レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018/01/19
- 登録日時
- 2019/02/09 00:30
- 更新日時
- 2019/02/09 00:30
- 管理番号
- 参調 18-0044
- 質問
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解決
平安時代、五畿七道の次の三つの地域名について、当時どう読まれていたか。
1 東海道
2 中山道
3 北陸道
- 回答
-
●五畿七道について
・『日本地図地名事典』p535、536“五畿七道”
古代律令制下の地方行政区画 大和(やまと)・山城(やましろ)・河内(かわち)・摂津(せっつ)・和泉(いずみ)の5国を畿内(きない)、他の諸国を東海(とうかい)・東山(とうさん)・北陸(ほくろく、のち ほくりく)・山陰・山陽・南海・西海(さいかい)の7道(地方)に分け、都より諸道へ向かう道が通じた。東海道・山陽道などの地方称が街道をさす呼称となった。1868(明1)北海道が加わり、五畿八道ともいう。
1 東海道
→ うめつみち
・『国史大辞典 第10巻 と-にそ』p32“東海道(とうかいどう)”の項
古代の行政区画である五畿七道のうちの七道の一つ。大和時代には東海(うめつみち)として、東山道(あずまのやまみち)とともに、東国経営の交通路とされた。
・『交通』p35”ヤマトタケルのみち”
東海道は古くは、「やまつみち」の東山道に対して、「うみつみち」と呼ばれた。
・『東北の街道』p8“古代の道 城柵を結ぶ道と蝦夷の道”の項
東北とかかわりのある古い道として東山道(あずまのやまみち)と東海道(うめつみち)がある。六世紀頃から東国に至る道として開かれてきた道である。山間を通り東国に達しさらに蝦夷に至らんとする東山道と、海岸部を通り東国に至る東海道である。共に国土の地形の制約のもとごく自然に開かれてきたのである。やがて律令国家の官道として整備された。官道は今の国道に相当するといえようが、大路(たいろ)の山陽道、中路(ちゅうろ)の東海道(とうかいどう)・東山道(とうさんどう)、小路(しょうろ)の北陸道・山陰道・南海道・西海道の七道である(後略)。
2 中山道
→ とうさんどう
・『国史大辞典 第10巻 と-にそ』p597”中山道(なかせんどう)”の項
近世の街道名で、五街道の一つ。。江戸日本橋より京都に至る街道であるが、最後の草津・大津の二宿は東海道と重なる。中仙道とも書いたが、享保元年(1716)に江戸幕府は、東山道のうちの中筋の道であるから、古来より中山道と称しているとし、東山道・山陽道などの「山」はセンと読んだと説明している。
・『歴史考古学大辞典』p865“中山道(なかせんどう)”の項
江戸から武蔵・上野・信濃・美濃・近江国を経て京都に至る江戸時代の主要街道。中仙道とも書いたが、幕府は1716年(享保元)にこの街道は古代の中山道(とうさんどう)の中道であったので中山道とすべきであるとした。
・『日本地図地名事典』p885”なかせんどう 中山道”の項
江戸時代の五街道の一。京都と江戸を結ぶ内陸路。【別綴】中仙道。【古称】東山道(とうさんどう、近世以前の称)
・『角川日本地名大辞典 20 長野県』p868“中山道(なかせんどう)”の項
名称ははじめ中仙道であったが、東山道のうちの中筋の道ということで、享保元年から中山道と改めた。
・『角川日本地名大辞典23 愛知県』p841“中山道(なかせんどう)”の項
山の中を通ることから中山道といった。当初は中仙道と書かれたが、正徳6年に改められた。
・『日本地図地名事典』p943“中山道(なかせんどう)”の項
江戸時代の五街道(東海道、中山道、日光街道、奥州街道、甲州街道)の一つ。板橋(東京都板橋区)から上州(群馬県)、信州(長野県)の山間部を経て、近江(滋賀県)の草津(草津市)で東海道に合流する。中世以前には東山道(とうさんどう)とよばれた。東海道と並ぶ要道で、1716年江戸幕府の命により中仙道を中山道と改め、公的には中山道に統一されるが、民間ではその後も中仙道と書いたり、木曽街道とよんだりした。
3 北陸道
→ ほくろくどう、きたのみち、くるがのみち、くぬがのみち
・『日本史大事典 6 へ?わ』p147“北陸道(ほくりくどう)”の項
古代の七道(五畿七道)のひとつ。畿内北方の若狭湾から日本海沿岸を北に向かう交通路。陸路の意味合いから「くぬがのみち」とも呼ばれた。
・『日本地名百科事典』p1185“北陸街道(ほくりくかいどう)【滋賀県ー新潟県】”の項
古代官道の一つである北陸道(ほくろくどう)を前身とし、現国道8号にほぼ相当する。
・『日本歴史地名大系 第15巻 新潟県の地名』p23“北陸道(ほくりくどう)”
都から佐渡国の国府に通じる古代の官道。「ほくろくどう」「きたのみち」「くるがのみち」ともよばれた。
・『角川日本地名大辞典 16 富山県』p787“北陸道(ほくりくどう)”の項
地方区分線と街道名の2様に用いられた。古くは「ほくろくどう」ともいう。地方行政区画の五畿七道の一つ。(中略)はじめ北部の日本海沿岸地方を高志(越、こし)といい、これは高志道(越路)とも称した。(中略)高志(越)が自然発生的な名称と思われるのに対し、北陸・北陸道は中央政府からの命名、律令制的な名称である。北陸道の古訓は「日本書紀」ではクヌガノミチ、または訛ってクルガノミチとするのは陸路の意味をもつ。これは高志地方への交通は、はじめ海路をとったが、のち陸路が開かれたため、海道に対して陸道と称し、クヌガノミチの起こりと考えられる。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 交通史.事情 (682 7版)
- 参考資料
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- 1 国史大辞典 第10巻 と-にそ 国史大辞典編集委員会∥編 吉川弘文館 1989.9 210.03/KO/10
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2 日本史大事典 6 へ?わ 平凡社 1994.2 210.03/NI/6 -
3 国史大辞典 第10巻 と-にそ 国史大辞典編集委員会∥編 吉川弘文館 1989.9 210.03/KO/10 -
4 歴史考古学大辞典 小野/正敏?編 佐藤/信?編 吉川弘文館 2007.3 210.03/R -
5 日本地名百科事典 小学館 1998.6 291.03/NI -
6 交通 荒井/秀規?[ほか]編 東京堂出版 2001.6 682.1/KO -
7 日本地図地名事典 三省堂編修所∥編 三省堂 1991.9 291.03/NI -
8 東北の街道 無明舎出版(制作) 1998.7 682.1/TO -
9 日本歴史地名大系 第15巻 新潟県の地名 平凡社 1986.7 291.03/NI/15 -
10 角川日本地名大辞典 20 長野県 「角川日本地名大辞典」編纂委員会?編 角川書店 1990.7 291.03/KA/20 -
11 角川日本地名大辞典 23 愛知県 「角川日本地名大辞典」編纂委員会∥編纂 角川書店 1989.3 291.03/KA/23 -
12 角川日本地名大辞典 16 富山県 「角川日本地名大辞典」編纂委員会∥編 角川書店 1979.10 291.03/KA/16 -
13 日本地図地名事典 三省堂編修所∥編 三省堂 1991.9 291.03/NI -
1 事典日本古代の道と駅 木下/良?著 吉川弘文館 2009.3 682.1/J
- キーワード
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- 五畿七道
- 東海道
- 中山道
- 北陸道
- 読み
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事項調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000251553