レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年04月04日
- 登録日時
- 2020/12/16 11:45
- 更新日時
- 2020/12/16 13:15
- 管理番号
- 京歴-502
- 質問
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解決
藤木成定(なりさだ)の書が見たい。藤木成定は「洛下の三筆」の一人だったと思う。
- 回答
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『書道大師流草考』(①)のp.16に、藤木成定の説明とともに成定筆「駿州前司」、「成定」の文字が載っていた。
なお、『名数人名事典』(②)pp.122-123によると、「洛下三筆」は本阿弥光悦、松花堂昭乗、角倉素庵(または近衛信尋)としており、藤木定成が洛下の三筆であるとする資料は見つからなかった。
- 回答プロセス
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当館の蔵書検索システム及び当館の資料・デジタル画像検索システム「京の記憶アーカイブ」でキーワード「藤木成定」を検索したが、関連する資料は見つからなかった。
『京都市姓氏歴史人物大辞典』(③)で確認すると、p.576に「藤木成定」の項があった。それによると、生没年は1558-1635であり、「上賀茂神社の祝を務める家に生まれるが、医師となり朝廷に仕える鍼医となった」とあった。この項には書については記載されていなかった。
この資料のpp.575-576には「藤木」氏についての項がいくつか掲載されていた。「藤木」氏の「10」の項では、成定を典薬寮医師の藤木家の祖としている。この項にも書について記載はなかった。「藤木」氏の「22」の項では、江戸期の書家の姓であるとし、藤木甲斐守敦直が伯父にあたる藤木成定らに書を学び、大師流を究めたことが書かれていた。この項にも作品の掲載はない。
③で藤木成定が「大師流」と関わりがあることがわかったため、当館の蔵書検索システムで「大師流」を検索し、出てきた『書道大師流草考』(①)を確認した。
インターネットで「藤木成定」を検索したところ、『藝文研究』Vol.90のpp.1-17に掲載された論文である緑川明憲著「大師流継承者としての近衛家熈」(④)のPDFが、慶應義塾大学学術情報リポジトリ(KOARA)でインターネット公開されているのが見つかった。この資料のp.4にも、藤木成定が「大師流」の書家であることが書かれていたが、藤木成定の書は掲載されていなかった。
http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=AN00072643-00900001-0001
(最終確認日:2020-6-27.)
「洛下の三筆」について『名数人名事典』(②)を確認したが、藤木成定、敦直ともに掲載されていなかった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 書.書道 (728)
- 参考資料
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- ①『書道大師流草考』下橋孝敬著 下橋孝敬 1985 (当館請求記号:||728.21||SH51||)
- ②『名数人名事典』日外アソシエーツ株式会社編集 日外アソシエーツ,紀伊国屋書店(発売) 2000 (当館請求記号:||281.033||N71||)
- ③『京都市姓氏歴史人物大辞典(角川日本姓氏歴史人物大辞典;26)』京都市姓氏歴史人物大辞典編纂委員会編著 角川書店 1997 (当館請求記号:K1||288.1||Ka14||)
- ④緑川明憲著「大師流継承者としての近衛家熈」 (『藝文研究』Vol.90 pp.1-17)
- キーワード
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- 藤木成定
- 大師流
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000290751