レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020/02/13
- 登録日時
- 2020/03/14 00:30
- 更新日時
- 2020/08/19 14:29
- 管理番号
- 千県東-2019-0018
- 質問
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解決
『香取志』(小林重規著 天保4)に『藻塩草』という資料が引用されているが、これはどのような資料か知りたい。
- 回答
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室町時代の連歌師である宗碩が編纂したとされる連歌を詠む際に参考とする辞典のことではないかと考えられる。詳細については下記の資料2点を紹介した。
【資料1】『藻塩草 古活字版』(京都大学文学部国語学国文学研究室編纂 臨川書店 1979)
p293-315に解説が掲載されている。
【資料2】『藻塩草 20巻. [6]』([宗碩編] 寬永年間)(http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2544676)
国立国会図書館デジタルコレクションの書誌情報エリアに次のような解題があった。
「連歌を詠む者のために古典等から語句を集め、注解を加えたもの。20部門に分類されている。編者月村斎宗碩(1474-1533)は室町時代後期の連歌作者。(以下略)」
- 回答プロセス
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まず、『香取志』に『藻塩草』のどういった部分が引用されているのか調べるため、千葉県立図書館OPACにて書名で「香取志」を検索したところ、『鹿島志 香取志 (版本地誌大系 14)』(北条時鄰著 小林重規著 臨川書店 1997)に『香取志』の影印版が収録されていることが分かった。内容を確認すると、p223「司召」の項に「内裏に司召縣召あり、藻盬艸に縣召とは外官除目也 昔は正月今は三月也 司召是は八月也」という記述があった。
次に、千葉県立図書館OPACにて書名で「藻塩草」を検索したところ、千葉県立中央図書館で『藻塩草 索引篇』(大阪俳文学研究会編 和泉書院 1983)を所蔵しており、内容を調べると事項索引に「あがためし(県召) 政167上 つかさめし167上」とあった。しかし、この資料には『藻塩草』が具体的にどのような資料かという説明がなく、また、『藻塩草 本文篇』(大阪俳文学研究会編 和泉書院 1979)は千葉県立図書館館で未所蔵だったため、「縣召」「司召」についての記述がある事以外分からなかった。
他には、千葉県立西部図書館で【資料1】『藻塩草 古活字版』を所蔵しており、内容を確認したところ、p167上段に「あかためし」と「つかさめし」という項目があり、『香取志』の記述と同内容と思われる説明があった。また、巻末に「藻塩草」の解説がついていた。
国立国会図書館デジタルコレクションにて「藻塩草」と「宗碩」で検索したところ、【資料2】『藻塩草 20巻. [6]』30-31コマにも「司召」「縣召」に関する同様の記述があり、また、書誌情報エリアには解題が収録されていた。
(インターネットの最終アクセス:2020年2月7日)
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌 (911 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】『藻塩草 古活字版』(京都大学文学部国語学国文学研究室編纂 臨川書店 1979)p293-315(1100882953)
- 【資料2】『藻塩草 20巻. [6]』([宗碩編] 寬永年間)(http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2544676)
- キーワード
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- 宗碩(ソウセキ)
- 月村斎(ゲッソンサイ)
- 連歌(レンガ)
- 辞書(ジショ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献調査
- 内容種別
- 一般
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000275866