レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年12月5日
- 登録日時
- 2022/02/11 11:30
- 更新日時
- 2022/08/03 18:18
- 管理番号
- 2022-01
- 質問
-
解決
箱根土地鉄道会社とその鉄道計画に関する以下の資料について知りたい。
①箱根土地会社による沓掛―千ヶ滝間の鉄道敷設について
②千ヶ滝通(七間道路)の工事について
③同社及び千ヶ滝遊園地会社等の千ヶ滝別荘地開発について(大正年間について)
④長倉―小瀬間を結ぶ営林署の森林鉄道(山林軌道)について
- 回答
-
以下の資料を提示した。
①「堤康次郎」由井常彦編著 エスピーエイチ p.96
「官報1921年12月10日」p250 国立国会デジタルコレクションより (最終確認 2022/07/25)
鉄道免許状下付の欄にて沓掛-千ヶ滝間の免許取得が確認できます。
②「避暑地 軽井沢」小林收著 櫟 p.89
「軽井沢町誌 民俗編」軽井沢町誌刊行委員会 p.182
「信濃毎日新聞」1963年7月31日 夕刊 2版
「Seibu Holdings History 10th anniversary book」西部ホールディングス広報部企画・編集 p.19 (最終確認 2022/07/25) Ⅱ. 西武グループ土地開発創始期(1893~1969)のpart2にて記述が確認できます。こちらの情報は西部ホールディングスHP内の「西武グループの歴史」の一番下に掲載されています。(最終確認 2022/07/25)
③「軽井沢町誌 歴史編(近・現代)」軽井沢町誌刊行委員会 p.241-245
「軽井沢町誌 民俗編」軽井沢町誌刊行委員会 p.181-183
「避暑地 軽井沢」小林收著 櫟 p.86-93
「堤康次郎」由井常彦編著 エスピーエイチ p.82-96
「軽井沢を育てた森林の源流をさぐる」 追分宿郷土館編 軽井沢町資料館・追分宿郷土館 p.25-26 p.46
「軽井沢物語」宮原安春著 講談社 p.221-230
「軽井沢百年の歩み 改訂版」島崎 清編著 長野県軽井沢町p.46-50
➃「軽井沢百年の歩み 改訂版」島崎 清編著 長野県軽井沢町p.62
県立長野図書館のレファレンス事例にて少し似たような質問がありました。
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000229965 (最終確認 2021/12/09)
「軽井沢町地形一覧図 6000分の1」中山隆爾製図 1935年頃 ※閲覧限定資料 地図内に森林鉄道と思われる軌道が記されています。
- 回答プロセス
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1.まずは町誌にあたる。『軽井沢町誌 歴史編(近現代)』『軽井沢町誌 民俗編』にて、③についての記載を確認した。民俗編では②についての記載も確認した。
2.当館の郷土の棚(232)(233)にて鉄道関連(分類番号686)あたりを見つつ、関係ありそうな本を見てみたが①、④について書かれた本は確認できなかった。
3.同じく郷土の棚にて、軽井沢の歴史について書かれた本を一通り確認したところ、『避暑地軽井沢』『軽井沢物語』『軽井沢百年の歩み 改訂版』『軽井沢を育てた森林の源流をさぐる』にて③についての記載を確認した。また、『避暑地軽井沢』には②の記載も確認できた。
4.信毎データベースにて、明治・大正・昭和の記事検索にて「堤康次郎」と検索したところ、7件ヒット。そのうち②について記載がある記事を1件確認した。「千ヶ滝」「箱根土地」では記事はヒットしなかった。
5.①についての情報が今までの調べでは無かったため、蔵書検索システムで「千ヶ滝」「沓掛」で検索し、ヒットしたものを確認してみたが、記載は確認できず。Googleにて「箱根土地会社」と検索すると「箱根土地」のwikiがヒット。
確認してみると、沿革のところに「1921年、 東長倉村沓掛(中軽井沢)~同村千ヶ瀧間(電気鉄道、2.0km/軌間1067mm)の免許取得」という情報を確認。脚注の、国立国会デジタルコレクション『官報 1921年12月10日』の「鉄道免許状下付」にて同じ記述を直接確認した。
6.今までの調べで、堤康次郎が千ヶ滝別荘地開発に乗り出したことがわかったため、蔵書検索システムで個人件名において「堤康次郎」と検索すると5件ヒット。そのうちの『堤康次郎』に①、③についての記載があった。
7.②についても得られた情報が少なかったため、Googleにて「七間道路 箱根土地会社」で検索したところ、西武ホールディングスの公式HP内にある『Seibu Holdings History』「Ⅱ. 西武グループ土地開発創始期(1893~1969) Part2 箱根土地の設立趣旨にある 時代を先駆ける大遊園地構想」がヒット。確認したところ②について記載があった。
8.当館の蔵書検索システムで「小瀬」「森林鉄道」をキーワードにして検索するが、営林署の森林鉄道に関する資料はなかった。レファレンス協同データベースでも、「小瀬」「森林鉄道」をキーワードにして検索すると、県立長野図書館のレファレンス事例がヒットした。
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000229965
その事例にある『軽井沢百年の歩み 改訂』を確認すると④についての記述が確認できた。
9.鉄道とのことで、なにか地図に記載されていないかと地図を見てみると、森林鉄道の軌道が載っていると思われる地図「軽井沢町地形一覧図 6000分の1」中山隆爾製図 1935年頃」を見つけた。
(2022/07/25 追記)
未登録地図を「軽井沢町地形一覧図 6000分の1」と変更しました。
- 事前調査事項
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県立歴史館所蔵「鉄道関係書類(大正9年起)北佐久郡役所」行政文書 大9/2B/19 は参照したとのこと。
- NDC
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- 中部地方 (215)
- 鉄道運輸 (686)
- 参考資料
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由井常彦 編 , 由井常彦 [ほか]著 , 由井, 常彦, 1931-. 堤康次郎. エスピーエイチ, 1996.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002560176-00 , ISBN 4845710692 -
小林收 著 , 小林, 収, 1931-. 避暑地軽井沢. 櫟, 1999.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002860030-00 , ISBN 4900408794 -
軽井沢町 (長野県). 軽井沢町誌 歴史編 近・現代. 軽井沢町誌刊行委員会, 1988.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001911746-00 -
軽井沢町 (長野県). 軽井沢町誌 民俗編. 軽井沢町誌刊行委員会, 1989.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001994174-00 -
宮原安春 著 , 宮原, 安春, 1942-2017. 軽井沢物語. 講談社, 1991.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002101714-00 , ISBN 4062044986 -
島崎清 編著 , 島崎, 清. 軽井沢百年の歩み. 島崎清, 1978.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001399103-00 -
軽井沢町資料館, 追分宿郷土館 編 , 軽井沢町資料館 (長野県) , 追分宿郷土館 (長野県). 軽井沢を育てた森林の源流をさぐる : 軽井沢植林史 軽井沢町資料館・追分宿郷土館特別展. 軽井沢町資料館, 1992.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002214528-00 -
大蔵省印刷局 [編]. 官報. 1921年12月10日. p. 250
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2954924/6 -
西部ホールディングス広報部企画・編集. Seibu Holdings History 10th anniversary book. p. 19
https://www.seibuholdings.co.jp/group/history/ - 信濃毎日新聞データベース (当館契約データベース)
- 中山隆爾 製図. 軽井沢町地形一覧図 6000分の1. 1935(昭和10)年頃. (当館請求記号 C 290.38 /ナ, 当館資料番号 1020090344)
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由井常彦 編 , 由井常彦 [ほか]著 , 由井, 常彦, 1931-. 堤康次郎. エスピーエイチ, 1996.
- キーワード
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- 千ヶ滝
- 箱根土地
- 堤康次郎
- 小瀬
- 長倉
- 沓掛
- 森林鉄道
- 千ヶ滝遊園地
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000312042