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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

提供館
(Library)
県立長野図書館 (2110021)管理番号
(Control number)
県立長野-19-050
事例作成日
(Creation date)
2019年10月8日登録日時
(Registration date)
2019年11月01日 10時12分更新日時
(Last update)
2019年12月11日 16時38分
質問
(Question)
近世以前信濃国における流刑地は、現在のどこになるのか。流された人物も知りたい。
回答
(Answer)
 長野県内の配流地については、一覧的に調べることができる資料を確認できなかった。流刑、流人に関係する資料から長野県分を探すことと、『信濃史料』や『長野県史』といった一般的な資料の索引から「配流」「流人」というキーワードで検索したため、悉皆的な調査ではない。

 『長野県の地名』p.293に、延喜式で中流国に信濃国とあげられる以前のこととして、

   「続日本紀」によれば、養老五年(七二一)六月に諏方国が信濃国から分かれて独立、天平三年(七三一)に再び信濃国に併合された。この間、諏方国は美濃の按察使の管理下におかれ、神亀元年(七二四)三月には中流国に定められた。

とある。この諏方国は、現在の諏訪市を含む諏訪郡周辺と思われる。
 また、『続日本紀』p.148-149の巻第九 聖武天皇 神亀元年三月では

  庚申、諸々の流配の遠近の程を定む。伊豆・安房・常陸・佐渡・隠岐・土佐の六国を遠とし、諏方・伊豫を中とし、越前・安藝を近とす。

となっている。

『日本流人島史 その多様性と刑罰の時代的特徴』p.94-100 に「福島正則」と「絵島」があげられている。
  ・福島正則(外様大名)
    上高井郡小布施町 
    配流期間:元和元年(1615年)-寛永元年(1624年) 64歳没
  ・絵島(大奥 大年寄)
    伊那市高遠
    配流期間:正徳4年(1714)‐寛保元年(1741年) 61歳没

『信濃史料 3巻』p.23-25,28 p.537 に「源資賢」「琳學」が確認できた。
  ・源資賢
    信濃
    配流期間:応保2年(1162年)6月-長寛2年(1164年) 召喚
     (出典:「公卿補任」応保2年,長寛3年, 「清獬眼抄」 凶事 一流人事, 「百錬抄」7, 「帝王編年記」21, 「平家物語」6嗄聲)
  ・僧 琳學(延暦寺宗徒)
    信濃 
    配流期間:建保2年5月
     (出典:皇帝紀抄 8 順徳院 5月22日)

 また、『国史大辞典』では、「伊賀光宗」「松平忠輝」が、確認できた。
  ・伊賀光宗(鎌倉前期の武将)
    信濃
    配流期間:元仁元年(1224年)-嘉禄元年(1225)  許されて帰参
  ・松平忠輝(徳川家康の六男 松代城主)
    諏訪郡高島藩 預かり
    配流期間:寛永3年(1626年)4月-天和3年(1683年)92歳没

 ウィキペディアで流罪【最終確認2019.11.1】をみると、信濃に配流された人物として挙げられていた8人のうち上記以外で『国史大辞典』で確認できた近世以前の人物は、次の2名。
  ・僧 日樹(日蓮宗)
    伊那郡飯田藩脇坂氏 預かり
    配流期間:寛永7年(1630年)-寛永8年(1631年)
  ・吉良義周(吉良家義央の養嗣子)  
    諏訪郡高島藩 預かり
    配流期間:元禄16年(1703年)-宝永3年(1706年)22歳没

※ 『長野県歴史人物大事典』『国史大辞典』で確認できた人物については、出自、配流期間等を補記。「信濃」となっているものは、それ以上の記述はなく地域は不明。

なお、『信濃史料 6巻』信濃史料刊行会編・刊 1969【N208/28a/6】p.54-55(南朝正平4年8月 北朝貞和5年8月)には、

    畠山大蔵少輔某(畠山直宗) 上杉弾正少弼(すけ)(上杉朝定)を配流すべし
  (出典:「園太暦」13 8月15日)

とあるが、実際に配流したという文書は確認できなかった。   
 『同書』p.55-56(南朝正平4年8月 北朝貞和5年8月)にも、

    僧 實尊(毘沙門堂僧正)配流を議す
     (出典:「園太暦」13 8月15日)

とあるが、信濃には配流されていない。
回答プロセス
(Answering process)
1 NDC分類322.1(日本の法制史)や326(刑法)の書架で「流罪」に言及している資料を探す。『日本流人島史 その多様性と刑罰の時代的特徴』に福島正則と絵島が紹介されていた。

2 一覧で調べることができる資料がないか、『国史大辞典』で調べたが配流先の詳細は分からなかった。ただ、信濃国が「中流」先とした法律が「延喜式」とわかった。また、延喜式より前は神亀元年(724年)の式には諏方国となっていた。『長野県の地名』で諏方(すわ)国を確認する。さらに、この記述の出典とされる『続日本紀』について当該箇所を確認した。

3 流刑、流人に関係する資料から長野県分を探すことと、『信濃史料』や『長野県史』といった一般的な資料の索引から「配流」「流人」というキーワードで検索する。『信濃史料』の索引では「流人宣下」があった。掲載個所を確認していく。

4 当館契約データベースJapan Knowleadge【最終確認2019.11.1】で『国史大辞典』を中心に「信濃」と「配流」で検索をする。

5 ウィキペディアで流罪【最終確認2019.11.1】をみると、信濃に配流されたとして挙げられていた人物を『国史大辞典』『長野県歴史人物大事典』で確認する。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
法制史  (322 8版)
刑法.刑事法  (326 8版)
中部地方  (215 8版)
参考資料
(Reference materials)
平凡社 [編] , 平凡社 , 平凡社地方資料センター. 長野県の地名. 平凡社, 1979. (日本歴史地名大系 / 平凡社 [編], 20)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I011315678-00 , ISBN 4582490204 (【N290.3/54】p.293)
佐竹昭広 [ほか]編 , 藤原, 継縄, 727-806 , 青木, 和夫, 1926-2009. 新日本古典文学大系 13. 岩波書店, 1990.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002075435-00 , ISBN 4002400131 (【918/シケ/13】p.148-149)
重松一義 著 , 重松, 一義, 1931-. 日本流人島史 : その多様性と刑罰の時代的特性. 不二出版, 2011.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I023159700-00 , ISBN 9784835070780 (【322.1/シカ】p.94-100)
信濃史料刊行会 編. 信濃史料 第3巻 (自久寿2年8月至嘉禄2年11月). 信濃史料刊行会, 1953.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000851894-00  (【N208/28a/3】)
神津 良子/編 , 神津 良子 , 神津 良子. 長野県歴史人物大事典. 郷土出版社.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I059269886-00 , ISBN 4876631263 (【N283/13】)
キーワード
(Keywords)
流人
中流
配流
流刑
諏方国
延喜式
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
郷土 人物
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000263283解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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