レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年03月19日
- 登録日時
- 2019/11/14 11:12
- 更新日時
- 2019/11/15 16:29
- 管理番号
- 6000004782
- 質問
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解決
能で「阿古父尉(あこふじょう)」という面をつける演目を知りたい。
- 回答
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『日本国語大辞典 第1巻』によると、「阿古父尉」とは、”能面の一つ。「小牛尉」に次ぐ上品な老人を表す面。「遊行柳」「天鼓(てんこ)」などの前ジテに用いる”とある(p.250)。「シテ」とは、能楽・狂言の主人公の役のことで、中入りのあるものは前ジテと後ジテがあるとのこと(『日本国語大辞典 第6巻』p.873)。
『能・狂言図典』を確認したところ、「遊行柳」「天鼓」の概要が掲載されていた。
「遊行柳」は、「白河の関を越え行脚する遊行上人(ワキ)は、広い新道を選ぼうとするが、現れた老人(前シテ)に旧道へ導かれ、西行法師ゆかりの朽木の柳に到る。老人は今や枯死寸前のこの木の精。ー中入ー柳の精(後シテ)が現れ、上人の引導で成仏できる喜びを述べ、柳づくしの舞を舞う。夢醒めて残るのは、朽木ばかり。世阿弥の『西行桜』に倣った能。」(p.238)
「天鼓」は、「中国は後漢の時代、天鼓という少年が天から降ってきた鼓を持っていた。帝はその鼓を取り上げようとしたが渡さないので、少年を呂水に沈めて取り上げたが、打っても音が出ず、試しに少年の父王伯(前シテ)を召し出して打たせると妙音を発する。-中入ー 今は哀れに思う帝によって呂水の江で天鼓のための管弦講が催されると、天鼓の霊(後シテ)が現れて鼓を打ち鳴らし、追善感謝の舞(楽)を舞って幻となって消えて行く。前・後のシテが父から子に転換するという特異な夢幻能の一曲。」(p.216)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 『日本国語大辞典 第1巻 あ-いろこ』 日本国語大辞典第二版編集委員会/編 小学館 2000年
- 『日本国語大辞典 第6巻 さこう-しゆんひ』 日本国語大辞典第二版編集委員会/編 小学館 2001年
- 『能・狂言図典』小林保治/編 小学館 1999年
- キーワード
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- 阿古父尉
- 能面
- 遊行柳(ゆぎょうやなぎ)
- 天鼓(てんこ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000265214