レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20030809
- 登録日時
- 2020/11/16 00:30
- 更新日時
- 2021/01/06 14:37
- 管理番号
- 中央-2020-22
- 質問
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解決
特別文庫室で所蔵している『江戸城写真集』(特別文庫室請求記号:東617-10)のモノクロ写真の内容を知りたい。
- 回答
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当館所蔵の『江戸城写真集』(特別文庫室請求記号:東617-10)の写真は、大半が明治初期に撮影されたものと見られる。
ただし、あまり鮮明ではないため、写真の複製と思われる。
調査過程は以下のとおり。
都立図書館蔵書検索で、<江戸城><写真>をキーワードに調査したところ、資料1に明治時代に撮影された江戸城の写真が収録された以下の2点の写真帳が掲載されていた。
資料1
p.7-28「観古図説 城郭之部一」
p.29-52「旧江戸城写真帖」
「まえがき」(p.55-56)にこれらの底本について記述がある。
『観古図説 城郭之部一』は、1871(明治4)年に、蜷川式胤(にながわのりたね)が撮影をはじめるとともに、横山松三郎に命じて撮影を行い、撮影した数百枚とも伝えられる多数の写真中から、1878(明治11)年に73枚を選び出版したものが原本であると記載されている。
『旧江戸城写真帖』は、『観古図説 城郭之部一』の73枚の写真の中から64枚を選び、油絵師高橋由一に命じて彩色を施した写真を、写真帳に貼付した東京国立博物館所蔵の『旧江戸城写真帖』(明治5年)が底本と記載されている。
当館所蔵の『江戸城写真集』は写真40枚であり、江戸城模型が2枚、江戸城写真が38枚という構成である。
資料1掲載の写真と比較した結果、当館のものは撮影者や撮影年代は不明であるが、「観古図説 城郭之部一」及び「旧江戸城写真帖」と26枚が一致した。
また、同一ではないが、被写体やアングルがほぼ同じものが2枚あった。
『江戸城写真集』は、当館ウェブサイト「TOKYOアーカイブ」(https://archive.library.metro.tokyo.lg.jp/da/top 最終アクセス日:2020年8月8日)で公開している。
なお、資料2には『鹿鳴館秘蔵写真帖』に収録された写真の一部が掲載されており、蜷川式胤、横山松三郎の関わった江戸城の写真も含まれている。
p.13-72「第一章 江戸城」
60枚の江戸城の写真が掲載されている。
資料3には、『旧江戸城写真帖』や『鹿鳴館秘蔵写真帖』等の写真から、撮影場所の地図とともに61枚の写真が掲載されている。
p.13-96「古写真で見る江戸城」
資料4には、『旧江戸城写真帖』についての論文が掲載されている。
p.5-101「江戸・東京、江戸城・皇城-「旧江戸城写真帖」の基礎的研究-」冨坂賢著
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本の建築 (521 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】観古図説 城郭之部 / [蜷川 式胤/著] / 中央公論美術出版 / 1990.10 / 新訂<D/5215/3017/90>
- 【資料2】鹿鳴館秘蔵写真帖 江戸城・寛永寺・増上寺・灯台・西国巡幸 / 霞会館資料展示委員会/編 / 平凡社 / 1997.7<D/2160/3149/97>
- 【資料3】現状比較地図と写真で見る幕末明治の江戸城 / 平井 聖/執筆 / 学研 / 2003.6<D/521.8/5259/2003>
- 【資料4】雑誌:東京国立博物館紀要 48号 (2013年度) / 東京国立博物館 / 2013.3
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000289554