レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年11月7日
- 登録日時
- 2018/08/31 10:37
- 更新日時
- 2018/08/31 11:16
- 管理番号
- いわき総合-地域568
- 質問
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解決
いわき市には、「作(さく)」の付く地名が多く見られるが、その地名の由来がわかる資料はあるか。
- 回答
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参考資料①~⑥によると、「さく」とは、狭く窪んだ谷間のような地形のことをいい、このような地形が地名の由来となっている。このような例は全国各地に見られ、「作」の他に「佐久」「咲」「迫」等の漢字が当てられている。
また、参考資料⑤・⑥には、一部に「耕作地」であったことが由来とされている例も見られた。
- 回答プロセス
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1.当館所蔵の地名辞典の調査。
『角川 日本地名大辞典 7 福島県』(「角川日本地名大辞典」編纂委員会 角川書店 1981)、『福島県の地名 日本歴史地名体系7』(平凡社 1993)、『地名の語源』(鏡味完二 角川書店 1979)に記述は確認できなかった。
資料①『地名語源辞典』(山中襄太 校倉書房 1968)
→p164~「さく(佐久、作)」の項に記述あり。文中にいわき市域のことが例として挙げられている。
2.当館作成のいわき資料パスファインダーNo.4「いわきの地名由来に関する資料の探し方」を参考にした地域資料の調査。
資料②『ふくしまの地名を拾う』(笹川壽夫 歴史春秋出版 2006)
→p104~「浜通りには作・迫の名」に記述あり。「~作」という地名のいわき市内の地区別の分布が示されており、市内全体では、234ヶ所と報告されている。
資料③『地名の変化にみる、いわきの近代化』(いわき市立いわき総合図書館 いわき未来づくりセンター 2008)
→p233~に記述あり。「作からの方角を指す地名も多い」として、「北作(きたさく)」「西作(にしさく)」等の例が示されている。
資料④『ふるさといわき抄』(高木稲水 いわき春秋社 1978)
→p134~に記述あり。「作は迫(さこ)狭い谷間という意味の当て字である」としている。
以下の資料には、小字ひとつひとつに対して、由来が示されている。地形が由来とされているものと、「耕作地」であったことが由来とされているものの2通りが見られる。
資料⑤『いわき地方地名の研究』(岡田実 いわき市中学校教育研究会社会科研究部 1968)
→巻末p1~「勿来(なこそ)地区地名集覧」
資料⑥『神谷村誌』(志賀伝吉 はましん印刷 1972)
→p44~「神谷(かべや)村の地名と旧部落の変遷」
3.当館OPACでの調査。フリーワード「地名」で郷土資料に絞って検索。
『いわき市史』(いわき市史編さん委員会)、『いわき地方史研究』(いわき地方史研究会)、『磐城史談』(磐城史談会)、『福島県地名百科』(吉田伊勢吉 2001)に記述は確認できなかった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (291 9版)
- 参考資料
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- 【資料①】『地名語源辞典』[R/290.3/ヤ・1110011689] ([ ]内は、当館の請求記号と資料番号です。)
- 【資料②】『ふくしまの地名を拾う』[K/291/サ・1111938666]
- 【資料③】『地名の変化にみる、いわきの近代化』[K/291/チ・1111966469]
- 【資料④】『ふるさといわき抄』[K/291/タ・1110092994]
- 【資料⑤】『いわき地方地名の研究』[K/291/オ・1111961627]
- 【資料⑥】『神谷村誌』[K/210.1-1/シ・1110038963]
- キーワード
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- 地名由来
- 作
- いわき市
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土 地名
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000241666