レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年01月25日
- 登録日時
- 2020/06/28 19:10
- 更新日時
- 2020/12/04 10:35
- 管理番号
- 中野1379
- 質問
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解決
ユゴーの『レ・ミゼラブル』でコゼットが木靴の中に見つけた金貨は具体的にはどの金貨なのか知りたい。
該当の場面には「彼女はそこに金貨を見いだした。それはナポレオン金貨ではなく、王政復古のごく新しい二十フラン金貨であって、表には月桂冠の代わりに、プロシア式の小さな弁髪が刻んであった。」と書いてある。
- 回答
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1.金貨について
【資料1】で本文を確認したところ、「ルイ金貨」であること、該当場面は1823年であるとの追加情報が得られました。また【資料2】によると、復古王政時代は1814年~1830年のことを指し、ルイ18世(在位1814-1824)とシャルル10世(在位1824-1830)が統治しています。
以上から、登場する金貨は「1814年から1823年に作られたルイ18世の20フラン金貨」であることがわかりました。
【資料1】『レ・ミゼラブル(二)』ユーゴ/作・豊島与志雄/訳,岩波書店,1987年(953/ユゴ)
p.45 1823年のことであることがわかります。
p.103 コゼットの木靴に金貨を入れるシーンで「ルイ金貨」と記載されています。
p.114 該当の場面。
【資料2】『日本大百科全書 3』小学館,1985(R031/ニ/3)
p.821「王政復古〔フランス〕」 1814年ルイ18世が即位し王政復古がなり、以後、ナポレオンの「百日天下」(1815)の中断を挟み、次のシャルル10世までがフランスの復興王朝の時代である、とあります。
2.金貨の写真が載っている資料について
ルイ18世の20フラン金貨を【資料3】【資料4】などで調査しましたが、金貨の写真が載っている図書資料は見つけることはできませんでした。
インターネットで検索したところ、【資料5】【資料6】のサイトで画像や資料を確認することができました。
【資料3】『世界コイン図鑑』平石国雄・二橋瑛夫/編・共著,日本専門図書出版,2002年(R337.2/ヒ)
p.48 ルイ18世の5フラン銀貨が載っていますが、金貨は載っていません。
【資料4】『世界コイン百科』エーヴァルト・ユンゲ/著・泰星スタンプコイン/監修,プランニングハウス,1993年(R337.2/ユ)
p.241 「LOUIS D’OR(ルイ金貨)」の項目がありますが、18世のことには触れられていません。
【資料5】「Gallica (Bibliothèque nationale de France)」(http://gallica.bnf.fr/)
フランス国立図書館及び提携図書館が提供するデジタルデータを閲覧することができます。
例えば、キーワードに<20 FRANCS DE LOUIS XVIII>と入力し検索すると、以下が見つかります。
3番目『Monnaie.20 france,Paris,Louis XVIII』
1815年の20フランコイン。
6番目『Numismatique : Très bel ensemble de monnaies anciennes et modernes, françaises et étrangères, en or et en argent』
貨幣学のテキスト。復古王政時代のルイ金貨はp.9に掲載されています。
【資料6】「Monnaie de Paris(フランス造幣局)」(https://www.monnaiedeparis.fr/en)
>MUSEUM&EXHIBITIONS>HERITAGE COLLECTIONSにて、同局の所蔵するコレクションを一覧することができます。
左側で時代や材質や国で絞っていただくと、1824年に作られたルイ18世の20フラン金貨の画像が公開されています。
(https://www.monnaiedeparis.fr/en/collections-patrimoniales/20-francs-de-louis-xviii)
[URL最終確認日:2020年1月30日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 貨幣.通貨 (337)
- 参考資料
- キーワード
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- 金貨
- レ・ミゼラブル
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000283703