レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年08月18日
- 登録日時
- 2019/09/14 17:17
- 更新日時
- 2020/03/14 15:26
- 管理番号
- 590
- 質問
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解決
太平洋戦争終戦後、和歌山県和歌浦から出向して帰国した連合国捕虜は兵庫県にも収容されていたのかを知りたい。
- 回答
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以下の資料を紹介した。
①『大日本帝国内地俘虜収容所』(兵庫県立図書館請求記号:210.75/120)
p186-187 俘虜ノ取扱及輸送等ニ関スル件(8/16)
p187 「其ノ後都合ニ依リ乗船地ヲ左ノ通リ變更ス 函館、青森、仙臺、横濵、名古屋、和歌ノ浦、長﨑、仁川、基隆、大連」
p229-234 俘虜引渡実施一覧表〔S30.12『俘虜取扱の記録』(俘虜情報局)付表⑱-一)
p232 大阪俘虜収容所
第二分所 (引渡場所)三ノ宮駅 (受領者)マン (引渡年月日)二十年九月六日 (国籍 合計)545(人)
神戸病室 (引渡場所)大阪駅 (受領者)バレー/ベーデ (引渡年月日)二十年九月七日/八日 (国籍 合計)155(人)
p19-20 太平洋戦争下日本内地俘収茶園調査表
p20 大阪 第2分所 (所在地)神戸市葺合区脇浜町
②『十五年戦争重要文献シリーズ 8 俘虜情報局・俘虜取扱の記録』(210.7/122/8)
p232-233 (附表第四 俘虜収容所別人員表)
p233 大阪 第2分所 (所在地)神戸市葺合区脇浜町
p280-287 附表第十八の其の一 俘虜引渡實施一覧表
p283 大阪俘虜収容所
第二分所 (引渡場所)三ノ宮駅 (受領者)マン (引渡年月日)二十年九月六日 (国籍 合計)545(人)
神戸病室 (引渡場所)大阪駅 (受領者)バレー/ベーデ (引渡年月日)二十年九月七日/八日 (国籍 合計)155(人)
※上記の附表第四と附表第十八の其の一は、それぞれ『大日本帝国内地俘虜収容所』p19-20 太平洋戦争下日本内地俘収茶園調査表、p229-234 俘虜引渡実施一覧表と同じ表
また、兵庫県内の捕虜収容所に関する資料・記述等に、帰還(帰国)についても言及しているものがないか、調査しました。
③『夏は再びやって来る』(936/K1)には、ジョン・レイン氏のルート、
④『望郷』(916/K312)には、一般的なルートが記述されているのが、見つかりました。
目次等から見る限り、帰還(帰国)ルートについてまとめられたものは、見当たりませんでした。
【 調査済資料 】
③『夏は再びやって来る : 戦時下の神戸・オーストラリア兵捕虜の手記』(936/K1)
p.209~244 4.解放 第2章
④『望郷 : 姫路広畑俘虜収容所譯訳日記』(916/K312)
p.459~461 三、捕虜の解放と戦犯裁判について
日本の敗戦と同時に、アメリカ軍は連合軍捕虜の救援に乗りだし、各地の捕虜収容所の…(略)…救援物資のパラシュート投下作戦を行う。
そして捕虜の集結拠点を指定、一九四五年九月一日の日本降伏文書調印後、係官を派遣、捕虜を受領した。
捕虜たちは、トラック、鉄道などを利用して、長崎、静岡県新居、横浜、宮城県塩竃、北海道千歳、などに集合、沖縄、マニラ経由にて、九月中にはほとんど全員が本国へ帰還した。
p.490~504 大阪俘虜収容所
p.492 *神戸分所
⑤『神戸港強制連行の記録 : 朝鮮人・中国人そして連合軍捕虜』(366.8/K2)
p.264~289 Ⅰ 神戸港にかかわる連合軍捕虜と収容所について / 平田典子
⑥『岩波講座アジア・太平洋戦争 4 帝国の戦争経験』(210.75/434/4)
p.123 …(略)…後に詳述するように四二年九月、大阪捕虜収容所神戸分所が神戸区(現中央区)伊藤町に設置され、連合国軍俘虜の労務動員が始まる。…(略)…
p.137~144 四 連合国軍捕虜
p.139~140 2 ジョン・レインさんのケース
…(略)…一九四五年六月五日の神戸大空襲で神戸分所は消失して通称丸山分所に移動した。その後脇浜収容所に移動してそこで終戦を迎えた。八月二四日にはそこで祝賀行事が行われ、…(略)…。九月六日、神戸三宮を出発して横浜、厚木基地、沖縄嘉手納基地、フィリピンを経由して、一〇月一三日シドニーにもどった。
⑦『日本軍の捕虜政策』(391.4/11)
p.517~550 第七章 捕虜と戦後処理 Ⅰ 捕虜の安全と引揚
⑧『兵庫県警察史 昭和続篇』(317.7/35/4)
p.82
戦争犯罪者(戦犯)問題が現実化したのは、昭和二十年九月十一日に …(略)… 十一月には日本国内の捕虜収容所・外国人抑留所・病院などにおける、連合国民に対する虐待などのC級戦犯(人道に関する罪)三〇〇人の追及がはじめられた。
当時、県下には神戸・尼崎・広畑・相生・生野・明延に捕虜収容所があり、いずれも中部軍令部下の大阪俘虜収容所の分所であった。
⑨『兵庫の平和史跡ガイド : 戦争遺跡は語る』(216.4/K60)
p.50 中央神学校跡と神戸俘虜病院
p.52 神戸には3ヵ所の俘虜収容所があった!
⑩『居留地の街から : 近代神戸の歴史探究』(216.41/K178)
p.282~285 ミス・リー『戦中覚え書』に記された敵性外国人抑留所・捕虜収容所 / 山内英正
⑪『アジア・太平洋戦争と神戸港 : 朝鮮人・中国人・連合国軍捕虜』(366.8/K3)
p.18~30 朝鮮人・中国人・連合国軍捕虜
⑫『戦時外国人強制連行関係史料集 1 俘虜収容所』(210.75/160/1)
⑬『戦時外国人強制連行関係史料集 4-〔1〕 中国人・朝鮮人・オランダ人・イギリス人 上巻』(210.75/160/4-1)
⑭『大東亜戦争俘虜関係外交文書集成 第1巻』(210.75/230/1)
p8 終戦後-連合軍俘虜引渡人員表
●『歴史と神戸 54巻4号(311号) 』 神戸史学会 2015.8 (未製本雑誌)
p.16~21 「神戸港 平和の碑」に込めた思い:アジア・太平洋戦争と朝鮮人・中国人・連合軍捕虜 / 飛田雄一
●『歴史と神戸 40巻4号(227号) 』 神戸史学会 2001.8 (Z21/19/40-41)
p.20~31 兵庫空襲の墜落米軍機と捕虜飛行士 / 福林徹
●『歴史と神戸 43巻3号(244号) 』 神戸史学会 2004.6(Z21/19/42-43)
p.44~45 神戸港と強制連行・捕虜を考える三冊の本出版 / 村田壮一
【 国立国会図書館デジタルコレクション 】
◆『歴史地理教育. (722)増刊号』歴史教育者協議会 編 歴史教育者協議会 2007(国立国会図書館/図書館送信限定:http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11198449)
p.104~111 神戸にあった捕虜収容所と敵性外国民間人抑留所 / 福林徹
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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香川県善通寺収容所の捕虜100名余りが和歌浦経由であることは、収容されていた捕虜の方からの手紙で判明している。
POW研究会ホームページの記載は次のとおりで、帰国経路については書かれていない。
「神戸分所1942年9月23日、大阪俘虜収容所神戸分所として、神戸市神戸区(現・中央区)伊藤町28のオリエンタルホテル倉庫を利用して開設。香港からの航海中、アメリカ潜水艦に撃沈されたリスボン丸の生存イギリス兵約400人などが入所。43年2月18日、第1分所と改称。45年6月5日の空襲で焼失。俘虜は神戸川崎分所跡地へ一時移動した後、6月21日に葺合区脇浜町3丁目の脇浜分所跡地へ移動して再開。8月、第2分所と改称。
使役企業は、日本通運湊川支店、神戸船舶荷役会社など。捕虜は神戸港、兵庫港駅、灘貨物駅、兵庫駅などでの荷役作業に従事。別の一隊は、東洋製鋼、西宮の吉原製油、鳴尾の昭和電極などの工場へ電車で通勤。
終戦時収容人数488人(英360、豪73、米26、蘭17、他12)、収容中の死者134人。」
- NDC
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- 歴史 (2)
- 日本史 (21)
- 社会科学 (3)
- 参考資料
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①茶園義男 編・解説 , 茶園, 義男, 1925-. 大日本帝国内地俘虜収容所. 不二出版, 1986.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001837207-00 -
②茶園‖義男. 十五年戦争重要文献シリーズ 8. 不二出版, 1992.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I010316919-00 -
③ジョン・レイン 著 , 平田典子 訳 , Lane, John, 1922-2008 , 平田, 典子, 1964-. 夏は再びやって来る : 戦時下の神戸・オーストラリア兵捕虜の手記. 神戸学生青年センター出版部, 2004.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007287708-00 , ISBN 4906460429 -
④柳谷郁子 著 , 柳谷, 郁子, 1936-. 望郷 : 姫路広畑俘虜収容所通譯日記. 鳥影社, 2011.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I023162191-00 , ISBN 9784862653338 -
⑤神戸港における戦時下朝鮮人・中国人強制連行を調査する会 編 , 神戸港における戦時下朝鮮人中国人強制連行を調査する会. 神戸港強制連行の記録 : 朝鮮人・中国人そして連合軍捕虜. 明石書店, 2004. (世界人権問題叢書 ; 48)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000004350788-00 , ISBN 4750318396 -
⑥倉沢愛子/〔ほか〕編 , 倉沢‖愛子. 岩波講座*アジア・太平洋戦争 4. 岩波書店, 2006.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I004912388-00 , ISBN 400010506X -
⑦内海 愛子/著 , 内海‖愛子. 日本軍の捕虜政策. 青木書店, 2005.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I010925215-00 -
⑧兵庫県警察史編さん委員会 編 , 兵庫県警察本部. 兵庫県警察史 昭和編. 兵庫県警察本部, 1975.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001207129-00 -
⑨兵庫の「語りつごう戦争」展の会, 兵庫歴史教育者協議会 編著 , 兵庫の語りつごう戦争展の会 , 兵庫歴史教育者協議会. 兵庫の平和史跡ガイド : 戦争遺跡は語る. 日本機関紙出版センター, 2013.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I024714681-00 , ISBN 9784889008883 -
⑩神戸外国人居留地研究会 編 , 神戸外国人居留地研究会. 居留地の街から : 近代神戸の歴史探究. 神戸新聞総合出版センター, 2011.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I023156705-00 , ISBN 9784343006561 -
⑪神戸港における戦時下朝鮮人・中国人強制連行を調査する会 編 , 神戸港における戦時下朝鮮人中国人強制連行を調査する会. アジア・太平洋戦争と神戸港 : 朝鮮人・中国人・連合国軍捕虜. 神戸港における戦時下朝鮮人・中国人強制連行を調査する会, 2004.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000004343766-00 , ISBN 4944173245 -
⑫林えいだい 監修・責任編集 , 林, えいだい, 1933-2017. 戦時外国人強制連行関係史料集 1 (俘虜収容所). 明石書店, 1990.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002059795-00 -
⑬林えいだい 監修・責任編集 , 林, えいだい, 1933-2017. 戦時外国人強制連行関係史料集 4 (中国人・朝鮮人・オランダ人・イギリス人). 明石書店, 1991.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002148811-00 -
⑭茶園義男 編・解説 , 茶園, 義男, 1925-. 大東亜戦争俘虜関係外交文書集成 第1巻. 不二出版, 1993.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002276913-00
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①茶園義男 編・解説 , 茶園, 義男, 1925-. 大日本帝国内地俘虜収容所. 不二出版, 1986.
- キーワード
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- 太平洋戦争
- 連合国俘虜
- 収容所
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000261401