レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014年09月20日
- 登録日時
- 2014/09/22 19:55
- 更新日時
- 2015/01/31 12:14
- 管理番号
- 26-N-04
- 質問
-
解決
明治に上田や青木で起こった「チャラ金騒動」(百姓一揆)について知りたい。海野町(上田市)で打ちこわしなどがあったはず
- 回答
-
チャラ金騒動は、明治2年8月起こった百姓(世直し)一揆。浦野組入奈良本村から(現長野県小県郡青木村)から蜂起。一揆勢は城下町に乱入し、上田藩に強訴。米屋・酒屋・菓子屋などの商店が打ちこわし・焼き討ちにあった。
資料⑦『上田小県誌』P748~に「被害総戸数891戸のうち、海野町・原町・塩尻組が最も大きな被害をうけ、これに次いで横町・田中組の被害が大きい」とある。
資料⑩の『青木村誌 歴史編』p454には「ニセ金の出現によってチャラ金と俗称された新二分金が通用しなくなったことへの反発が引き金になって起こったのでチャラ金騒動ともいう。」とある。そのほかの資料でも起因の一つとしてあがっている)。
また資料⑥の『上田市史 下』によると、石の上に投げても金の音がならならないほど粗悪品だったために、「チャラ金」と呼ばれたという記述がある。
騒動の詳しい内容は資料②~⑪で確認できるため、そちらをご案内した。
- 回答プロセス
-
1.資料①『長野県百科事典』・資料②『上田市の年表付索引』で「チャラ金騒動」を引いてみたが、見当たらなかった。
2.明治の農民一揆ということだったので、資料③『近世の農民生活と騒動』の目次を見たところ、P167に「明治二年の世直し騒動」という項目が見つかった。
3.自館の蔵書検索で「上田」・「騒動」のキーワードで検索したところ、資料④『信州上田騒動右物語』がヒットした。
明治2年(1869)の一揆について「上田騒動」(世直し騒動・チャラ金騒動・巳年騒動)という記述があり、「チャラ金騒動」以外の呼び方が分かった。
P3には「ここに紹介する「上田騒動右物語」は上田藩田中組栗林村(現東御市栗林)の竹内喜一郎右延(すけのぶ)の手になる騒動記で、騒動発生後の一揆勢の具体的な動きを知ることのできる大変貴重な資料である」と書かれている。
またこの資料の中に「上田騒動」について書かれている本が紹介されており、確認したところ記述があった。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 日本史 (210)
- 農業史.事情 (612)
- 参考資料
-
- 資料①『長野県百科事典』信濃毎日新聞社開発局出版部/編 信濃毎日新聞社 1981【N030】
- 資料②『上田市の年表 付 索引』上田市誌編さん委員会/編集 (上田市誌31/別巻3)2004【N221】
- 資料③『近世の農民生活と騒動』上田市誌編さん委員会/編 上田市 (上田市誌12/歴史編9) 2003【N221】
- 資料④『信州上田騒動右物語』竹内 喜一郎右延/著,堀内 泰/訳 ほおずき書籍 2008【N221】
- 資料⑤『小県郡史 余編』小県郡役所/編 明治文献 1976【N221】
- 資料⑥『上田市史 下』藤澤 直枝/著 上田市/編 信濃毎日新聞社 1940 【N221】
- 資料⑦『上田小県誌 第2巻』上田小県誌刊行会/編集 小県上田教育会 1960【N221】
- 資料⑧『上田藩農民騒動史』横山 十四男/著 平林堂書店 1981 【N221】
- 資料⑨『東部町誌 社会編』東部町誌編纂委員会/編 東部町誌刊行会 1988【N221】
- 資料⑩『青木村誌 歴史編』青木村誌編纂委員会/編 青木村誌刊行会 1960【N221】
- 資料⑪『義民・反骨・自立の青木村を歩こう』上田小県近現代史研究会/編 上田小県近現代史研究会 2009 【N221】
- キーワード
-
- 上田騒動
- チャラ金騒動
- 世直し騒動
- 農民一揆
- 義民
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000160132