レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年03月21日
- 登録日時
- 2020/11/05 17:20
- 更新日時
- 2020/11/05 17:29
- 管理番号
- 横浜市中央2596
- 質問
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解決
「靉靆(あいたい)」という言葉が「眼鏡」を指す言葉として使われている文献を探している。
- 回答
-
次の資料に眼鏡について書かれている文献が掲載されています。
・『古事類苑 46 器用部2』 神宮司庁/編 吉川弘文館 1979
明治時代に編纂された、当時の百科事典です。
p.560~568 「眼鏡」の項目
・『眼鏡の歴史』 大坪元治/著 日本眼鏡卸組合連合会 1960.11
p.76~97 第一部江戸時代まで 第四章 眼鏡の揺籃期
上記に掲載されている文献を中心に探した結果、
めがねを「靉靆」と表現している文献とそれが掲載されている資料は以下の通りです。
1 倭訓栞 谷川士清
『倭訓栞 下巻 増補語林』 谷川士清/著 名著刊行会 1968 p.429
江戸時代の国語辞書です。めがねの項目に
「輿勝覧に満刺加國出靉靆鏡といへハもと西域より始まれる物なり」
との記述があります。
2 和漢三才図会 寺島良安/著
『和漢三才図会 5』東洋文庫 寺島良安/〔著〕 平凡社
1986.11 p.84
江戸時代に編纂された百科事典です。
巻第二十六に「眼鏡 靉靆 〔女加禰〕」として項目を挙げています。
3 雅游漫録 (または「雅遊漫録」)大枝流芳/著
『日本随筆大成 第2期 23』 日本随筆大成編輯部/編
吉川弘文館 1974.12 p.276~277
「雅游漫録」は文房具をはじめ楽器や詩歌、遊具などの項目をあげて
解説を加えた、江戸時代の著作です。
巻之二に「靉靆(メガネ)」として1項目挙げています。
前半は漢文で『留青日札』と同内容です。
留青日札は「明の田藝衡の撰。学術文芸に関する雑録を記し」た本です。
(『中国学芸大事典』近藤春雄/著 大修館書店 1978.10 p.821)
国立国会図書館デジタルコレクションにて閲覧できます。
(https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2607227)令和2年10月14日確認
4 産業万金袋 三宅也来/著
『万金産業袋 生活の古典双書』 三宅也来/著 八坂書房
1973 p.81~85
解説によると本書は「工、商にこの上ないよき手引」とあります。
巻三に「眼鏡類」という項目をたててレンズを使う器具を集めており、
その最初の項として眼鏡が挙がっており、そのなかに「靉靆」という表現があります。
5 雍州府 p.84
『新修京都叢書 第10巻 雍州府志』 野間光辰/編 臨川書店
1994.7 p.480
「雍州府志」は「雍州即ち山城一國の、地理・沿革・寺社・土産・古迹・陵墓を
詳記した漢文體地誌」です。(解題p.2)
巻六、土産門上の「玉石具」に「靉靆」という表現があります。
6 静軒痴談 寺門静軒/著
『日本随筆大成 第2期 20』 日本随筆大成編輯部/編
吉川弘文館 1974.10 p.47
静軒痴談は「『江戸繁昌記』の著述に依って一躍大名を馳せた著者が、
晩年に至って草した唯一の和文で記した考証随筆」です。(解題p.1)
巻之二に「靉靆」として1項目挙げています。
7 養生訓 貝原益軒/著
『養生訓・和俗童子訓』 貝原益軒/著 岩波書店 1961.1
p.108
養生訓は江戸時代の、健康法について書かれた本です。
巻第五のうち「四十歳以上は眼鏡を用いよ」
「めがねを靉靆と云、留青日札と云書に見えたり」とあります。
8 『中国の科学と文明 第7巻 物理学』 ジョセフ・ニーダム/著 思索社 1977.8
p.152~156(g)光(光学)(5)レンズと点火レンズ(iv)眼鏡レンズと眼鏡
本章では中国における眼鏡の始まりについて述べており、眼鏡に言及している
中国の文献を挙げたあと眼鏡のことは「靉靆」と呼ばれていたとあります。
特に、p.154、6~7行目及び下部注部分で語源について考察しており、
「アラビア語の中で、眼鏡のことをal-'uwainat(’小さい両眼’)というのを見るのであ
る」と記述しています。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 精密機器.光学機器 (535 8版)
- 辞典 (813 8版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000289179