雄編 古典文庫 1968) (2100642888)
- キーワード
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- 雲玉和歌抄
- 雲玉和歌集
- 千葉県-佐倉市
- 衲叟馴窓(のうそうじゅんそう)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000111790