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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

提供館
(Library)
県立長野図書館 (2110021)管理番号
(Control number)
県立長野-20-017
事例作成日
(Creation date)
2020年05月14日登録日時
(Registration date)
2020年06月03日 18時06分更新日時
(Last update)
2021年02月02日 10時50分
質問
(Question)
県内市町村史誌における「水車」の記述について流路・台数・用途について詳しく掲載されているものを見たい。
また、五万分の一地形図「赤穂」を見たところ、 東春近のあたりに「車屋」という地名がある。これについて水車と関係があるのか知りたい。
回答
(Answer)
1 水車の記述について
水車について、の記述で、流路・台数・用途まで記述があるのは以下の通り。
なお調査については、長野県図書館協会「長野県市町村史誌目次データベース」【最終確認日2021/01/27】で、「水車」と検索し、章・項目名に該当があったものの一部について調査した。

・『木曽福島町史 第3巻』 第6章産業 第6節工業 2水車とその利用(p.442-448)
 営業用と個人所有の水車の届け出が義務付けられた際の「水車取調書」(明治7年,p.442-443)があり、町と所有者、所有の数が記されている。また、この際に届け出をした資料「水車届出書」や、写真、規模を示す文書などが翻刻されている。
 また、明治10年代以降の工業化の中でも水車が利用されていたことが書かれている。図6・32「八沢川水車分布図」(明治40年頃)には、精米用14か所のほか、製紙工場用が3か所、製材所用1か所、工場用4か所の記載あり。

・『豊野町誌 3』 
民俗 第2部さまざまな民俗 第3章鳥居川のもたらす恵み 第2節水車のある暮らし(p.264-268)
 豊野は現在の長野市の北部にあたる地域、鳥居川は千曲川(信濃川)水系の一級河川。
詳しい年代を示す記述はないが、鳥居川水系の水車について図14「鳥居川水系水車分布図」(p.265)で場所が図示されている。
 最も多かったのが大正時代であること、用途としては「そのほとんどが精米や製粉に限られていた」(p.265)ことや、穀物の運搬のために馬を飼っていたこと(p.267-268)、集落単位で特定の水車に世話になっていた様子などが記載されている。
 また、図15「水車の構造・形式(水車はすべて木製)」(p.266)には、用水の確保の方法や水車の種類、鰕樋(えびどよ, 水車のまわりに合わせて、曲げて水を流す樋)について図示されている。

・『佐久町誌 歴史編2』
第11章貨幣・商品経済の進展 第2節諸産業の拡大 4水車稼ぎ(p.771-775)
 精米(酒造、精米業者)、製粉、製油のために水車が使われていたと記載あり。
 また、水車稼ぎが活発になった江戸時代寛政期の事例として、表12「水車稼ぎの様相」(p.773)、表13「車屋の営業状況」(p.774)が挙げられている。
表12には、水車の場所と使用条件、表13では、高見沢浩家文書「稔中行事録」をもとに、車屋の営業日ごと、扱ったもの、仕上がった量がまとめられている。
 文書から位置を特定できるものについて 図3「用水堰と水車分布」(p.775)で図示されている。

・『茅野市史 中巻』第8章諸産業と経済 第2節種々の産業 水車(p.818-823)
 表1「文化元年「車改取集帳」(長野県史刊行会提供)より集計」 (p.821-822)では、町村ごとの水車の数、臼の数、運上(雑税の1種)が村ごとにまとめられている。
 また、「塚原などは山浦方面から玄米を買い入れて精米して上諏訪町などへ販売するものがあり、水車業が盛んであったといわれている」とありますが、「具体的な記録は見当たらない」と記載あり。表1を見てみても、塚原以外の地域よりも多く運上を納めている村が多くある。

・『茅野市史 下巻』第5章商業と金融 第2節商業活動の芽生え 矢ヶ崎・塚原の商業と水車稼ぎ
 第5章商業と金融 第2節商業活動の芽生え 矢ヶ崎・塚原の商業と水車稼ぎの項(p.187-190)に永明(えいめい)村の矢ヶ崎・塚原地域の宮前堰では、「水車を設け、米搗き・粉挽き・藁打ちなどの賃仕事を行うものが多く」(p.190)と記載あり。
また、図1「明治期水車所在地(矢ヶ崎・塚原)」(p.189)では、道路、河川、鉄道と水車の位置関係を確認できる。

2 五万分の一地形図「赤穂」の「車屋」について
「車屋」は現在の伊那市東春近地区の中の字名で、三峰川の川岸に位置している。「車屋」は江戸時代以降に使用されている。
『車屋区 地名調査報告書』p.5には、「(前略)このように車屋と水車の結びつきは強く、水車小屋のことを車屋と言う場合もあることから、地名が「車屋」になったものと考えられます。しかし、この地名がいつ頃できたのか、確実なことは分かっていません。確かなことは、「車屋」という地名と地区は川や水と大変関わりが深いということです」と記述がある。
回答プロセス
(Answering process)
1 水車についての記述について

(1) 長野県図書館協会「長野県市町村史誌目次データベース」【最終確認日2021/01/27】で「水車」と検索。
該当のあった93冊から、生活や産業などの項目に記載されていると推測されるものを中心に個々の市町村史誌を当たる。
回答に使用したものを見つける。

(2) 『長野県史 通史編 第5巻』を参照する。
p.448に県内の水車の用途、「天保8年(1837)松本領松川組村々の水車」(p.450)に所在の村と数のみ記載あり。

2 「車屋」について
(1) 当館蔵書検索で郷土図書「車屋」を検索したところ、回答資料『車屋区 地名調査報告書』が該当した。
(2) 該当地域である伊那市、旧東春近村の市町村史誌を当たるも水車に関する項目の記載なし。
(3) 当館所蔵の地名辞典で「車屋」を引くも、該当項目なし。
 
 このほか、伊那市のホームぺージで上記資料の公開がないか探していたところ、伊那市役所作成の「地域の教科書」【最終確認日2021/01/27】を発見したため、合わせて紹介した。
事前調査事項
(Preliminary research)
『保科誌』保科誌刊行会編纂委員会[編] 保科誌刊行会 2016
五万分の一地形図「赤穂」を見たところ、 東春近のあたりに「車屋」という地名がある。
NDC
日本  (291)
参考資料
(Reference materials)
木曽福島町教育委員会 編 , 木曽福島町教育委員会 (長野県). 木曽福島町史 第3巻 (現代編 2). 木曽福島町, 1983.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I002588760-00
豊野町誌刊行委員会/編 , 豊野町誌刊行委員会. 豊野町誌 3. 豊野町誌刊行委員会, 1998-03.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I059128963-00
佐久町誌刊行会/編 , 佐久町誌刊行会. 佐久町誌 歴史編2. 佐久町誌刊行会, 2005-03.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I058923907-00
茅野市/編集 , 茅野市. 茅野市史 中巻. 茅野市, 1987.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I011729885-00
茅野市. 茅野市史 下巻 (近現代・民俗). 茅野市, 1988.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I002578208-00
「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編纂. 角川日本地名大辞典 20 (長野県). 角川書店, 1990.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002055045-00 , ISBN 4040012003
日本歴史地名大系 第20巻 (長野県の地名). 平凡社, 1979.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001461869-00
車屋区地名調査報告書. 伊那市東春近車屋区地名調査委員会, 2016-01. ([伊那市古い地名調査報告書] : [1])
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I091585059-00
キーワード
(Keywords)
水車
車屋
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介 文献紹介
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000282736解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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