レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年07月29日
- 登録日時
- 2021/01/18 12:41
- 更新日時
- 2021/03/18 09:48
- 管理番号
- 横浜市中央2615
- 質問
-
解決
東京オリンピックのあった昭和39(1964)年頃の東京における以下の物価を調べたい。
(1) 牛肉 (2)じゃがいも (3)豆腐 (4)学生服 (5)映画鑑賞
- 回答
-
昭和39(1964)年の東京の物価を知るためには、次のような資料があります。
なお、資料ごとに調査の方法が異なるため、数値には若干の差異があります。
1 『東京小売物価指数 大正11年-昭和42年』 日本銀行統計局 1968
日本銀行統計局が実施していた小売物価の調査を1冊にまとめたものです。
書名に「指数」とありますが、指数だけでなく価格の実数値も掲載されています。
昭和39年の数値は、p.166からp.217の「昭和35年基準指数」の章に収録されていま
す。
(1)牛肉
p.175 「100g 80.00円」
(2)じゃがいも
p.169 「500g 15.12円」(項目名は「馬鈴しょ」表記)
(3)豆腐
p.179 「1丁(300g程度) 22.08円」
(4)学生服
p.189 「純毛・サージ・8才用1着 3,935.00円」
(5)映画鑑賞
サービスの対価であるためか、この資料には記載がありませんでした。
2 『全国消費実態調査報告 昭和39年 第5巻 品目編』
総理府統計局/編 総理府統計局 1966.3
総理府統計局(現在の総務省統計局)による全国の消費実態調査の結果をまとめたものです。
p.674からp.785にかけて「世帯人員・都道府県、品目別1世帯当たり1か月間の購入数量、
支出金額および平均価格(全世帯)」という表があり、品目ごとに全国および都道府県別の平均価格や、
1世帯あたりの支出金額を見ることができます。
東京都の平均価格は以下の通りです。
(1)牛肉
p.696 「100g 73.19円」
(2)じゃがいも
p.704 「100g 3.15円」(項目名は「馬れいしょ」)
(3)豆腐 p.711 「1丁 24.02円」
(4)学生服
p.752 通学服(高校以上)「1着 4,450円」、通学服(中学以下)「1着 3,252円」
(5)映画鑑賞
p.780の表には「映画観覧料」の項目がありますが、観覧1回あたりの単価は記載されていません。
3 『小売物価統計調査年報 昭和39年』 総理府統計局/編 日本統計協会 1966
総理府統計局による全国の小売物価調査の結果をまとめたものです。
p.46からp.370にかけて「調査品目の月別価格および年平均価格-65都市」という表が
あり、 品目ごとに全国の主要都市の月別価格や年平均価格を見ることができます。
東京都の平均価格は以下の通りです。
(1)牛肉
p.80~81 ロース「100g 135.00円」、中「100g 80.40円」
(2)じゃがいも
p.100 「男爵いも 1kg 32.30円」(項目名は「馬れいしょ」表記)
(3)豆腐
p.122 「100g 7.40円」(「絹ごしを除く」との注意書きあり)
(4)学生服
p.253 大学生「1着 8,090円」、中学生「1着 4,030円」
(5)映画鑑賞
p.360 大人観覧料「1回 221円」
4 『小売物価統計調査20年報 昭和36~昭和55年 全国66都市』
総理府統計局/編 総理府統計局 1983.3
上記資料3と同じ「小売物価統計調査」のうち品目別の年平均価格の部分だけを
20年分まとめたものです。
掲載があったものについては、数字は上記資料3と同じものでした。
(1)牛肉
p.88 ロース、p.90 中
(2)じゃがいも
p.128 (項目名は「ばれいしょ」表記)
(3)豆腐
p.166 (「絹ごしを除く」との注意書きあり)
(4)学生服
p.480 「男子学生服(中学生用)」 大学生用は掲載されていない。
(5)映画鑑賞
p.692 「大人観覧料」
5 『物価の文化史事典 明治・大正・昭和・平成』 甲賀忠一/編 展望社 2008.7
明治から平成にかけての物価の変遷を、さまざまな統計からの引用などによってまとめた資料です。
資料から読み取れる昭和39年の東京の価格は以下の通りです。
(1)牛肉
p.64 「肩肉(国内産)100g 81円30銭」
(2)じゃがいも
p.51 「1貫(3.75kg) 36円20銭」
(3)豆腐
p.45 「並100g 8円6銭」
(4)学生服
p.166の表に「中学生用上下1着分」の価格が掲載されています。
昭和39年の項目はありませんが、昭和38年が「3,880円」、昭和40年が「4,260円」
となっています。
(5)映画鑑賞
p.343に「映画観覧料の変遷」の表があります。
東京の価格は載っていませんが、「全国平均の入場料」と「代表封切館の大人料金」が
掲載されており、昭和39年はそれぞれ「178円」、「350円」となっています。
6 『値段史年表 明治・大正・昭和』 週刊朝日/編 朝日新聞社 1988.6
昭和54年から58年まで雑誌「週刊朝日」に連載された記事の、値段変遷表だけをまと
め直した資料です。
(1)牛肉
p.45 「精肉(中)100g 80円」
(2)じゃがいも
記載なし。
(3)豆腐
p.145 「1丁(300g程度) 25円」
(4)学生服
p.28 「中・高校生用の詰め襟学生服 4,200円」
(5)映画鑑賞
p.13 「日本映画封切館普通入場料」
昭和39年の項目なし。昭和38年は350円、昭和41年は500円。
7 『昭和30年代の家計簿 別冊宝島』 武田晴人/監修 宝島社 2016.9
1964年の東京オリンピック当時の社会や経済について特集した一般向け書籍です。
上で紹介した資料5、資料6を引用している箇所が多いです。
(1)牛肉
p.42 「100g 80円」
(2)じゃがいも
記載なし。
(3)豆腐
記載なし。
(4)学生服
p.64 「中・高生用の学生服 4,200円」
(5)映画鑑賞
p.50~51の本文中で言及。 「洋画『アルプスの少女』スカラ座150円~350円、洋画
『十戒』ミラノ座150円~400円、邦画『水戸黄門漫遊記』『社長太平記』『細雪』が170
円。2番館ならば同額で2~3本立てが観られた。」
【参考】類似の質問が「レファレンス協同データベース」に掲載されています。
「東京オリンピックが行われた頃、すき焼きは高級品だったと聞いたことがあります。
昭和39(1964)年の東京での牛肉の価格が分かる資料はありますか。また、当時の人
がどれくらい牛肉を買っていたのか分かる資料はありますか。当時の収入などと比較
して調べたいです。」
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000223488
この質問では、今回紹介した資料2を使用して回答を提示しています。
(インターネット情報最終確認:令和2年12月16日)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 貨幣.通貨 (337 8版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000292601