レファレンス事例詳細(Detail of reference example)
提供館 (Library) | 吹田市立中央図書館 (2310124) | 管理番号 (Control number) | 吹-20-2018-003 | |||||||||||||
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事例作成日 (Creation date) | 2017年08月24日 | 登録日時 (Registration date) | 2018年09月21日 16時14分 | 更新日時 (Last update) | 2019年03月31日 14時22分 | |||||||||||
質問 (Question) | 日本万国博覧会(1970年 通称大阪万博)のガス・パビリオンで展示していたジョアン・ミロの陶板壁画が国立国際美術館に移譲された際の状況を知りたい。 | |||||||||||||||
回答 (Answer) | ジョアン・ミロ製作の陶板壁画「無垢(むく)の笑い」は、博覧会終了後、大阪府もしくは旧日本万国博覧会記念協会(1971年9月1日設立)の元で管理されていた。旧万国博美術館は1975年に建物を無償譲渡し、1977年国立国際美術館として開館した。その際に壁画も譲渡されたのではないかと推測できる。 | |||||||||||||||
回答プロセス (Answering process) | 当館検索機で「日本万国博覧会」、ガス・パビリオンの参加団体である「日本瓦斯協会(にほんがすきょうかい)」、「国立国際美術館」、「ジョアン・ミロ」のキーワードで検索し、下記の資料を調査した。 1 日本万国博覧会 (1)『日本万国博覧会公式記録 第1巻』(日本万国博覧会記念協会 1972) p408~p409「ガス・パビリオン」(参加者:(社)日本瓦斯協会 テーマ:笑いの世界)の項目にスペインの巨匠ジョアン・ミロの大壁画「無垢の笑い」が設置されていたとの記述あり。挿図で壁画の白黒写真あり。高さ5メートル、横12メートル、陶板640枚で制作。調達のくだりや、万博閉会後については記述なし。 (2)『日本万国博覧会公式記録 第3巻』(日本万国博覧会記念協会 1972) p376~p378(財)日本万国博覧会協会(1965年10月15日発足)に寄贈された国内展示物が記載されているが、「無垢の笑い」については言及なし。 2 日本瓦斯協会 (3)『日本瓦斯協会史』(日本瓦斯協会協会史編さん特別委員会/編集 日本瓦斯協会 1976) p98~p99 日本万国博覧会に関しての記載あり。ただし「ミロの壁画は予定どおり大阪府に引き渡され」とあり。 (4)『大阪ガス100年史 1905〜2005』(大阪ガス/編 大阪ガス 2005.10) p149 16行ぐらいに渡って、壁画の調達から展示、また博覧会終了後は国立国際美術館に寄贈され、展示されたとの記述あり。 *巻末の参考文献が充実していたので、以後の調査の手がかりとなった。 (5)『明日へ燃える 大阪ガス80年』(大阪ガス/編 大阪ガス 1986) p174~p175 カラーで壁画と制作中のミロの写真あり。「博覧会終了後は会場跡の国立国際美術館に寄贈、展示」とあるが、詳細状況の記述はなし。 (6)『追憶安田博』(大阪瓦斯株式会社/編集 大阪瓦斯 1982) p217~p221 安田博(大阪瓦斯(株)代表取締役専務取締役、(社)日本瓦斯協会理事)による壁画調達の経緯の詳細記述あり。万博後、壁画が国立国際美術館に移譲されるまでの経緯については記述なし。 p224~p227『「笑いの世界」にミロを』(日本経済新聞1969年〈昭和44年〉1月13日掲載)は壁画調達の回想記事。 *安田氏の肩書はp284の年譜より。 3 国立国際美術館 (7)『国立国際美術館所蔵品目録 絵画 1977-1991』(国立国際美術館/編集 国立国際美術館 1993) ジョアン・ミロ「無垢の笑い」1977年度(昭和52年度)寄贈とあり。 p11 作品のカラー写真、p54 作品の白黒写真。 (8)『国立国際美術館20年史 1977-97』(国立国際美術館開館20周年記念誌担当/編集 国立国際美術館 1997.10) p16~p23 国立国際美術館設立にかかる要望書、報告書等の文書も収載されているので経過が分かる。 p37 開館式の模様が白黒写真で紹介されている。毎日新聞1977年10月15日に開館式を伝える記事があり、壁画にも言及している。 p134 所蔵作品作家一覧に「ジョアン・ミロ」の記述あり。 p136 作品寄贈者一覧に「日本万国博協会」の記述があるが、寄贈作品名の記述はないため特定はできない。また譲渡に関する記述もなし。 (9)『国立国際美術館の20年』(国立国際美術館/編集 国立国際美術館 1997) あいさつ文に下記の記述あり。 「新設された国立国際美術館には、太陽の塔と並ぶ万国博覧会のシンボルとして入館者に親しまれたジョアン・ミロ作の巨大な陶板壁画<無垢の笑い>が旧ガスパビリオン展示館から移され、7年ぶりに復活して正面玄関のロビーに飾られました。」 | |||||||||||||||
事前調査事項 (Preliminary research) | ||||||||||||||||
NDC |
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参考資料 (Reference materials) |
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キーワード (Keywords) |
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照会先 (Institution or person inquired for advice) | ||||||||||||||||
寄与者 (Contributor) | ||||||||||||||||
備考 (Notes) | 譲渡に関する記述がなかった資料。 (10)『夢の美術館』(国立国際美術館/(ほか)編集 朝日新聞社 2007.1) (11)『国立国際美術館年報 1977~2008』([国立国際美術館/編] 国立国際美術館 1977-2008) ジョアン・ミロをテーマにした美術書関係は、1冊年譜に万博で作品を出したと言及されていただけで、譲渡に関する記述は見つけられず。 | |||||||||||||||
調査種別 (Type of search) | 事実調査 | 内容種別 (Type of subject) | 質問者区分 (Category of questioner) | 社会人 | ||||||||||||
登録番号 (Registration number) | 1000242816 | 解決/未解決 (Resolved / Unresolved) | 解決 |