レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016年3月18日
- 登録日時
- 2016/07/26 16:36
- 更新日時
- 2017/07/26 13:32
- 管理番号
- 相大-H27-070
- 質問
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解決
「日本」を「ニホン」「ニッポン」と発音する時、どういう場合に使うか法則性があるのか知りたい。
- 回答
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どちらか一方に統一することは不可能で、今のところどちらに発音してもよい。
但し、「日本」を含む複合語の読み方については、NHK(日本放送協会放送用語委員会)で決定している語例があるが、社会的に通用しているのは、必ずしもそのとおりではない。
また、「ニッポン」の方が「ニホン」より強い響きがあるため、近年応援等に使われることがある。
- 回答プロセス
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『言葉に関する問答集 総集編』 文化庁/編 国立印刷局 2001 【s25185521 R810】
p536に「「日本」の発音は、<ニホン>がいいか<ニッポン>がいいか。また国号としては、国がどちらかに決めた事実はあるか」という項あり。
文中に「結論から先に言えば、どちらか一方に統一することは不可能で、今のところ、どちらに発音してもいいということになる。」
「昭和9(1934)年に臨時国語調査会で国号呼称統一案を審議し、「ニッポン」とすることを決議したが、政府で採択されず、正式な決定はされていない。」とある。
また、日本放送協会の「日本」を含む複合語の読み方の語例あり。
『NHK放送のことばハンドブック』 日本放送協会/編 日本放送出版協会 1987 【s07466105 R810】
p82に、「日本」のつく語の読みの項あり。
「ニホン」という発音のみ認める語、「ニッポン」という発音のみ認める語、両用の発音を認める語、「ニホン」を第1とし、「ニッポン」を第2とするものの語例あり。
『日本語 語感の辞典』 中村明/著 岩波書店 2010 【s28563450 R813】
p791に、「にっぽん」「にほん」の項あり。
「にっぽん」の項には、戦時中まではよく用いたこと、国対抗のスポーツ観戦の応援時など、国家意識の高まった時に多く用いることなどの記載あり。
「ニッポン」のほうが力強く響き、「ニホン」では力がこもらない感じがするなどの記述あり。
『日本国語大辞典 第10巻 第2版 な-はわん』 日本国語大辞典第二版編集委員会/編 小学館 2001 【s17518580 R813.1】
p475に「にっぽん」、p493に「にほん」の項あり。
「その読み方について、国家的統一はなく、対外的に多く「ニッポン」を用いる以外は「ニホン」「ニッポン」が厳密に使いわけられることなく使用されている」との記述あり。
注:【 】は自館の資料コードと請求記号
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本語 (810 9版)
- 辞典 (813)
- 参考資料
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- 『言葉に関する問答集 総集編』 文化庁/編 国立印刷局 2005
- 『NHK放送のことばハンドブック』 日本放送協会/編 日本放送出版協会 1987
- 『日本語 語感の辞典』 中村明/著 岩波書店 2011
- 『日本国語大辞典 第10巻 第2版 な-はわん』 日本国語大辞典第二版編集委員会/編 小学館 2001
- キーワード
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- 日本
- ニホン
- ニッポン
- 読み方
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000195225