レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年01月20日
- 登録日時
- 2019/01/28 11:38
- 更新日時
- 2019/03/24 17:10
- 提供館
- 京都市図書館 (2210023)
- 管理番号
- 右中-郷土-122
- 質問
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解決
京都市内の御霊神社(ごりょうじんじゃ)について知りたい。
- 回答
-
御霊神社とは,八所御霊と呼ばれる崇道天皇・伊予親王・藤原夫人ら八柱の御霊神がまつられている神社のことです。【資料1】
平安遷都のころは天変地異や疫病が相次ぎました。その原因が早良親王(後の崇道天皇)らの祟りと恐れ,その御霊をなぐさめるために神としてまつり,災いを免れようとしました。【資料5・9】
京都市内の御霊神社と呼ばれる神社は,上京区・中京区・西京区にあります。
上京区には,御霊神社(通称:上御霊神社)が,中京区には,下御霊神社があります。
上御霊神社は,前身は平安遷都以前に賀茂川西岸の一帯に居住していた出雲氏の氏寺・上出雲寺の鎮守社と言われています。桓武天皇が弟の早良親王の神霊をまつり,平安京の守護神としたことにより御霊神社となりました。【資料2~4・9】
下御霊神社は,前身は出雲氏の氏寺・下出雲寺の鎮守社と言われ,かつては上京区にありましたが,豊臣秀吉が行った都市改造により現在の中京区に移されました。【資料2・3・7・10】
西京区には2か所,どちらも御霊神社と呼ばれる神社があります。
上桂の御霊神社は,旧上桂村の産土神でしたが,伊予親王を祀ったことから御霊神社となりました。【資料11】
また下桂の御霊神社(通称:下桂御霊神社)は,橘逸勢などが祀られています。【資料8】
ほかにも,御霊信仰の神社として八坂神社や祟道神社などがあります。【資料6】
- 回答プロセス
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●『国史大辞典』を確認・・・【資料1】“御霊神社”の項あり。
●全国や京都の神社について調べる・・・【資料2・3】
【資料2】上御霊神社と下御霊神社の歴史について記述あり。
【資料3】上御霊神社と下御霊神社の祭神,歴史などについて記述あり。
●京都の地誌を調べる・・・【資料4】
【資料4】“上御霊神社”,“下御霊神社”の項に解説あり。
●京都の社について調べる・・・【資料5・6】
【資料5】御霊の発生,崇道天皇や伊予親王などの御霊について記述あり。
【資料6】御霊信仰の社について,八坂神社や崇道神社,大将軍八神社など,名称に“御霊”と入っていない社の記述もあり。
●“御霊神社”をキーワードに,京都市図書館の資料を検索・・・【資料7~9】
【資料8】『下桂御霊神社誌』(1941 印影)の所収あり。
【資料9】上御霊神社について,概要や御霊祭の起源などの記述あり。
●“御霊信仰”や“怨霊思想”をキーワードに郷土資料を検索・・・【資料10】下御霊神社の所在地の変遷や祭神などの記述あり。
●洛中以外の地誌にも御霊神社がないか探す・・・【資料11】
【資料11】上桂の御霊神社について,歴史などの簡略な記述あり。
- 事前調査事項
- NDC
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- 神社.神職 (175 9版)
- 中国地方 (217 9版)
- 民間信仰.迷信[俗信] (387 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】『国史大辞典 6』(国史大辞典編集委員会/編 吉川弘文館 1985)p59“御霊神社”
- 【資料2】『日本社寺大觀 神社篇』(藤本 弘三郎/編 日出新聞社 1933)p273~274“御靈神社”,p275~276“下御靈神社”
- 【資料3】『京都・山城寺院神社大事典』(平凡社 1997)p166~168“上御霊神社”,p322“下御霊神社”
- 【資料4】『京都大事典』(佐和 隆研/[ほか]編集 淡交社 1984)p196“上御霊神社”,p476“下御霊神社”
- 【資料5】『京の社』(上田 正昭/[ほか]著 人文書院 1985)p105~124“御霊信仰-御霊社と今宮社”
- 【資料6】『京都千年 2 寺と社』(講談社 1984)p154~160“御霊信仰の社”
- 【資料7】『下御霊神社誌』(下御霊神社 1907)
- 【資料8】『下桂御霊神社誌 橘逸勢と空海』(北川 あきら 2015)
- 【資料9】『週刊古社名刹巡拝の旅 42 御所界隈』(集英社 2010)p32~35“御靈神社(上御霊神社)”
- 【資料10】『怨霊史跡考』(稲岡 彰/著 敬文堂 2001)p15~18“下御霊神社”
- 【資料11】『昭和京都名所図会 4 洛西』(竹村 俊則/著 駸々堂出版 1983)p370~371“御霊神社”
- キーワード
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- 御霊神社
- 怨霊思想
- 御霊信仰
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000250733