レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010年02月02日
- 登録日時
- 2010/02/18 16:35
- 更新日時
- 2010/09/23 10:36
- 管理番号
- 名古屋市天-2010-001
- 質問
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解決
森蘭丸の先祖が、斯波氏から三百貫を賜わり配下となったとあるが、当時三百貫とはどれくらいの価値があるものか。
- 回答
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『中世人の経済感覚』によると「一般に米一石が銭一貫(一石一貫)といわれている」ことから、三百貫は三百石になります。また、近世の尾張藩士の場合、三百石で中クラスと考えらるとのことです。したがって、はっきりとはわかりませんが、それ以前(15世紀)の頃なら、中の上クラスの生活ができたのではないかと思われます。
- 回答プロセス
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(1)まず、一貫を石高で表すとどのくらいの価値になるのか調べてみると、『中世人の経済感覚』に「一般に米一石が銭一貫(一石一貫)といわれている」とありました。しかし、三百貫、あるいは三百石がどの程度の価値になるのか、当館所蔵の資料だけでは調べきれないと判断し、名古屋市博物館の学芸員の方にご助言いただきました。
(2)後日、確認のために森蘭丸の祖先について調べてみると、『姓氏家系大辞典』の美濃源姓の「森」の記述の中に、「又太郎泰朝・土岐の幕下にて、美濃國三百貫文の地を領す」とあり、森蘭丸の祖先に「土岐氏」から三百貫文の領地を拝領した人物がいるらしいことがわかりましたが、「斯波氏」からの三百貫については、確認できませんでした。
(3)なお、森可成以前の系譜については諸説あるようで、『森一族のすべて』には源義家から森可成までの系譜として『尊卑分脈』・『寛政重修諸家譜』・『森家先代実録』等によるものと、『美濃明細記』によるものの2つの系譜が掲載されており、上記の「又太郎泰朝・・・」の出典は『美濃明細記』のようです。
- 事前調査事項
- NDC
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- 貨幣.通貨 (337 9版)
- 日本史 (210 9版)
- 参考資料
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- 『中世人の経済感覚』 本郷恵子/著 日本放送出版協会 2004年 p.32-45
- 『日本史総覧 3』 新人物往来社 1984年 p.46-57 (中世米価表)
- 『國史大辭典』 吉川弘文堂 1985年 (貫高制、石高制のあたり)
- 『姓氏家系大辞典 第3巻』 太田亮/著 角川書店 1963年 p.6124
- 『新撰美濃志 訂正版』 岡田文園/稿 大衆書房 1972年 p.576
- 『森一族のすべて』 一族叢書編集委員会/編 新人物往来社 1996年 p.217-218 (森氏詳細系図)
- 『姓氏4000歴史伝説事典』 志村有弘/編 勉誠出版 2008年 p.1155-1156
- キーワード
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- 森蘭丸
- 照会先
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- 名古屋市博物館
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000063663