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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

提供館
(Library)
牛久市立中央図書館 (2310059)管理番号
(Control number)
牛久-1605
事例作成日
(Creation date)
2018/09/07登録日時
(Registration date)
2020年08月31日 00時30分更新日時
(Last update)
2020年08月31日 00時30分
質問
(Question)
国土地理院が作成した、明治36年測図(昭和28年応急修正)の「龍ヶ崎」の5万分の1地図に使われている「荒地」の地図記号に似た地図記号を別の明治の地図で見たことがある。
小さな点が「荒地」の地図記号に追加されているような地図記号だったと思うが、何の地図記号か。またこの2つの違いは何か。
回答
(Answer)
○次のHPのサイトを紹介する。
・Webサイト「明治40年代の地図記号」
https://goto-seikotsuin.sakura.ne.jp/Map_symbols_of_the_Meiji40s.html
に質問された地図記号に該当すると思われる「植生・荒地(通貨困難)」が掲載されていた。小さな点が付いた地図記号には「通貨(通過)困難」の表示あり。
 
○次の資料より、明治24年式から昭和24年式までの「荒地」の地図記号には小さな点が点在するが、昭和30年式から昭和61年式には小さな点は存在しない。
・『日本主要地図集成』(日本国際地図学会編/朝倉書店/1995.5)…p209-214
回答プロセス
(Answering process)
1.フリーワード「地図記号」で自館資料検索し、ヒット14件の内、下記を確認。
(1)『よくわかる地図記号 1』(山岡光治編著/汐文社/2012.12)
…p28「荒地」は挫創の形から決められている。古い荒地の記号は、上に向かうに従ってしだいに細くなっていくとの記述あり。小さな点についての記載無し。
  
(2)『地図情報ものしり百科 3』(田代博監修/学研/2008.2)
…p14に土地の利用を表す地図記号に、その土地に生育している植物を植生記号といい、1つの記号を使うことはなく、同じ記号を複数使って表すのが特徴との記載あり。
…p15に「荒地」は、荒れたままになったり雑草や水草が生えている所。記号の形は雑草をイメージして作られているとの記述はあるが、小さな点についての記載無し。
 
(3)『みんなが知りたい!「地図のすべて」がわかる本』(カルチャーランド/メイツ出版/2006.10)
…p58に「なくなった地図記号」として、田んぼは「乾田」「水田」「沼田」の3つに分かれており、この区別は、農家のためではなく、地図は軍隊の行動に役立てるためのものでもあった。「沼田」は農作業も容易にできない深い田のことで、「通過困難な草地(沼田)」が分かっていれば、そこは兵隊は通さないと地図の上で判断することができたとの記述あり。
…p63の土地を表す地図記号に「荒地」があるが、小さな点についての記載無し。
 
(4)『地図の「読み方」術』(渡辺一夫編/誠文堂新光社/2009.4)
…p86の「土地の利用を表す記号」の「耕されていない土地」に「荒地」があり、野草や低木がはえている土地としての記述はあるが、小さな点についての記載は無し。
  
2.質問された地図記号に似ているものは明治36年測図の国土地理院作成の地図に載っていたことから、現在の地図記号にはない当時のものかもしれないと推測し、googleで「国土地理院」を検索し、ホームページを確認。
国土地理院HP( https://www.gsi.go.jp/index.html )内のサイト内検索機能を使い「地図記号」&「変遷」で検索。
(5)「地図記号の移り変わり」(PDF)( https://www.gsi.go.jp/common/000044983.pdf )には、明治から平成までの地図記号の変遷の一覧があるが、「荒地」は発見できず。
 
(6)国土地理院HP内「3 地図(数値地図)の一般的事項に関するQ&A」
https://www.gsi.go.jp/kohokocho/FAQ3.html )内 「Q3.8:地図記号のうつりかわり(変遷)を教えてください」には、次の資料が紹介されていた。
(7)『地図記号のうつりかわり』(日本地図センター編/1994.3)…所蔵がなく確認できず。
 
3.「地図記号」&「明治」のキーワードを入れてGoogleで検索。ヒット329,000件のトップに表示。
(8)「明治40年代の地図記号」
https://goto-seikotsuin.sakura.ne.jp/Map_symbols_of_the_Meiji40s.html
…明治43年頃に陸地測量部が発行している古地図を読むための記号を整理したものと記載。
…質問された地図記号に該当しそうな記号として「植生・荒地(通貨困難)」と文字表記されたものを発見。「荒地」の地図記号に小さな点が付加された記号になっていた。「植生・荒地(茅場)」と表記された記号には小さな点はなく、荒地の地図記号のみであった。他の植生の地図記号も「通貨困難」の表記が付記されているものには、小さな点が混在していた。さらに、「植生・通行困難な土地」は小さな点のみの地図記号となっていた。質問者に確認してもらった所、「記号が理解できた。自分でも紹介されたHPのサイトを見てみる」と言われ、その場での対応は終了。
 
4.3の「通貨困難」について、同じページに小さな点のみの地図記号は「植生 通行困難な土地」とあったことと、(3)の資料より、「通行できない所は通過困難であることが分かるように地図記号を分けていた」とあるので、「通貨困難」は、「通過(通行)困難」ではないかと推測。
 
5.「通過困難」の地図記号について調べるため、キーワード「通過困難」「通行困難」「地図記号」のキーワードでGoogleで検索するが当てはまる情報なし。次に、国土地理院HP内検索ワードに「戦前」「地図記号」を入れて検索。
(9)国土地理院HP内「ことばのミニ辞典 ~近代測量150 年特別編③「地図記号」~」
https://www.gsi.go.jp/common/000213488.pdf
…1917年(大正6年)に定めた 地形図図式では、図式の中でも適用期間が最も長く部分的な変更はあったものの1955 年(昭和30年)に改定するまでの38年間使用された。1917年制定当時は参謀本部に属していたため、地図に記載する項目は軍事上の観点が基準となっており、現在の水田は「乾田」「水田」「沼田」の3つに分かれており、「乾田」は冬場にはぬかるまない田、「沼田」は冬場でもぬかるむ田、「水田」はその中間で、冬場の乾田なら、歩兵や軍用車両などの通行が可能ということが地図から読み取れるとの記載あり。「荒地」についての記載は無し。
 
6.「戦前」「地図記号」のキーワードでGoogle検索。
(10)国立国会図書館「リサーチ・ナビ」内「地形図の地図記号」
https://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/post-626.php
…「2. 地形図の図式の変遷」にある資料について自館資料検索し、次の資料にあたる。
(11)『日本主要地図集成』(日本国際地図学会編/朝倉書店/1995.5)
…p202-232「VI.主要な図記号一覧」に図式等の制作(作成)年に対応する形で地図記号の一覧が掲載されており、明治6年から平成元年までの図式の地図記号があった。
…p209の明治42年式、p212-214の明治24年式、明治33年式、大正6年式、昭和17年式、昭和24年式の「荒地」の地図記号には小さな点があり、植生の地図記号の中で未開拓地に分類されている他の地図記号にも同様に小さな点があった。質問内容の明治36年と(8)の明治43年は、この期間に含まれる。
…p213-214の大正6年式、昭和17年式、昭和24年式の植生の濶葉樹林の地図記号の横に「通過困難ノ部」と記載あり。「荒地」には記載なし。
…p208の昭和36年式、p209の昭和58年式、p215-216の昭和30年式、昭和40年式、昭和61年式、平成元年式の「荒地」やその他の未開拓地の植生の地図記号には、小さな点は無し。
→明治24年式から「荒地」を含む植生の未開拓地の地図記号に小さな点がついており、昭和30年式以降には小さな点は無し。
 
7.追加調査で、(7)『地図記号のうつりかわり』(日本地図センター編/1994.3)の資料を相互貸借する。
…p17-21に「Ⅳ 地形図図式変遷」の概要があり、大正6年式は軍用を主目的とした図式。昭和30年式は、第二次大戦後地形図の使用目的が変わり、時代にそぐわない事項を削除したものとなったため、記号を簡略にして製図の作業効率の良いものとしたとの記述はあるが、「荒地」の小さい点についての記載は無し。
…p66-145に「Ⅷ 記号の変遷」の図式があり、p141の「11 土地の利用景(地類)」の「植生等」に明治13年式~平成元年式の「荒地」の地図記号あり。昭和37年改正の記述あり。
 
→以上のことから、(11)の資料より、明治24年から昭和17年までの荒地の地図記号には小さな点が点在し、昭和30年式以降には小さな点が無いことが判明。
※全てのホームページの最終アクセスは2020年7月23日
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
地球.天文地理学  (448 10版)
日本  (291 10版)
地形学  (454 10版)
参考資料
(Reference materials)
B10026245 日本主要地図集成 日本国際地図学会/編 朝倉書店 1995.5 291.038 9784254163315
B10557305 みんなが知りたい!「地図のすべて」がわかる本 カルチャーランド/著 メイツ出版 2006.10 448.9 9784780401042
B10817380 地図記号のうつりかわり 日本地図センター/編集 日本地図センター 1994.3 454.9
国土地理院HP「3 地図(数値地図)の一般的事項に関するQ&A」内「 Q3.8:地図記号のうつりかわり(変遷)を教えてください」 https://www.gsi.go.jp/kohokocho/FAQ3.html 2020年7月23日
明治40年代の地図記号 https://goto-seikotsuin.sakura.ne.jp/Map_symbols_of_the_Meiji40s.html 2020年7月23日 (個人サイト)
国土地理院HP「地図記号の移り変わり」 https://www.gsi.go.jp/common/000044983.pdf 2020年7月23日
国土地理院HP「ことばのミニ辞典 ~近代測量150 年特別編③「地図記号」~」 https://www.gsi.go.jp/common/000213488.pdf 2020年7月23日
国立国会図書館「リサーチ・ナビ」内「地形図の地図記号」  https://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/post-626.php 2020年7月23日
よくわかる地図記号 1 山岡光治/編著 汐文社 2012.12 448.9 978-4-8113-8938-7
地図記号のうつりかわり 日本地図センター/編集 日本地図センター 1994 454.9
地図情報ものしり百科 3 田代博/監修 学研 2008.2 448.9 978-4-05-202876-2
地図の「読み方」術 渡辺一夫/編 誠文堂新光社 2009.4 448.9 978-4-416-20916-5
キーワード
(Keywords)
地図
地図記号
荒地
植生
通過困難
戦前
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
言葉
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000286369解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決