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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

提供館
(Library)
県立長野図書館 (2110021)管理番号
(Control number)
県立長野-20-077
事例作成日
(Creation date)
2020年8月11日登録日時
(Registration date)
2020年12月25日 13時32分更新日時
(Last update)
2021年02月25日 10時43分
質問
(Question)
森泉姓は長野県の佐久地域に多いようだが、森泉氏の来歴や家紋を知りたい。
回答
(Answer)
 当館では所蔵しいないが、『森泉家史』 森泉英雄著・刊 1988 を、長野県立歴史館図書室と佐久市立浅科図書館が所蔵している旨を伝える。
 また、長野県立歴史館から目次の提供を受けたので紹介した。
 
  久能へ下った遠祖 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
  地侍から足軽大将への道 ・・・・・・・・・・・・・・・・8
  久能城と周辺の古跡 ・・・・・・・・・・・・・・・・・11
  森泉備前の守 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
  森泉氏の平尾村へ帰農土着 ・・・・・・・・・・・・16
  真言宗から禅宗へ宗旨替え  ・・・・・・・・・・・・・19
  平尾用水堰の開発 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
  森泉家先祖書と平尾用水 ・・・・・・・・・・・・・・・22
  延宝三年森泉伝兵衛検地縄請分 ・・・・・・・・・26
  内藤氏支配下の森泉家・・・・ ・・・・・・・・・・・・・29
    与兵衛 一代 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29
    与兵衛 二代 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30
    与兵衛 三代 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・44
    与兵衛 四代 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・57
  伝兵衛屋敷 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・60
  森泉家中興の祖森泉宰二郎 ・・・・・・・・・・・・・・63
  森泉家系譜 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・66

 図書館間貸出等、佐久市立浅科図書館への利用案内を伝える。
 また、長野県立歴史館所蔵の「佐久郡上平尾村森泉家文書」についての解説を次に転記する。

 本目録に収録した文書は、2016(平成28)年度に佐久市森泉次夫氏より寄贈を受けた史料群3916点である。上平尾村の支配関係ははじめ小諸藩領だったが、松平忠長領、小諸藩領、甲府領、天領を経て1701(元禄14)年から岩村田藩領となっている。元禄郷帳では614石の村高である。1889(明治22)年に合併し平根村の一部となった。
 森泉氏は上野国箕輪郷の長野氏の家臣であったが、戦国時代には信濃国佐久郡の大井氏の家臣平尾氏に属した地侍とする家伝を有している。平尾平三は依田信蕃の家臣となり武田氏に属した。「依田記」によれば平尾氏は武田家滅亡後徳川氏に属したというので森泉氏もこれに従ったと思われる。
 平尾平三(守芳)は平尾郷(近世の上平尾・下平尾村)に天正年間に平尾用水を引いたことで知られる。森泉氏は佐久市久能字宮平の古城がその居城とされる。近世になって帰農し上平尾村の名主となった。森泉氏の先祖書では1652(承応元)年に、名主森泉次郎右衛門が平尾用水の堰では満足な水が得られないとして小諸藩安原代官箕輪六郎右衛門に湯川からの隧道開削を願い出て、用水の改修が認可されている
 森泉家文書は『佐久市志』刊行のために整理され、現在まで良好な状態で保存されてきている。整理は助郷・免状・用水普請・村政・土地売買・交通・支配貢租・林野・産業・社会階層・社寺信仰・維新関係・救恤・土木・無尽・金銭貸借・財政・家事・貯穀積穀・文化社寺雑・経済・裁許・証文・教育・川除図・山畑図・用水図・地籍図・布達・軍事・・税関係・書簡・絵図・割付・家史に分類されており本目録もそれを活かしている。また『佐久市志』で使用した史料は別置されまとめられていたため、目録では市志と分類されている。近世文書の最大の特徴は平尾用水関係の普請書付・出入訴状など、平尾用水の用水管理や訴訟に関する史料はよくまとまって残されている。佐久・小県地域は新田開発の・用水掘削が盛んである。当該地域の歴史を語る上では、今後指標となる重要な文書群であるといえる。中世の土豪の伝承を有した点、新田開発や用水掘削、上野国移住伝承など佐久郡市川五郎兵衛との類似点も指摘できるだろう。           
 上平尾村の名主関係史料では、年貢割付、宗門人別帳、助郷、伝馬継立、頼母子、名主日記、金銭貸借関係証文など役文書のレギュラーなものは含まれている。そのほか代々名主日記を残している。
 近代では戸長役場関係文書など村政関係書類がまとまっている。私文書では平尾八幡祭礼関係、北佐久郡会議員関係、家業となる養蚕、書翰、書籍類も含まれている。 
 近世から明治にかけての名主、地方名望家の豊富な内容を有する文書群である。名主家に関わる文書のまとまりが崩れていない状態での良質な史料群である。「戸長土屋六朗殿ノ口述証言」(2-25-1822)によれば「当村古文書貞享御検地水帳其外古証文一切貴家方へ永年保管方依托ス」とあり、1885(明治18)年4月に戸長役場筆生を勤める森泉宰二郎宅へ保管されたことが知られる。消毒費なども支弁されており、地域アーカイブズの先駆といえる事例である。

 長野県立歴史館【最終確認2021.2.22】の利用について案内する。。メニューから利用案内が表示される。また、「書籍・史資料」のコンテンツ「古文書目録名検索」から「森泉」で検索すると、文書の詳細が表示される。「収蔵データ検索」をクリックすると、個々の文書の一覧が表示される。個々の文書の多くは、アーカイブされてはいない。

 上記の目次や解説から類推できる内容を含むものを、当館所蔵の佐久地域の平尾村、田野口村にかかわる市町村史誌から探したが、森泉氏を解説している記述は確認できなかった。
 『新編信濃史料叢書 第8巻』信濃史料刊行会編・刊 1974 【N208/43/8】所収の「依田記」のp.283-292についても、確認したが、森泉氏が仕えた平尾氏についての記述が見えるのみで、森泉氏についての記述は確認できなかった。

 また、利用者調査済みの『角川姓氏歴史人物大辞典 長野県』p.964「森泉」に、書かれている臼田町田口の森泉家についての出典は、『同書』には書かれていない。『臼田町誌 第4巻近世編』 臼田町誌編纂委員会 佐久市臼田町誌刊行会 2008 【N223/106/4】でも、関係部分を見たが、出典となる文書等を確かめることはできなかった。なお、『角川姓氏歴史人物大辞典 長野県』の記述中に出てくる森泉氏に関係のある小林孫左衛門については、『同書』のp.513に記述がある。

 また、森泉氏の家紋は、『都道府県別姓氏家紋大事典 東日本編』 千鹿野茂著 柏書房 2004 【288.6/チシ/1】 p.667に「丸に剣片喰」とある。出自の項目は空白となっている。p.632-637の家紋分布表で片喰紋は長野県に多い紋の1位となっており、10.53%を占めるとある。県を3つの地域に分けた統計でも、それぞれで第1位となっている。森泉姓の多い上田、佐久を含むところでも9.48%となっている。
回答プロセス
(Answering process)
1 利用者調査済みの『角川姓氏歴史人物大辞典 長野県』p.964「森泉」を確認する。南佐久郡臼田町(現・佐久市)田野口の森泉家は名主を務めたことがわかる。

2 関係地域の誌史類を調べる。来歴まで記しているものは確認できない。

3 当県の公共図書館の蔵書を横断検すると、佐久市立浅科図書館に『森泉家史』を発見する。同じ資料を長野県立歴史館が所蔵していたため、目次を確認する。また、同館の文書類を検索すると「佐久郡上平尾村森泉家文書」が所蔵されていることも判明した。

4 平尾氏とも関係があるようなので、『新編信濃史料叢書 第8巻』信濃史料刊行会編・刊 1974 【N208/43/8】所収の「依田記」を見るが、森泉氏についての記述は確認できなかった。

5 家紋については、NDC分類288(家伝)の書架で調査する。 

<調査資料>
・『長野県の名字』 森岡浩著 しなのき書房 2008 【N288/233】
・『信濃史料 索引』 信濃史料刊行会編・刊 1972 【N208/28a/31】
・『佐久市志 歴史編2 中世』 佐久市志編纂委員会編 佐久市志刊行会 1993 【N233/69/3-2】
・『佐久市志 歴史編3 近世』 佐久市志編纂委員会編 佐久市志刊行会 1992 【N233/69/3-3】
・『信濃古武士』 丸山楽雲著 信濃古武士刊行会 2009 【N288/236】
・『御代田町誌 歴史編上』 御代田町誌編纂委員会 御代田町誌刊行委員会 1998 【N222/103/4】
・『佐久地方の地名路語源』 市川武治著 郷土出版社 1988 【N230/13】
・『長野県南佐久郡志』南佐久郡役所 千秋社 1997 (大正8年南佐久郡役所編・刊の復刻) 【N223/90】
    p.793に小林孫左衛門の記述あり
・『長野県北佐久郡志』
    長野県北佐久郡役所 千秋社 1997 (大正4年長野県北佐久郡役所編・刊の復刻) 【N222/127】
・『平尾守芳とその一統』 楜澤龍吉著 櫟 1987 【N288/131】
・『信州岩村田藩物語』 中村勝実著 櫟 1989(千曲川文庫13)【N223/73】
・『長野県史 近世史料編 第2巻(1)東信地方』 長野県編 長野県史刊行会 1978【N209/11/2-1】
・『長野県史 近世史料編 第2巻(2)東信地方』 長野県編 長野県史刊行会 1979【N209/11/2-2】
事前調査事項
(Preliminary research)
『角川姓氏歴史人物大辞典 長野県』 角川書店 1996 p.964「森泉」
NDC
個人伝記  (289 10版)
系譜.家史.皇室  (288 10版)
中部地方  (215 10版)
参考資料
(Reference materials)
森泉英雄著. 森泉家史. 森泉英雄, 1988. (長野県立歴史館図書室, 佐久市立浅科図書館が所蔵)
竹内理三 [ほか]編纂. 角川日本姓氏歴史人物大辞典 20. 角川書店, 1996.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002541302-00 , ISBN 4040022009
キーワード
(Keywords)
森泉姓
田野口村
上平尾村
先祖
信州学
家紋
照会先
(Institution or person inquired for advice)
長野県立歴史館【最終確認2021.2.22】
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査 所蔵機関調査
内容種別
(Type of subject)
郷土 人物
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000291491解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決