レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/5/22
- 登録日時
- 2022/05/22 11:20
- 更新日時
- 2022/08/04 15:40
- 管理番号
- 3609
- 質問
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解決
昆陽池の詩碑にある、藤原定家の詩を知りたい。
- 回答
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「過昆陽池武庫山
新雨初晴池水満 恩波風緩楽豊年 遠松迎我如親故 群鳥驚人争後先
暁涙伴来江館月 春望相似洞庭天 廻頭遙顧青厳路 漸隔帝都山復川」
参照資料
・『明月記 第2』藤原 定家/著 国書刊行会(1911)
(国立国会図書館デジタルコレクション2022.5.22参照)
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/991254 75コマ
・『伊丹市史 第1巻』伊丹市史編纂専門委員会/編集 伊丹市(1971) I/216.4/I p486
- 回答プロセス
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「『文学碑をたずねて 改訂版』菊池 靜二/編 佐坂 茂男/監修 伊丹市文化財保存協会(2005) p33に昆陽池の詩碑の解説があるが、現地の詩碑に刻まれた詩と一部内容が違うと思う」とのことでお問い合わせ。(※)
『文学碑をたずねて 改訂版』に「出典『明月記』より」とあるため、業務端末で『明月記』を検索。
当館には『明月記抄』の所蔵しかない。
『明月記』を探すため、国立国会図書館デジタルコレクションで検索。
インターネット公開資料としてヒット。
該当の詩がいつ頃に書かれたものかを当館資料で引き続き調査。
『伊丹市史 第1巻』伊丹市史編纂専門委員会/編集 伊丹市(1971)I/216.4/Iのp485に、藤原定家がしばしば昆陽野あたりを旅したと書いてあり、『明月記』の建暦二年正月のときの日記が取り上げられている。続くp486には廿二日に、「昆陽池を過ぎて武庫の山に入る。」とあり、該当の詩が記載されていた。
そのため、国立国会図書館デジタルコレクションで『明月記 第2』から建暦二年正月の廿二日を探して提供。
『伊丹市史 第1巻』p486に記載の詩も、回答の一資料とする。
なお、『明月記抄』[藤原 定家/著] 今川 文雄/編訳 河出書房新社(1986) 915.4/F p224は、書き下し文の記載のみ。
『定家明月記私抄 続篇』堀田 善衛/著 新潮社(1988) 915.4/H-2は、該当の詩の掲載はなかった。
(※)『文学碑をたずねて 改訂版』p33には詩の一部が「廻頭顧青厳路」と記載されており、『明月記』・『伊丹市史』では「廻頭遙顧青厳路」とある。
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌 (911)
- 近畿地方 (216)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000316454