レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018/05/19
- 登録日時
- 2019/12/25 00:30
- 更新日時
- 2019/12/25 00:30
- 管理番号
- 参調 19-0017
- 質問
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解決
明治36(1903)年5月22日に哲学青年藤村操が日光の華厳の滝の上の楢の木に「巌頭之感」という墨書を残して投身自殺した事件について、次のことを知りたい。
①「巌頭之感」文中にある「ホレーショの哲学」について記載した文献はあるか。
②藤村操と同じ第一高生である岩波茂雄や魚住折蘆らへの思想的影響について記載した文献はあるか。
③藤村操の叔父那珂通世が『万朝報』に寄せた弔文を見たい。
④黒岩涙香が『万朝報』に掲載した「少年哲学者を弔す」という文を見たい。
⑤井上哲治郎、坪内逍遥が藤村操の自殺の是非を論じた文を見たい。
⑥『日本文壇史』7巻 伊藤整著に藤村操関連の記述はあるか。
⑦『新潮』46巻9号所収の『「巌頭の感」をめぐって』安部能成著を見たい。
⑧その他、藤村操に関した資料はあるか。
- 回答
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①『藤村操の手紙』p157~170、『ホレーショーの哲学』p89~93にあり。
②『検証藤村操』p41~45に身近にいた学生たちへの影響、p175~209は章をさいて「藤村操と折蘆魚住影雄」を論じている。その他、8章の「文献・資料目録」には、関係者の論文記載あり。その中の『明治文学全集 50』に「魚住折蘆集」があり、p287~289に「藤村操君の死を悼みて」、p290~294に「自殺論」の記載あり。著者名で確認して所蔵があった資料は以上だが、この他にも、質問の内容に触れているものもあるかもしれない。
③『藤村操の手紙』p5~7に全文記載。復刻版の『万朝報 43』所収3484号(M36.5.26)p3にもあり。
④復刻版『万朝報 43』所収3485号(M36.5.27)p1にあり。
⑤『検証藤村操』8章「文献・資料目録」p247,244により、井上哲治郎については雑誌『独立評論』7号所収「青年の精神的危機」、坪内逍遥については雑誌『太陽』9巻9号所収「自殺是非」(本名の雄蔵名義)がそれにあたると思われる。
雑誌『独立評論』は当館に所蔵がなく、札幌市中央図書館に復刻版『独立評論 2 明治36年7号~9号』所蔵あり。雑誌『太陽』も当館に所蔵がなく、道内では所蔵見つからず。公立図書館での所蔵も該当号は見つからず、国立国会図書館のみ。
⑥『日本文壇史』7巻p132~158、7章に記載あり。
⑦『新潮』46巻9号p54~56にあり。
⑧上記回答に使用している『検証藤村操』『藤村操の手紙』にさまざま記載あり。『検証藤村操』8章「文献・資料目録」は詳細な関連情報が掲載されている。
- 回答プロセス
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「回答」に記載
- 事前調査事項
- NDC
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- 個人伝記 (289 7版)
- 参考資料
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- 1 検証藤村操 平岩/昭三?著 不二出版 2003.5 289.1/F
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2 藤村操の手紙 土門/公記?著 下野新聞社 2002.7 289.1/F -
3 ホレーショーの哲学 外山/滋比古?著 研究社出版 1987.8 930.4/TO -
4 明治文学全集 50 金子筑水,田中玉堂,片山孤村,中沢臨川,魚住折蘆集 筑摩書房 1974 918.6/ME/50 -
5 万朝報 43 自三四二九号(明治36年4月)至三五一九号(明治36年6月) 「万朝報」刊行会?編 日本図書センター 1985.10 Z/Y/43 -
6 日本文壇史 第7 硯友社の時代終る 伊藤整∥著 講談社 1964 910.26/I/7 -
7 新潮 第46巻第9号 新潮社 1904 Z301
- キーワード
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- 藤村操
- 華厳の滝
- 自殺
- 巌頭之感
- 第一高等学校
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事項調査
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000271345