レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015/07/05
- 登録日時
- 2017/03/29 00:30
- 更新日時
- 2017/03/29 00:30
- 管理番号
- 参調 16-0015
- 質問
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解決
傘型畜力原動器(機)について知りたい。
農機具事典などに載っていないか。
知りたいのは、どのように使っていたのか、ということと、図面(構造を知りたい)
- 回答
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どのようなものかわからなかったため、検索エンジンで「傘型」「畜力」をキーワードに画像検索。農研機構のHP「生物系特定産業技術研究支援センター 農業機械化促進業務→資料館」にある「畜力原動機(傘型式)」の写真がヒットしたため見ていただくと、これのことだ、とのこと。
http://www.naro.affrc.go.jp/brain/iam/shiryo/shiryo01/013184.html
(農研機構HP 「生物系特定産業技術研究支援センター 農業機械化促進業務→資料館」「畜力原動機(傘型式)」の写真) 最終確認 2016.8.17
家畜(牛馬)の力を動力として使う、というもので、農研機構HPの記述によると「「脚踏式および回行式畜力原動機」として「砂糖生産地の琉球や四国方面で,甘蔗の搾汁用輾車の運転に牛馬を利用している」例があったが、「明治35年、岡山の奥山鹿吉が,世界に類をみない独特の傘型畜力原動機を発明した」とのこと。「明治末期から次第に普及し,大正10年には岡山県下だけでも12,000台の普及をみた」とあるが、おそらく戦後は畜力から機械化に変わり、姿を消したと思われる。
以上のことから最近の農機具関係の資料にはほとんど記述がない。(1961年刊行された「農業機械学」の13~14頁に「畜力機」として「明治35年、かさ型畜力機が考案され、次いで回転式畜力機が発明され、昭和12年にはその普及台数は相当の数に達したが、その後、漸次減少し現在はほとんど用いていない」とあるのみ。)
1948年刊「農機具」21~22頁に、回行式畜力機の1種、「直立歯車式」のひとつとして「傘型畜力機」の紹介あり。側面図、平面図、見取り図と、構造について文章で説明あり。
他に資料はないかと「北海道」「畜力」などの言葉をキーワードに検索エンジンで調査していたところ、「北海道開拓記念館だより」Vo.33Nol.1に「風車の他に脱穀・籾摺り用の馬2頭曳カラカサ(畜力機)も自作した」とあり、北海道では「カラカサ」と呼ばれていた可能性あり。「カラカサ」「北海道」「畜力」をキーワードに再度検索したところ、「北海道開拓記念館調査報告41」に「北海道における畜力機の使用について?カラカサに関する資料の所在調査から? 」という論文が掲載されていることがわかった。
http://www.hmh.pref.hokkaido.jp/PDF/Dayori33/Dayori33-1.pdf
(「北海道開拓記念館だより」Vo.33Nol.1(「カラカサ」について記述があるのは自家製粉用の風車(模型)の説明文)
*北海道開拓記念館は北海道博物館と名称変更。これにともないHPをリニューアルし、2016年8月17日現在、「北海道開拓記念館だより」をウェブで閲覧することはできない。
当館所蔵資料(北方)だったため内容確認。簡単な構造図、現存しているカラカサの所在、写真、模型、再現されたものなどの情報があった。再現する際図面を作成していると思われるため、問い合わせれば図面を入手できる可能性あり。
以上の情報を質問者に提示。これ以上の情報が必要であれば岡山県、あるいは農研機構に調査依頼をする旨伝えたところ、現在ある資料で今のところは十分であるとのことだったため調査を終了。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 農業工学 (614 7版)
- 参考資料
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- 1 農業機械学 薗村光雄∥等著 朝倉書店 1961 614.8/NO
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2 農機具 森周六∥著 実業教科書 1948 614.8/MO -
3 北海道開拓記念館調査報告 第41号 北海道開拓記念館 2002.3 069/HO/41-イ
- キーワード
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- 畜力原動機
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事項調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000213408