レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年04月03日
- 登録日時
- 2020/04/05 10:54
- 更新日時
- 2020/09/16 12:46
- 管理番号
- 名古屋市鶴-2020-003
- 質問
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解決
住所に「字」がある場合、省略しても大丈夫なのでしょうか?何かの時代の名残なのは察したのですが、「字」の有無について、どちらが今らしいのでしょうか?
- 回答
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「字」の歴史的経緯について以下の本に記述があります。
『明治期作成の地籍図』(古今書院,1986)p.125~129
「字」は明治期に地租改正の調査のために従来の字名、地名を参考に設定され、地方行政事務の基礎単位とされました。その後、市町村合併や土地区画整理事業などの影響で「字」の多くが失われたようです。
では「字」が現存する地域の場合、郵便物が目的地に届くのでしょうか?
郵便局HPでは、「字」の省略について以下のように案内しています。
(https://www.post.japanpost.jp/question/35.html)(2020年4月3日確認)
町域名に先だって「大字」「字」の文字が冠されている場合。⇒「大字」「字」の文字までの記載を省略することができます。
「大字」が冠された町域名の後に「字」の文字が続く場合⇒「字」の文字は省略することができません。
場合によっては「字」を省略しても郵便物の配送に影響はなさそうです。
なぜ前に大字が付くと省略することができないかについては、『地名の社会学』(角川学芸出版,2008)p.113~114に説明が書かれていました。
宅急便、宅配便については、クロネコヤマト、佐川急便、及び日本通運のHPで案内が確認できませんでした。
- 回答プロセス
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このほかマナーの本も調査しました。
ブログなどネット情報では、住所は省略せずに書くのがこういった場合にはマナーだという記述もありましたが、当館所蔵かつ在庫の本ではここ10年以内の出版の本で同様の記述を確認できませんでしたので、回答からは省きました。
また、離婚の本では、役所提出書類について「省略しないで」と書いてあるものもありましたが、理由まで書いてある本が見つからなかったため、回答から省いています。
- 事前調査事項
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Googleマップ(「字」の文字が省略)、Yahooマップ(「字」が明記)
- NDC
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- 日本 (291 9版)
- 参考資料
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佐藤甚次郎著 , 佐藤, 甚次郎. 明治期作成の地籍図. 古今書院, 1986.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I004377036-00 , ISBN 4772212116 -
今尾恵介 著 , 今尾, 恵介, 1959-. 地名の社会学. 角川学芸出版, 2008. (角川選書 ; 424)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009324860-00 , ISBN 9784047034242
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佐藤甚次郎著 , 佐藤, 甚次郎. 明治期作成の地籍図. 古今書院, 1986.
- キーワード
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- 住所
- 郵便
- 照会先
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- 郵便局
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000280228