レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20191224
- 登録日時
- 2020/11/16 00:30
- 更新日時
- 2021/01/06 14:43
- 管理番号
- 中央-2020-13
- 質問
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解決
ユネスコ世界無形文化遺産に登録されたジョージアのクヴェヴリワインを造っている人はどれぐらいいるのか。
- 回答
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都立図書館蔵書検索、インターネットをキーワード<ジョージア><ワイン><wine><ღვინის><クヴェヴリ><qvevri><ქვევრის>、件名<ワイン><ぶどう酒>等をかけ合わせて検索。
ヒットした資料を確認し、参考文献等を調査したところ、生産者に関する記述が以下に見出せた。
ただし、ジョージア語の情報はGoogle翻訳(https://translate.google.com/?hl=ja)により内容を確認したため、実際の内容とは異なる可能性がある。
資料1は、クヴェヴリによるワイン造りの概要、代表的なクヴェヴリワインの生産者を紹介するほか、ジョージアの料理等についてまとめている。
p.29に「ヴィノ・アンダーグラウンド」の説明として、「主に『クヴェヴリ・ワイン協会』のメンバーのワインを提供するバー。現在は約40の生産者が加盟している」と記述あり。また、「クヴェヴリ・ワイン協会」とは、「ジョージアに8000年前から続くクヴェヴリを用いた伝統的醸造を守り、葡萄の有機栽培により環境を保護し次世代に引き継ぐことを目的とした団体」と紹介している。
p.112-115「コラム5 ヴィノ・アンダーグラウンド」に「2010年の『クヴェヴリ・ワイン協会』の設立メンバーは3人だったが、2016年現在は約40の生産者と団体が加盟している。今では加盟希望者は後を絶たない。」と記述あり。
また、p.113-115「クヴェヴリ・ワイン協会メンバーリスト」(2016年5月、地方別・ABC順)には、27の生産者の名が掲載されている。
資料2は、白ブドウを赤ワインの醸造方法で造るオレンジワインについてまとめている。クヴェヴリワインもオレンジワインの一種として紹介している。
p.206-285「著者が選ぶオレンジワイン生産者」のうち、p.230-238「ジョージア」には、24の生産者が掲載されている。
また、p.230に「紙面が許せば、紹介したいクヴェヴリでワインを造るジョージアの生産者は100を超える。」と記述あり。
情報1「კავკასიის საერთაშორისო უნივერსიტეტი ირაკლი ზაქაშვილი」(Google翻訳によると、ワイン輸出の可能性とその成長見通し。以下、ジョージア語の邦訳は同様。)
https://openscience.ge/handle/1/88
コーカサス国際大学の2018年修士論文。サマリーの英訳以外は全てジョージア語である。
p.43-61「თავი 4. ღვინის კომპანიების მარკეტოლოგთა გამოკითხვა ქართული ღვინის საექსპორტო პოტენციალის ზრდის შეფასების კუთხით」(第4章. グルジアのワイン輸出の可能性の増加を評価するためのワイン会社の市場調査)
ジョージアのワイン製造企業、計100社のマーケティング等担当者へのインタビュー調査結果を紹介している。
p.56「დიაგრამა 4.13. რესპოდენტთა დაჯგუფება ქვევრის ღვინის წარმოების მიხედვით」(図4.13. クヴェヴリワインによる回答者のグループ化)では、回答者の約3/4程度がクヴェヴリワインを生産していると回答しているが、大量生産は行っていないと記述あり。
p.57「დიაგრამა 4.15. რესპოდენტთა დაჯგუფება ექსპორტზე გატანილ ღვინოში ქვევრის ღვინის წილის მიხედვით」(図4.15. クヴェヴリワインのシェアによる輸出ワインの回答者のワインのグループ化)では、企業の輸出の大半はクヴェヴリワインで、海外でのみクヴェヴリワインを販売する会社もある、と記述あり。
クヴェヴリワインに限らず、ジョージアにおけるワイン生産に関して記述がある資料を参考までに紹介する。
資料3は、グルジア(現ジョージア)のワインや料理についてまとめた児童向けの資料である。
p.18-19「グルジアのワイン産業」に「グルジアでは労働人口の半分が農業をおこなっているといわれていますが、その大半が、ワインを生産しています。」と記述あり。
なお、巻末に「この本の情報は、2014年12月までに調べたものです。」とある。
情報2「REPORT 2018.pdf」(National Wine Agency of Georgia)
http://georgianwine.gov.ge/En/Reports
ジョージア農業省のワイン広報組織「National Wine Agency」が作成した報告書。英語、ジョージア語がある。
PDFの5ページ目「Rtveli (harvest) 2018」の項に「In 2018, 245 thousand tonnes of grape were processed by 292 companies throughout the country.」と記述があり、2018年にはワイン生産者が少なくとも292社あったと考えられる。
なお、REPORT 2019には、生産者数に関する記述は見出せなかった。
また、同ホームページのジョージア語版にはより多くの情報が掲載されている。例えば、以下のページでは、ワイン会社とワインセラーを検索できる。
http://georgianwine.gov.ge/Ge/WineCompaniesAndWineries
1000以上の団体が登録されているが、団体番号もしくはジョージア語による団体名での検索しかできないようである。<ღვინის მარანი>(ワインセラー)など、単語を翻訳して入力する必要がある。
情報3「Agricultural Census Of Georgia 2014」(National Statistics Office Of Georgia)
http://census.ge/en/results/agro-census/
2014年のジョージアの農業に関する統計を掲載。英語、ジョージア語がある。
p.42-43「1.5. Number of population in agricultural households by age」はジョージアの農家の人口数。
p.286-371「3.42. Land area under vineyards and number of vines」~「3.84. Number of Otskhanuri Sapere vines」は、ジョージアのブドウ畑の面積及びブドウの木の本数を示し、3.43以降は品種別に木の本数を示している。
情報4「Country profile」(The International Organisation of Vine and Wine)
http://www.oiv.int/en/statistiques/
The International Organisation of Vine and Wine (国際ブドウ・ワイン機構)の統計を英語で検索できる。
「Country」の欄に「Georgia」、「Year」の欄に調べたい年をプルダウンで選択すると、その年の統計を閲覧できる。ジョージアの収録データのうち最新は2016年である。
ワインの生産量(production)のほか、輸出量、輸入量、消費量のデータを掲載。
情報5「FAOSTAT」(Food and Agriculture Organization of the United Nation)
http://www.fao.org/faostat/en/#data
国連食糧農業機関の統計を英語で検索できる。
「Production」の「Crops processed」をクリックし、「Countries」で「Georgia」、「Items」で「wine」を選択し年代を選択して検索すると、ジョージアのワインの生産量のデータが表示される。
ジョージアの収録データのうち最新は2014年である。
また、全国新聞・雑誌記事を横断検索できるデータベース「ELNET ELDB」をキーワード<ジョージア><ワイン><クヴェヴリ>をかけ合わせて検索し、以下の記事などがヒットしたが生産者数の記述はない。
『朝日新聞』2015年7月5日朝刊6面 「ワールドけいざい=ジョージア 脱ロシア 新市場探る 8000年ワイン 世界に届け 日本人も経営に参加」
「クベブリ製法のワインは全体の数%にも満たず、年間数千本しか作らない小口のワイナリーも多い。」と記述あり。
『日本経済新聞』2015年2月8日朝刊p.30 「混乱越えて香るワイン、グルジア独立から20年余-つぼ醸造8000年、観光資源に(世界いまを刻む)」
「クヴェヴリで造るワインはまだ国内生産量の1%以下」と記述あり。
この他、論文や資料を調査できるデータベース等を検索したが、記載がある資料は見出せなかった。
・「J-STAGE」(科学技術振興機構) https://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja
・「CiNii Articles」(国立情報学研究所) https://ci.nii.ac.jp
・「NDLONLINE 国立国会図書館オンライン」(国立国会図書館)https://ndlonline.ndl.go.jp
・「ジョージア(グルジア)| アジア諸国の情報をさがす」(国立国会図書館)https://rnavi.ndl.go.jp/asia/entry/link-geo.php
なお、以上のデータベースおよびホームページの最終検索日および最終アクセス日は、2020年7月31日。
参考文献のうち、資料3は都立多摩図書館資料である。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 食品工業 (588 9版)
- 衣食住の習俗 (383 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】ジョージアのクヴェヴリワインと食文化 母なる大地が育てる世界最古のワイン伝統製法 / 島村菜津,合田泰子,北嶋裕/著 塚原正章/監修 / 誠文堂新光社 / 2017.4 <588.5/5711/2017>
- 【資料2】オレンジワイン復活の軌跡を追え! / サイモン・J.ウルフ/著 / 美術出版社 / 2020.3 <588.5/5845/2020>
- 【資料3】世界遺産になった食文化 5 世界のワインのルーツはグルジア!グルジア料理 / 服部津貴子/監修 こどもくらぶ編 / WAVE出版 / 2015.3 <383/5107/5>
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000289533