レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2016/08/14 13:54
- 更新日時
- 2016/11/11 19:37
- 管理番号
- 広瀬2016-事2
- 質問
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解決
昔、アンデルセンの「ナマリの兵隊」という本を読んだ。
もう一度読みたいと思って探したら、「スズの兵隊」というタイトルになっていた。記憶違いだったのだろうか?
- 回答
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この作品の原題は「Den Standhafting Tinsoldat」(デンマーク語)で、日本では1903年(明治36年)に藤井紫影が帝国文学という雑誌で、「鉛の兵隊」というタイトルで初訳した。「Tin」という単語はデンマーク語や英語では「スズ」という意味であり、大正期以降は「錫の兵隊」と訳されることが多くなっていった。
1954年(昭和29年)に岩波書店から出版された『岩波の子どもの本』シリーズでも「ナマリの兵隊」で出されたが、1996年に「スズの兵隊」に改訳。
他にも小学館から「しっかりもののすずのへいたい」、冨山房からは「一本足のヘイタイ」というタイトルで出版された。
- 回答プロセス
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「ヘイタイ アンデルセン」で蔵書検索し、スズとナマリ両方のタイトルがあることがわかった。「ナマリ」と訳されている本は、仙台市図書館の所蔵では1976年岩波書店から出版されたものだけで、他の本は「スズ」となっている。何冊かの本を読み比べ、訳の違いは多少あるが同じ内容のものであることを確認した。
また、児童文学の翻訳に関する本で、アンデルセンの作品がどのように翻訳されてきたかを調べた。
- 事前調査事項
- NDC
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- 叢書.全集.選集 (908)
- その他のゲルマン文学 (949)
- 参考資料
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- 『スズの兵隊』 アンデルセン/作 岩波書店 1996年
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『図説児童文学翻訳大事典 第2巻』
児童文学翻訳大事典編集委員会/編 大空社 2007年 - 『児童文学翻訳作品総覧 5 北欧・南欧編』 川戸道昭/編 大空社 2005年
- 『ナマリの兵隊』 アンデルセン/著 岩波書店 1976年
- 『ハンス・クリスチャン・アンデルセン』 鈴木徹郎/著 東京書籍 1979年
- 『デンマーク語辞典』 古城健志/編著 大学書林 1993年
- キーワード
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- アンデルセン
- 童話
- スズの兵隊
- ナマリの兵隊
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査 所蔵調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000195840